活動紹介

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ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

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■わたしたちの想いを行動に移すには


「女と男がきゅうくつな生き方しかできないこの社会を変えたい。でもどうしたらいいのだろう?」――それは誰しもが疑問に思うこと。
 女性は参政権をとっくに手にしている。男女雇用機会均等法もできた。制度的には「男女は平等」。なのに、なぜか生活の中での意識はいつまでもたっても変わらない。
 だいたい、女性自身が、あるいは男性自身が、いつの間にか「女らしく」あるいは「男らしく」してしまう。長年教えこまれた「〜らしく」を振り捨てるのは大変だ。何より、「何が平等でないのか」「何が差別なのか」、そのへんも実は今一つ曖昧だったりする。何かモヤモヤした「想い」はあれど、それが形にならない。
 ふくしま女性フォーラム96年度第2回の学習会では、そうした日々の暮らしの中でのちょっとした「おかしい、のでは?‥‥ひょっとしたら」という漠たる「想い」を、どうやって形にし、運動へとつなげていくのかを考えます。女性運動の歴史と理論を手がかりに、ふくしまの女性と男性にとって何が問題なのか・何ができるのか、そのレパートリーを提供しつつ、「わたし」を出発点にする「運動」の方向と方法を示唆します。

[場所]
 福島市市民会館 : 福島市霞町1-5 (Tel)0245-35-0111

[講師]
 高橋 準(福島大学行政社会学部助教授、社会学専攻)
1964年奈良県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位修得。
1995年4月より福島大学教員。担当科目は「生活文化論」。ふくしま女性フォーラム運営委員。
ニフティサーブ生涯学習フォーラム  「FinF ジェンダーフォーラム」運営スタッフ。

→講師ホームページへ

学習会情報

【題 名】 わたしたちの想いを行動に移すには
【日 時】 1996年7月13日(土)13:30〜16:00
【場 所】 福島市市民会館 201号室
【交 通】 JR福島駅下車東口徒歩20分
【参加費】 会員400円、非会員500円(学割あり)
【主 催】 ふくしま女性フォーラム
【連絡先】 電子メール jce00345@niftyserve.or.jp
【キーワード】 運動
【地 域】 福島県

学習会レポート(フォト&ノート)


梅雨明け間近の7月13日、第2回学習会が福島市民会館にて開催されました。講師は福島大学助教授高橋準先生。暑さにかかわらず28名の参加がありました。最初に辻みどり代表代行から、WFFの学習会はシリーズとして企画されていること、したがって今回は前回の内容を踏まえ、具体的な生活の場で私たちが「女性差別撤廃」をどう実行に移すか考えてほしいとの挨拶がありました。

高橋先生ははじめに差別は直接的差別(相手に不利益を与え、目に見えて法的規制の対象となるような差別、たとえば女子学生の就職差別など)と、間接的差別(隠蔽と排除の特徴をもち、目に見えにくく、規範や「ことば」として存在する、より日常的な差別)がある、としました。そのうえで、間接的差別に焦点を絞り、次のようなお話をされました。

間接的差別と闘う女性運動としては、1960年代後半以降のアメリカのラディカル・フェミニズムと、日本のリブ運動がある。

これらの運動は、第一に運動の日常化、日常の運動化を特徴とする。女性たちは生活の身近にある差別や自分たちの内なる差別意識を変えようとした。身にまとっているもの(ex.ブラジャーや化粧)について疑問視したり、夫と対になった女性たちが互いに反目する社会に反抗して、女同士の生活共同体を作ったりした。

第二にこうした運動にはさまざまユニークな手法が導入された。コンシャスネス・レイジング(CR)はその一つで、同性の信頼できる数名で小グループをつくり、個人的な体験について語り合い、個人の経験が大きな社会的文脈の中にあることを認識する手法である。その他、アサーティブネス・トレーニング、パフォーマンス、演劇等があるが、どれも女性に対しては社会的に推奨されてこなかった自己表現の力を獲得しようとする。

さらにこの時代の女性運動の第三の特徴として、ネットワークの形成がある。独立した個人による階層構造をもたない小グループがネットワークであるが、アメリカではこの小グループが全国レベルのネットワークへと結合、男女平等修正条項を憲法に盛り込む運動を盛り上げた。こうした運動の背後にある論理とは、行為を変え、「ことば」と「もの」を変えていくことで、「わたし」のあり方を変えることである。つまり、男女差別は社会の全体を覆っているのだから、生活の些細なことでも差別から逃れることはできない、という認識のもと、私的なことを問題視して自己変革を図り、最終的には社会を変えていこうとするのである。その際忘れてならないのは、制度を変えることと「わたし」を変えることとは車の両輪であり、ともに進めていかなければならないということである。

それで私たちは、どんな行動をとればよいのか。一つは、「ことば」を大事にすることである。間接的差別を作る「ことば」を探しだし、これを俎上にのせること。さらに日常を、「わたし」を語ることである。日常の中で、変だなと思うことを人に伝える井戸端会議を活発に開くことである。二つめに、行為を紡ぐこと。出来ることから始めてそれを積み重ねる。その出発点は常に日常である。

そして私たちの目標は次の3つ。
1.想いを映す「ことば」をもとう。(社会的に押し付けられた「ことば」でなく自分の「ことば」を)
2.情報を得よう、情報を作ろう、情報を伝えよう
3.ネットワークからインターネットワークへ(小さなグループの運動をつなぐインターネットワーク、この役割をWFFは担っていくべきだ)

以上の高橋先生のお話のあと、質疑応答に入りました。その主なものは次のとおりです。


・日常何げなく行っていることを意識化することは難しい。その手法の一つCRには、コミュニケーションや心理学の技術をもった者が加わるべきか?
(高橋)日常生活に埋もれているものにどういう意味があるかを考えることが大事。技術者がいなくても、先人の理論書を読んだりしてとっかかりにすることはできる。

・会議の場などで自己主張できることはWFFの一つの目標。うまく自己主張する技術を学習することが大事だ。「出る釘は打たれる」という状況にどう対処していくかが問題。

・出る釘は打たれる。出過ぎた釘は打たれることができない」女性はもっと大胆に。
(高橋)「打たれないタイミングを見計らって出る」ことも重要。

・主人、父兄ということばは、自分の家族を語るときは使わないようにしている。だが相手の家族を言うときには困る。自分のことばを使うとき、社会との軋轢が大変だ。

・主人は使いたくなかったので「配偶者」を使っていたら、周囲からおかしいと言われた。日常生活の差別廃止について、どの程度の目標をおいたらよいのか悩む。

・(高橋)今回の夫婦別姓の問題は、私の言う「車の両輪」がかみあった例といえる。法律上の問題と見られているが、姓を変えなければならない女性たちの気持ちが語られたからこそ、法改正の方向へ向かったのである。

・(辻)「ことば探し」「井戸端会議」などはすぐにできる活動だ。やってみたい人を募って小研究会等開いていきたい。
(レポート文責:後藤史子)

参加者の感想

らしさ、言葉、気持ちについて
 「私たちの想い」とは男女差別のない社会をつくること。ということを常に頭において講演に聞き入った。「男らしさ」「女らしさ」については、日ごろから疑問に思っていることのひとつだったので、興味深く聞いた。私は、「らしくしなさい」とか「女の子なんだから」と言って子供を躾けてきたが、男女差別ではなく「礼儀」として教えてきたと自分に言い聞かせている。これでいいんだと。意見交換では、「主人」とか「奥様」とかいう言葉にどうしてこだわるのか、それが差別につながるのだろうかと思いながら聞いた。相手を尊敬する気持ちを持っていればどんな言い方でもいいのではないかと思う。
(大石美智子 福島市)

私は、時代遅れ?
 「私たちの想いを行動に移すには」。一見簡単なことに思えるこのテーマであったが、講義が進むにつれ、私には越えることができないような重圧感にとらわれ、一瞬進むべき方向が見えなくなった(私は正直なところ、時代遅れ?)。直接・間接的な差別を、私自身も常にしていたことに、驚き、恥じいるばかり(深く反省)。ただ、どんなに時代が変わり、男女平等な社会が訪れようとも、人間が本来もっている心の優しさ、暖かさを決して忘れることのないようにと願うのは、私だけでしょうか。
(岡崎征子 霊山町)

ことばへの自覚
 高橋先生の提言から、差別を内包する「ことば」について、参加者の皆さんの関心が集まったことは、私にとっても大変心強いものでした。ことばへの自覚は、自らの内にある無知と偏見を克服し得る大きな手掛かりだと思います。「ことば狩り」になってしまわないように、誰もが正当なものと認知する豊かなことばを、「うふふ」で創造して行けたら本当に素晴らしいことだと思います。
(片平美紀子 福島市)

想いを伝えるには
 「想い」を伝えるには、まず伝えたい内容を自分が明確に把握すること。これっきゃない。あとはアイ・コンタクト、ボディランゲージ、あらゆる手段でパフォーマンスですね。 「WFF」の勉強会、「女性・今を生きる」「女性経営者プラザ」と福島通いが多くなってきました。やはり中心地にはかなわない。次回の「WFF」は郡山でとのこと。いい傾向です。出来れば県内くまなく(とはいっても双葉までは来てくれないだろうな)回ってください。数は少ないけれども「地域の文化向上」や「女性の意識改革」のために一生懸命頑張っている女性がいるのです。
 そんな元気印の仲間に会えるのが楽しみです。
(川崎葉子 双葉町)

人は生まれつき差別されてない
 講演会の差別のところで、ジェンダーに思いを寄せ、人間界はなぜに性差別があるのかと問い、その性差別の最大なるものとして、風俗営業に従事する女性の存在を強く問い続けた。人は誰をも傷つけてはならない。それは法以前の人の原理そのものです。従って、女性は商業用に用いられるものではありません。世界中の皆さん、女性を商品化することに反対しよう。
(佐藤勇樹 北会津村)

想いを行動にうつすには
 いま、時代は対立から共生へと移りつつある。過去の女性たちの戦いや70年代のフェミニズム運動により、女性にとって政策面では解放に向かっているかに見える。一方現実に個人の生活を考えたとき、就職・結婚・出産・介護の選択を迫られるのは女性。女性というカテゴリーで同じ土俵にのれない場合もある。本当は男性も社会通念で縛られているのかもしれない。「男はだまって・・・」こんなコマーシャルもあったけれど、もう古い。遠慮なく本音を聞かせてほしい。
(談/林 シゲ子 福島市)

全体の問題意識の上で
 「ふくしま女性フォーラム」を偶然知り、第1回、第2回と学習会に参加させていただきました。差別問題を多方面から学習してみて思ったのですが、私自身は幼いころから現在に至るまでの生活・精神面共に、その意識が薄かったのか不自由を感じたことがありません。一人の女性として配偶者も子供も持ち会社設立や独自の店舗経営をしながら、のびのび20年以上自己実現をして来ましたが、この学習会では個人としてではなく、全体の問題意識の上で社会を見直さねばならないことに新たに気付かされました。学問的なむずかしい話には、抵抗がありますが、生活に密着した具体例で話し合う親近感のある学習会になればと思います。
(山本絵眉子 福島市)


学習会の資料について
 第2回「私たちの想いを行動にうつすには」の内容録音のテープをお送りします。資料代および送料込み、1500円(切手でも可)です。ご希望の方は事務局へ。(少々お時間がかかるかもしれません。あらかじめご了承願います。)

 

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