Myriel

 都市における視線の支配


【 論文名 】都市における視線の支配 〜都市空間におかれた女性ヌード
      井上俊ほか、『文学と芸術の社会学』、に収録
【 著 者 】若桑みどり
【出 版 社】岩波書店
【発 行 年】1996年9月25日
【 価 格 】2100円
【  ISBN  】4-00-010698-8
【KeyWords】美術、セクシャリティ、都市

【 内 容 】
【コメント】
 千葉大の「オレンジ・ウーマニスト」というサークルが、街中の彫像の調査
をしたことが、著者の若桑さんがこの論文を書くことになったきっかけであっ
たと、論文の冒頭で書いてあるのですが、なぜだかサークルの名前が「オレン
ジ・ヒューマニスト」になってます。
 「公共的な空間に、しかも地方公共団体が税金を使って、なぜ〈女性ヌード〉
を置いているのか?」という疑問が論文の出発点です。「芸術とはそういうも
のだ」という紋切り型の切り返しに屈してしまわないために、「〈美〉の基準
は立場によって多様であり、そこには権力が働いている」「同様に受け手の解
釈も一様ではないことが認められてよい(一意的な〈美〉の解釈は存在しない)」
という公準を下敷きにして、東京都庁内や二十三区の公園などに置かれている
彫像のジェンダー・バイアスが解読されています。
 実際の彫像の写真がふんだんに載っていて、わかりやすい内容になっていま
す。わたしが読んでいて面白かったのが、少なからず〈少女〉が彫像のモチー
フになっていること。ナウシカも〈少女〉でした。ジャンヌ・ダルクも〈少女〉
(la Pucelle)と呼ばれています。〈少女〉への希望は果たして、「解放」な
のか「束縛」なのか? そういう問題構成自体が間違っているかもしれないけ
れど。

(1996/10/08)


This page written by TAKAHASHI, Ayako.