Myriel

アート・アクティヴィズム


【 書  名 】アート・アクティヴィズム
【 著 者 】北原恵
【出 版 社】インパクト出版会
【発 行 年】1999年3月30日
【 価 格 】本体2300円+税
【  ISBN  】4-7554-0085-6
【KeyWords】アート アクティヴィズム 暴力 セクシュアリティ

【 内 容 】(目次)

 ゲリラ・ガールズ――アメリカにおけるフェミニスト・ゲリラ

 ジェニー・ホルツァー――都市空間を乗っ取るフェミニストのアート

 劉虹――「フォーチュン・クッキー」のアート

 スー・コー――検閲された「強姦」

 ヨンスン・ミン――「エキゾチックなアジア」像の解体へ

 シューリー・チェン――「トリプル・マイノリティ」のどんでん返し

 「観光」「見物」のまなざしへのカウンターアート
       ――ココ・フスコ、ツェン・クォンチ

 強姦神話の解体に向けたアート――アメリカのフェミニストの戦略

 性暴力のドキュメント――ダナ・フェラート

 WAC――直接行動のアート・パフォーマンス

 《無題》、または「女らしさ」の装い――シンディ・シャーマン

 検閲されたペニス――ファロクラシーを転覆するファロスの表象

 壁にかけられた女――女/芸術制度/ヌード

 あとがきにかえて――抵抗/転覆/浮浪の企み

【コメント】
 1989年に阿部泉と「美のくさり」パネル展をひらいた北原恵は、その後TV
ディレクターの職を離れ、アートをめぐる実践と研究に携わるようになる。この
本は、その北原が雑誌『インパクション』に掲載した文章を1冊にまとめたもの
である。(さらに続巻が予定されている。)
 ここに収録された作家は、基本的に北米で活躍する作家たちである。ただし
その中には、アジア系の女性がかなりの割合を占めている。アジア系一世自身
によって描かれたアジアのイメージは、北米における「エキゾチックなアジ
ア」とは異質のものである。
 また、テーマとしては性暴力を扱ったものも多い。レイプやドメスティッ
ク・バイオレンスといった女性に対する(ものが多い)性暴力が蔓延している
アメリカ社会に対する、それは告発の政治行動であると言い得るだろう。

 ――ひるがえって日本はどうであろうか? ちらちらと記述やアートの中に
見え隠れする「日本」、たとえば、ゲリラ・ガールズたちによる日本社会のセ
クシズムの告発や、日本のスナック菓子のCM中のラテン系人のイメージにつ
いての筆者の記述など……これらの作家たちが告発するエキゾチシズムやセク
シズムは決して「対岸」のものではないことも、読み落とされてはならない。

(1999/04/30)


This page written by TAKAHASHI, June (june.takahashi@nifty.ne.jp)