Myriel

 表現とメディア


【 書  名 】日本のフェミニズム7:表現とメディア
【 編 者 】井上輝子・上野千鶴子・江原由美子、編集協力:天野正子
【出 版 社】岩波書店
【発 行 年】1995年4月24日
【 価 格 】2000円
【  ISBN  】4-00-003907-5
【KeyWords】マス・メディア、大衆文化、ステレオタイプ

【 内 容 】
【コメント】

 I 女性像の歴史的変遷
  文学(水田宗子)・少女マンガ(藤本由香里)・歌謡曲(栗原葉子)
  雑誌(落合恵美子)

 II メディアの性差別表現
  新聞(田中和子)・テレビ(鈴木みどり、加藤春恵子)・絵本(藤枝澪子)

 III メディアを担う女性たち
  出版界(町田民世子)・テレビニュース(小玉美意子)・ニューメディア
  (村松泰子)

 メディア(特にマス・メディア)が描く女性像が、現実に生きる女性を縛り付
けていくという側面があります。もちろん、メディアは一つの表現手段にもなり
うるのでしょうし、ロールモデルを提示するという積極的側面もあるのでしょう
けど。でも、それにはまだまだ条件が整っていないということでしょうか。
 第I部では、メディアが描いてきたさまざまな女性像を歴史的に検討する論稿
がおさめられています。興味深いのは、日本独特のものとしての少女マンガを論
じた藤本論文。また、歌謡曲というあまりとりあげられることのない題材を扱っ
た栗原論文もあります。(ただ、これに関しては、もう少し幅広く題材を見てほ
しい気はします(^^;)。)
 さらに第II部では、メディアの中の性差別表現(ステレオタイプ化が中心)が
とりあげられています。絵本というのはあまり注目されないメディアかもしれま
せんが、書き手・選び手がほとんど女性という中で、きわめて強いステレオタイ
プ化の傾向があることが指摘されています。そう言えば、昔ベビーシッターをや
っていた女性が、「唄って聴かせる歌がないのよねえ。」と嘆いていたことがあ
りました。童謡もそうかもしれません。
 第III部では、「マス・メディアの送り手」としての女性の存在に焦点が当て
られています。町田さんは勁草書房でたくさんの女性学・フェミニズム関係の書
籍の出版に関わってきたベテランの編集者。村松論文ではコンピュータ文化(FEP
の辞書の中身とか)や通信も言及されています。

(1995/05/05)



This page written by TAKAHASHI, June (june.takahashi@nifty.ne.jp)