活動紹介

活動紹介


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■遺産は誰に?


 暑からず、寒からずの9月末。いわき市では初めての学習会。参加者は74名でした。
 黒須敦子さんの歓迎の挨拶と講師の紹介につづき、辻代表代行からWWFの設立、学習の方法と特色、事業計画についてお話がありました。
 講師の大田原さんは、遺産の相続をたくさんの事例をあげてわかりやすく解説されました。以下はその概略です。

学習会レポート

財産は、身近な生活の問題である。

 日本列島改造論の後、土地は1反歩いくら、1町歩いくらという感覚で考えるようになり、土地の値上がりで人々は土地に対して恨みや欲望を持つようになった。
 私たちの身近にあるものは人と物である。人は「血縁」と「他人」、物は「自分の物」と「他人の物」に分けられる。人に対しては身分法、物に対しては財産法というのがあり、人には戸籍があるように、財産には登記簿がある。法律は人と物の組み合わせでできている。
 人の死亡によって起こる権利と義務のプラスとマイナスの全てを受け継ぐことが相続である。日本ではほとんど父親が財産を持っている。
 相続の順位は自分の分身である子供が第1相続人である。この場合は子供と配偶者であって、配偶者と子供ではない。日本の法律は血縁を大事に考え、夫婦はやはり他人なのかと思ってしまう。
 相続順位は、(1)子供と配偶者、(2)親と配偶者、(3)兄弟姉妹と配偶者、である。

事例

1 交通事故で農家の長男が死亡
 夫が死亡したとき、全財産を息子名義にした。その息子が30歳代で交通事故で死亡。財産は孫と嫁のものになり、嫁は実家に帰ってしまった。住んでいる家も庭の草も土地も他人の物。夫も息子も孫もなくしてしまった。

2 子供がいない夫婦
 夫が死亡したときは、夫の親と妻、親がいないときは夫の兄弟姉妹と妻。妻が働いていたときの財産(給料)を夫名義にしておくと、それも相続の対象になる。自分で働いて作った財産が自分のものにならないときもある。

3 先妻の子と後妻の子の相続は平等

4 事実婚の場合
 正式な相続はできない。家庭裁判所の判決を待つ。

5 婚姻外の子、養子の相続
 戸籍上の相続がなければ相続できない。家庭裁判所の判決を待つ。

6 ダイアナさんが結婚していたら‥‥
 交際中の男性と結婚していたとして、男性が先に死亡、ダイアナさんは後で死亡。日本の法律では、死亡の時間差があれば、ダイアナさんは男性の財産を受け取り、それが2人の王子に渡る。逆にダイアナさんが先に死亡していたら、王子への財産分与はない。死亡時刻はとても重要。

7 先祖伝来の土地
 昔は長男にすべてを渡していたが、いまは子供は平等。代々次の世代に渡すのが理想だが、できないときは血縁者で話し合いを。

8 子供に先立たれた親の相続
 独身者は親が相続する。
 昔は父が亡くなったと、息子が相談に来たが、いまは夫が亡くなったといって妻が来る。夫婦で築いた財産は妻の名義にもしておいた方がよい。高齢社会の時代に安心して老後を過ごせるよう、妻に権利があることを重視して推めている。戸籍上で婚姻して20年以上過ぎている夫婦の妻は、住んでいる土地、家について2千万円までは、贈与税からはずされる特典がある。チャンスがあったらぜひもらっておくようにしたら良い。農家には農地を保護する農地法がある。このような大事な話は、高齢者が多いので、意志能力があるうちに家庭内で話し合うべきである。

[質疑応答と意見交換]

◎事前にはがきで寄せられた質問に対して

Q 離婚希望で別居中の妻が不慮の事故で死亡。退職金が支給されるが、子供を相続人に指定できるか。遺言状は必要か。
A 子供と夫に相続される。子供だけに相続させるには、遺言が必要。

Q 父母共に他界。実家の土地は父親名義。その上建物は兄名義。末妹に少しでも財産分与したい。ほかの姉妹は相続を放棄したい。
A 実際に兄夫婦が使っている土地。相続税はあるが話し合いで、金銭解決が望ましい。

Q 熟年夫婦の離婚後の相続は?
A できない。離婚する前に相続しておく。

Q 子1人。孫1人。いまから少しでも相続税がかからないように毎年60万円以内で定期預金などしているが。
A 方法は良いが、65万円にして5万円の贈与税の税務署の証明をもらっておけば、贈与がはっきりわかる。

Q 墓の相続
A 相続登記の例外事項。慣習に基づいてその家の人が墓を守りながら、係わる行事をする。墓は相続の分割からはずれる特例。どうしても守る人がわからない時は、家庭裁判所に申し立てる。

Q 高齢者の生活施設における遺産処理の問題とその対応
A 現時点では、ごく当たり前の相続登記をしている。いろいろ事情があっても今の法律では相続人が分かればその人の名義になる。財産管理センターで考えているところです。

Q 遺言の作成の仕方
A 自筆証書、秘密証書、公正証書があるが、公正証書を推める。重病人の場合には医師の立ち会いのもとで作成されることもある。

◎会場での質問に対して

Q 女性の相続の問題点
A 土地や建物の持ち分を共有にしておく。女性自身が自分の財産を持っていることはいかに強いかを感じはじめる。

Q 夫を亡くした嫁が、高齢者の扶養・介護もしている場合、嫁には義理にあたる夫の兄弟姉妹が相続を優先するのは不公平。対策はないのか。
A 法律上の権利はない。嫁の子供である孫にはある。高齢者が存命のうちに、嫁にわけてあげようという気持ちをもってもらう。場合によっては意志能力を失ってしまうこともあるので、財産管理センターで考えている。

(報告・柴田孝子)

参加者の感想

法律が身近なものに
 大田原すみ子先生のお話は具体的で、図解で説明をしてくださったので、他人ごとと思っている事項が毎日の自分の生活の中にある重要なことだと気づかされました。
 領収書、通帳、給料明細書なども大切に保存せねばならないとあらためて思いました。 9月27日を境に、自分の老後をしっかり見据える気構えが出来たような気がします。
(阿辺みどり いわき市)

「有形・無形」の遺産
 わが家には幸い残すほどの財産もないが、遺産配分でモメて兄弟姉妹が不倶戴天の敵のようにののしりあっている身近な例もある。もちろん残された者にとっては死活問題の場合もあるから、欲のみでとは決めつけられないが、しょせん受け継いだ遺産も、自分が旅立つときには持っていかれないモノだ。せいぜい「増やさずとも減らすまじ」といったところか。私は、故人が遺した人脈、処世術など決して法律などでは規制できないものにこそ価値を認めるが、諸姉はいかがであろうか。「泣く泣くも良い方をとる形見分け」という言葉を思い浮かべながら拝聴した。
(川崎葉子 双葉町)

バトルで展開した質疑応答
 秋の彼岸から降り続いた雨がやんださわやかな日でした。会場の椅子を足さなければいけないほどのすごい入りで、大田原すみ子講師の力量と「遺産はだれに?」というテーマが、ダイアナ元妃の死の直後とあってか、質疑応答がバトルで展開するという、うれしい誤算つきでした。地元ながら、いわきの女性たちの意識の高さにおどろきました。また、福島や川内から応援に来てくださった皆様、ありがとうございました。
(中野リツ子 いわき市)

相続の落とし穴
 先祖からの預かり物である夫の遺産は家を継ぐ子(長男)に相続させるのが、農家に嫁いだ母の務めだと固く信じて疑わなかった私。遺産相続ケース(事例1)の話は衝撃的であった。
 『夫の死後、農家の全財産を長男に相続し、悲しみも癒えたところに交通事故で長男が死亡。長男の妻が全財産を相続したが、実家に帰ってしまった』
 今までは、結構進歩的だと思っていた自分が、なんと相続に対して無知であったか思い知らされた事例であった。嫁、姑の両方の立場を感じ入りながら聞いた。
(新妻喜代子 いわき市)

ダイアナ妃の話も交えて
 すごくおもしろかったです。そしてとても勉強になりました。誰も教えてくれないけれど大切な「遺産」の話をダイアナ元妃まで題材にして、とてもわかりやすく話してくださいました。次には、大田原流「夫婦別姓」についてもぜひ聞いてみたいと思いました。
(蛭田紀子 いわき市)

私の行動手始め記
 いわき地区での学習会にはささやかなお手伝いが出来たかな?と自己満足している。当日は受付担当だったが、その3日前にチラシを公民館の入り口におかせてもらった。翌日確認にいくと20枚ほどさばけていた。福島民報本社へはFAXを送って「地区だより」や「文化センター」行事の欄に掲載してほしい旨を依頼した。
 当日は予想以上の参加人員で、新聞を見てきたという人が多かった。フォーラムの趣旨などをたずねる参加者に対しては、辻代表代行から「うふふ」を受け取って参加者に渡すことが出来た。
 準備のための打ち合わせは2回ほどだったが、チームプレーで見事に成功したと思った。わたしにしては、行動第1号だったのでとてもうれしかった。
 差し入れの昼食、ごちそうさまでした。
(小野稲子 いわき市)

 

トップへ戻る ^