
モダンガール論 ―女の子には出世の道が二つある
【 書 名 】モダンガール論 ―女の子には出世の道が二つある
【 著 者 】斎藤美奈子
【出 版 社】マガジンハウス
【発 行 年】2000年12月21日
【 価 格 】1600円+税
【 ISBN 】4-8387-1286-3
【KeyWords】労働、教育、結婚、階層とジェンダー、主婦
【 内 容 】
はじめに モダンガールの野望について
第1章 将来の夢、みつけた
:女学校に行かせて!
:お嬢さんは職業婦人
:主婦ほど素敵な商売はない
第2章 貧乏なんて大嫌い
:労働婦人ってなんだ
:ネオンの街で生きぬく法
:みんな「働く主婦」だった
第3章 夢と現実のはざまで
:女性誌が教えてくれたこと
:キレた彼女が立ち上がるとき
:ああ、すばらしき軍国婦人
第4章 高度成長の逆襲
:めざせOL、女子大生
:あなたも私も専業主婦
:翔んでる女がぶつかった壁
終章 バブルが消えて、日が暮れて
もっと知りたい人のための文献案内
あとがき
【コメント】
斎藤美奈子が女性史の本を書くとこうなる――という一冊。明治から現代にか
けての、女性の生き方の変遷を、「欲望史観」という視点から描いてくれる。
「欲望史観」とは彼女によればこういうものだ。女性はずうぅぅっと抑圧され
てきました、大変でしたーっていうんでもなく(それだとずももももぉぉんと落
ち込んでしまう)、「婦人解放運動の力で女はこんなに進歩した!」というので
もなく(それだとみんなそんなに立派だったん?と疑問に思えてしまう)、
「リッチな暮らしがしたい、きれいなお洋服が着たい、人生の成功者と呼ばれた
い」というキモチの蓄積として、今があるという考え方。出世したいという気持
ちは男の子だけの専売特許じゃない、女の子は女の子なりに出世を狙って生きて
きたし生きているのだ、ということ。
この本のいちばんの特徴をあげるとすると、階級・階層間の差異に目を向けて
いる、ということ。得てしてこの手の本は、女を一枚岩の存在として扱いがち
だ。しかし、斎藤美奈子は、比較的富裕な階層と、都市の労働者と、貧困層と、
そして何よりもきちんと農村にも目を向けている。これはなかなか他に類例を見
ない。
そのほか、一次史料にもたくさんあたっているということもあげられる。もち
ろん、斎藤美奈子流のテンポのよい、楽しい語り口も健在だ。読んで損はない一
冊――そうおすすめしたい。
(01/01/26)
This page written by TAKAHASHI, June (june.takahashi@nifty.ne.jp)