キャンパス・セクハラへの対応策



 キャンパス・セクハラへの対応をどのように考えたらいいのでしょうか? 実はこれはものすごく難しいことだと思いますが、以下「対学生」というところにしぼって、対応を考える際のいくつかの問題点を考慮しながら、大学側がやっておかなくてはならないことや、大学教員にできることについて、いろいろな形での取り組みを紹介していきたいと思います。

「学生相談室」の設置

 やはり、学生‐教員間(学生には大学院生も含みます)で生じるセクハラに対応するには、学生が自分の被害を届け出ることのできる窓口を設けることが対応の第一歩かと思います。(もちろん、そもそもキャンパス・セクハラが起こらないことが一番なのは当然ですけれど。)
 1997年1月20日づけの「文教速報」(発行・官庁通信社、隔日刊)によれば、鳴門教育大学では「学生総合相談室」を設置したそうです。「文教速報」の文面では、「修学、留学、就職等、あらゆる問題、悩み事について学生が気軽に相談できる窓口」となっていますが、おそらくこれは、新聞報道で世に知れたキャンパス・セクハラ事件を教訓として、問題が大きくなる前に学生に対応しようということを一つの目的にしているのではないでしょうか。就職係・留学生係の職員二名のほか、教員一名を配置して、平日の午前八時半から午後五時まで対応をしているそうです。また、面談だけでなく、電話・文書・電子メールなどでも応対をするということから、気軽に面と向かって話しにくいセクハラの対応も意識されているのではないかと思われます。
 就職係・留学生係の職員を配置するというのは、この二つが学生との対応の機会が多いということで、あらかじめ学生の流れをこちらへ向けてしまおうというものでしょう。うまく機能するかどうかはともかくとして、いいアイディアであると思います。

 そのほか、保健管理センターなどのカウンセリング窓口などを活用することもできるかも知れません。近年、学生のメンタル・ヘルスの問題が急浮上してきており、規模の大きな大学ではカウンセラーを配置するところも出てきました。福島大学でも、予算措置を講じるように求めていくことになりそうです。また、カウンセリングは、被害に遭った人への精神面からの対応ということでも、必要とされることであると思われます。

 名古屋大学では、既存の学生相談室でセクシュアル・ハラスメントに対応することになったそうです。また、『学生便覧』にも項目を立てて、全学的なアナウンスを行っています。(詳細はこのサイトを→NSNW・名古屋大学でセクシュアル・ハラスメントを考えるネットワーク)。

 福島大学でも、1998年7月より、学生総合相談室が設置され、セクシュアル・ハラスメントを含めた学生生活全般の相談を受けつけることになりました。また、同年10月からは非常勤カウンセラー(女性)も相談対応を行っています。

「対応マニュアル」「ガイドライン」の作成

 学生へのセクハラで教員を懲戒解雇した広島修道大学では、キャンパス・セクハラ防止のためのマニュアルを作成するための資料を集めているという報道が『AERA』の96年7月1日号でされていました。集まった資料は12点。外国はともかく、国内ではほとんどまだ未整備だそうです。
 しかし、「対応マニュアル」は大学としての公的な基準を定めるものであり、また学生や外部にとっては、大学がどのような態度でこの問題に取り組んでいるのかが端的にわかる資料となり得ます。本格的に問題に取り組むためには、なくてはならないものでしょう。

 97年度になっていくつか公的にも、また有志の間でも、対応マニュアル作成やガイドラインを作成するところが出てきています。主なところを拾ってみます。

 ・名古屋大学:大学便覧にセクシュアル・ハラスメントに関する記述

 ・鳥取大学工学部:「性的嫌がらせの防止に関するガイドライン」作成

 ・高知大学:「勇気を出して」(パンフレット)

 ・福島大学:「福島大学における学生へのセクシュアル・ハラスメントに関する指針」

講義などを通じて認識を広げること

 『沖縄タイムス』の報道でもありましたが(96/03/06)、大学はまがりなりにも教育機関なのだから、セクハラを含めた性暴力についてきちんと「知る」機会を提供することも必要であると考えます。講義や学内シンポジウム、あるいはささやかなパンフレットでも、少しは役に立つのではないでしょうか。教員の間にやってはいけないことを判断する力を、しばしば被害者となる学生たちにはやってほしくないことに「No!」と言える力を、作ることが必要であると感じています。


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