Myriel

 フェミニズム・スポーツ・身体


【 書  名 】フェミニズム・スポーツ・身体
【 著 者 】アン・ホール  監訳:飯田貴子・吉川康夫
【出 版 社】世界思想社
【発 行 年】2001年8月30日
【 価 格 】2600円+税
【  ISBN  】4-7907-0889-6
【KeyWords】スポーツ 身体性 カルチュラル・スタディーズ

【 内 容 】(目次)

 序文
 謝辞

 第1章 あるフェミニストの研究遍歴
 第2章 カテゴリー的研究から関係論的研究へ
 第3章 フェミニスト・カルチュラル・スタディーズ――その可能性
 第4章 身体の意味
 第5章 フェミニズム研究を「行う」ということ
 第6章 リベラルな行動主義からラディカルな文化闘争へ

 訳者あとがき
 参照文献

【コメント】
 スポーツのジェンダー(フェミニスト)研究は、女性に焦点を当てたもの、
男性に焦点を当てたもの、両方を含めても、日本ではそうは多くない。「女性
スポーツの研究」は実はかなりあるのだが、非常に古い枠組みのもので、たと
えて言えば労働研究における「女子労働研究」と「労働のジェンダー分析」と
ぐらいの隔たりを感じる。(ちなみに「女性スポーツ」ということば自体が、
男性が行うスポーツを主流のスポーツと考え、女性が行うスポーツを特殊化・
周辺化するものである。)
 ということで、何かを学ぼうと思ったら、外国の文献に頼らざるを得ないの
だが、翻訳でもなかなか手に入らない……と思っていたところに本書が訳出さ
れた。
 著者アン・ホールはカナダのアルバータ大学の、現在は名誉教授。1970年代
半ばから女性運動にかかわり、スポーツと女性の研究を、フェミニズム理論を
学びながら作り上げた人である。本書には彼女の初期の研究遍歴(どのように
してスポーツのフェミニスト研究を構想するに至ったか)について語った章も
おさめられており、それを読むと、欧米においてもスポーツのジェンダー研究
がまだまだ周辺的であることをうかがえる。
 また本書は、具体的なスポーツ研究というよりは、立場表明や方法論・視角
の検討などが中心である。その点からはもっとさまざまな研究が今後紹介され
ることが望ましいだろう。

(02/09/08)


This page written by TAKAHASHI, June (june.takahashi@nifty.ne.jp)