Myriel

 きっと変えられる性差別語


【 書  名 】きっと変えられる性差別語 〜わたしたちのガイドライン
【 著 者 】上野千鶴子+メディアの中の性差別を考える会編
【出 版 社】三省堂
【発 行 年】1996年4月30日
【 価 格 】1500円
【  ISBN  】4-385-35721-8
【KeyWords】ことば、マス・メディア、ステレオタイプ

【 内 容 】(目次)

 本書を編むにあたって‥‥わたしたちはこう考えます
 この本について はしがき
 ジェンダー的公正報道の五原則

 第1章 こんな風に呼ばれたくない 〜女の呼称と名称
 第2章 こんな言葉は願い下げ 〜おしつけられたイメージ
 第3章 決まり文句に見る女性像
 第4章 男の偏見まる出しの視点
 第5章 男が特別扱いされる時
 第6章 言語変革と社会変革 〜アメリカの場合
 第7章 ジェンダー的公正原則の提案へ
      アメリカの非差別言語運動と日本の差別語問題

 国内男女平等ガイドライン関連資料
 参考文献
 あとがき
 1〜5章に出てくる項目索引

【コメント】

 「言葉は権力です」「言葉は生き物です」「マス・メディアは権力を行使して
います」「表現をめぐる闘いは、メディアの行使する権力との闘いです」「性差
別語ガイドラインは、公権力による検閲でも法律による規制でもなく、市民によ
る『もう一つの提案』です」
 この宣言から始まる本書は、マス・メディアの中での女性の呼称、表現のされ
方の中にある、女性のイメージ、ひそかな男性の偏見を、具体的な個々のことば
にそって洗いだしていこうとする。
 とりあげられていることばは、「AさんとB子さん」「主婦作家」「真紀子長
官」「処女作」「うち女性○人」「化粧っ気なし」「男まさり」「男も子育て」
「主人」などなど。男性の呼称も若干取り上げられている。
 問題なのは、本書の冒頭の宣言からもわかるとおり、ある特定の言葉を使わな
い・使わせないようにするということではない。本書では、「ジェンダー・フリ
ー(性別情報不問)」「ジェンダー・フェアー(ジェンダー的公正)」「パラレ
ル・トリートメント(両性の対称な扱い)」「インクルーシブネス(包括的な表
現)」「バイアス・フリー(脱・固定観念)」という五つの原則にのっとって、
何が問題なのかを指摘し、対案を提示する。その言葉が時にはあからさまに、時
には暗に持っているさまざまな偏りや排除の論理を明らかにし、別の、より好ま
しい表現はないのかと考えていくところにあるのだ。
 一つ一つのことばに割かれた紙面は少ないものの、目的に適合的に作られた、
使い易い本である。
 ちなみに本書、顔マーク(通信で使われている(^^;)とかではない)で、「え
ーっ、そんな」や「ゼエッタイ困る」を表わしており、このあたりけっこう愉快
で楽しむこともできる。

(1996/04/27)


This page written by TAKAHASHI, June (june.takahashi@nifty.ne.jp)