
もし君と結ばれなければ
【 書 名 】もし君と結ばれなければ
【 著 者 】岡しのぶ
【出 版 社】発行:ネスコ 発売:文藝春秋
【発 行 年】1996年9月5日
【 価 格 】1300円
【 ISBN 】4-89036-927-9
【KeyWords】身体、セクシュアリティ、自己表現
【 内 容 】
【コメント】
写真週刊誌で紹介されてしまったのでいささかミーハー気味に感じられるよう
になってしまいました。19歳の女性歌人岡しのぶさんの第一歌集です。
岡さんは、1976年生まれ、現在旭川工業高等専門学校化学科の5年生。蔗糖の
研究をしているそうです。
帯のキャッチコピーは「少女歌人の大胆表現」となっています。
いくつか歌を拾ってみましょう。
・触れてよと願う心に手のとどかず触れるのはどうでもいいようなたとえば
乳房
・初めての肉の重さを全身で噛みしめているあなたの下で
・今年になって初めての雪虫を見た 口の中が熱くなった
上二つのようなセックスを思わせるような表現が「大胆表現」と言われるゆえ
んなのでしょう。「19歳」の「女性(少女)」がそれを歌っていることが、さら
に「商品価値」を高めているかもしれません。
身体はもっとも個人に近いところにあるもので、表現に生々しさをあたえてく
れるものであるでしょう。彼女自身は、「乳房」や「腕」なども自分を表現する
ための一つの手段であるとごく自然に考えているようで、妙に技巧に走らず、素
直な自己表現として身体を表わす言葉を使っているのが成功している一つの理由
であるかも知れません。
ところで、"body conscious"な表現をする人といえば小説家の山田詠美さんが
いますが、山田さんも女性です。身体感覚に秀れた作品を男性は残すことができ
ないのでしょうか。それとも、男性の身体感覚は作品として評価されないという
ことなのでしょうか。
化学科の学生さんらしいこんな歌もあります。
・原子量32という硫黄瓶手にもったまま見あげる夕陽
そのほか、たとえば。
・いつか君が教えてくれたMARIKO悲しいときは歌えばいいと
この歌の「MARIKO」とは、永井真理子かな?
(1997/01/02)
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