2004年06月10日

女性学との出会い(水田宗子)

【 書 名 】女性学との出会い
【 著 者 】水田宗子
【出 版 社】集英社(集英社新書)
【発 行 年】2004年5月19日
【 価 格 】本体700円+税
【 ISBN 】4-08-729242-9
【KeyWords】女性学 フェミニズム 文芸批評 運動 アメリカ

【 内 容 】(目次)

 はじめに

 第1部 「女性学」の発見
 第2部 「女」から「ジェンダー」へ

 おわりに
 参考文献

【コメント】
 現在城西国際大学学長をつとめる水田宗子(みずた・のりこ)が、自分に視点を置
いて書き下ろした「女性学小史」。
 1937年生まれの水田は、女性学の担い手としては最年長の世代の一人ではないだろ
うか。彼女は東京女子大学を卒業後、1961年にアメリカに留学し、この地で「第二の
波」のフェミニズムからの影響を受ける以前の大学で生活することになる。彼女が初
めて「女性学women's studies」ということばを耳にしたのは、1970年のカリフォル
ニアでのことで、ここで彼女は南カリフォルニアの諸大学を横断して作られてようと
していた女性学プログラム(専攻コース)に参加することになったという。
 この本で水田は、70年代から90年代までのアメリカと日本での女性学の展開を描き
ながら、両国で生活していたフェミニストたちをそこかしこに登場させている。水田
の目を通して描かれている彼女たちの姿に注目して読みたい一冊。

投稿者 june : 20:50

1999年10月18日

ハゲを生きる(須長史生)

【 書 名 】ハゲを生きる――外見と男らしさの社会学
【 著 者 】須長史生
【出 版 社】勁草書房
【発 行 年】1999年5月10日
【 価 格 】1700円+税
【 ISBN 】4-326-65222-5
【KeyWords】男らしさ、からかい、男性学

【 内 容 】(目次より)

 まえがき
 第1章 なぜハゲ現象を扱うのか
 第2章 ハゲ経験のリアリティ――インタビュー調査から
 第3章 ハゲはつくられる――抜け毛が「ハゲ」とラベリングされるまで
 第4章 ハゲ経験を読み解く――ジェンダー論的アプローチ
 第5章 “男らしさ”はテストされ、そして維持される
  終章  まとめにかえて

【コメント】
 「すべての人はハゲである」という逆説がある。つるっぱげの人の頭に1本毛を足したとしても、1本ぐらいでハゲがハゲでなくなるはずはない。さらにそこに1本足しても同じこと……と続けていくと、結局「すべての人はハゲである」ということになってしまう。
 これはばかげた論理だ。しかし、この詐欺的論理が明らかにしてくれることがある。それは「“ハゲである”と“ハゲでない”を区別する絶対的な境界など存在しない」ということだ。ひとがその状態をハゲと考えるからハゲはハゲなのだ。ハゲとは社会的構成物なのである。
 もちろん、若いうちから毛が抜けやすいのは遺伝によるところが大きい。しかもそれは、女性より圧倒的に男性に多い。だが、年を重ねれば毛が薄くなるのはむしろ当たり前。男性でなく、女性も薄くなる。子どもでも毛が抜けて「ハゲ」になることはあるし、薬や病気の治療で毛が抜けることもある。
 では、なぜ「ハゲとジェンダー」なのか。それは、日常的な場面において「毛が薄い男性」に対して、「や〜い、ハゲぇ」という「からかい」の実践が向けられるからだ。筆者によればこの実践は、(1)男性から男性に対して向けられるものであり、(2)「からかい」=冗談、というまじめに対応することをそもそも妨げる装置を盾にしたものであり、(2)「女性にモテなくなる」「女性はハゲを気にする男が嫌い」というように女性のフィクショナルな視線を経由して行なわれるという意味で、直接の実践者を匿名にしてしまい、逆に「からかい」の内容を普遍的・自明的なものにしてしまう、という特徴を持つ。
 そう、この「からかい」にまじめに対処することはあらかじめ封じられているのだ。筆者はこれを「人格のテスト」と呼ぶ。つまり、「ハゲの男性」はこの「人格のテスト」を乗り切るような態度を身につけていなければならない、たとえば「明るく振る舞う」とか「堂々と気にしないでいる」、場合によっては、「開き直って公然とカツラをつける」とかいう態度・パーソナリティを身につける・装うことで。このテストにパスしてみせることが、彼の男性性の証なのだ。男らしさとはこういう「外見」をウジウジ気にしないことを意味するのだから。
 これは実は矛盾する要請である。わたしたちの男らしさ・女らしさの表現は、かなりの部分自己の身体の「男らしい/女らしい」演出によるものだ(服装やふるまい、表情形成なども含めた)。男らしさを表現するのには身体を通じてなさなくてはならない、しかし一方で実現したい男らしさには「外見を気にするな」という規範がある……おそらくこの矛盾は、男性の多くに共有されているはずなのだが、それがハゲ経験を通じて意識化されるということだろう。
 終章では、こうした結論を踏まえて、伊藤公雄などのこれまで男性学をリードしてきた論者に対する批判も展開されている。「ハゲ」をキーワードにした、男性学の「一転突破」の書と言えるだろうか。今後著者がどのような研究を「全面展開」していくのか、興味を惹かれるところである。

投稿者 june : 16:26

1998年07月16日

女たちの便利帳(ジョジョ企画編)

【 書 名 】女たちの便利帳・2
【 編 者 】ジョジョ企画
【出 版 社】発行・ジョジョ 発売・教育史料出版会
【発 行 年】1998年7月17日
【 価 格 】2800円+税
【 ISBN 】4-87652-342-8
【KeyWords】運動 団体 施設 ネットワーキング

【 内 容 】
【コメント】
 『女たちの便利帳』、全国版の第2版です。
 「読むより、使う本です。」とは帯のキャッチコピー。カウンセラー、ホットライン、病院、キャリアアップ、弁護士、お店、など、「女性たちのため」のさまざまな情報がいっぱいに詰まっています。全1700件。
 ただし、情報には相当の偏りがあって、やはり東京・大阪中心。福島県12件、青森県8件の他、東北各県の情報の少なさがすごく目立ちます。(だからこそ、福島で『ふくしま 女たちの便利帳』なんてものも作ったんだけど。)

 現在「4」まで出ています。相変わらず東北は少ないです。

(2002/09/18)

投稿者 june : 17:35