活動紹介

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ふくしま女性フォーラム
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福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

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■男女共同参画地域づくりフォーラム(飯館村)


今回、飯舘村において開催した出前講座は、好天気に恵まれた農繁期の土曜日であったにもかかわらず、村の女性たち70余名を含め90名を越える積極的な参加がありました。3分科会に別れての討議では、熱気を帯びた本音が飛び交い、大変有意義でした。午後は、6月に施行された「男女共同参画纂本法」について、内閣総理大臣官房男女共同参画室総務担当参事官の池田定嗣氏から内容を伺いました。概要については以下のとおりです。

学習会レポート

【講演要旨】
T男女共同参画基本法」の成立に至るまで
・平成8年7月男女共同参画審議会答申「男女共同参画ビジョン」で検討が提言され同年12月政府の国内行動計画でもある「男女共同参画2000年ブラン」においてもその検討がうたわれた。
・平成9年6月.内閣総理大臣より基本法の検討を含め「男女共同参画社会の実現を促進するための方策に関する基本的事項」について諮問。
・平成10年6月論点整理を公表し、6月から7月まで意見を募集、全国6力所で意見交換会を実施。
・平成10年11月男女共同参画審議会は「男女共同参画社会基本法について一男女共同参画社会を形成するための基礎的条件づくり一」を答申
・平成11年2月第145国会に法案を提出。
・平成11年6月15日成立。6月23日公布・施行


U基本法とはなにか
基本法というのは、国政における重要分野について、制度・政策に関する基本方針を明示したもので、法形式としては一般の法律であって、他の法律の上位法ではないが、その対象とする政策分野の施策を方向づけるものであって、実質的にはその対象分野について、他の法律に優越する性格を持っているものと考えられています。
・「男女共同参画社会」とは、男女が対等な構成員として、互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会です。このような男女共同参画社会の実現は、21世紀の我が国社会を決定する重要課題として位置付けられています。


V男女共同参画社会の形成の必要性
(UNDP他各種機関の報告若しくは調査による)
・我が国は、基本的な人間の能力がどこまで伸びたかを示すHDI(人間開発指数)では174カ国中4位ですが、政治及び経済への女性の参の程度を示すGEM(ジェンダーエンパトメント測定〉では102力国中38位と低位です。
・社会全体における男女の地位の不平等感について平等と感じているのは、男性が25.3%であるのに対して、女性は15.1%。男性が優遇されていると思っているのは、男性が70.0%、女性が79.8%になっています。
・女性の就業率は年代構成からみて、結婚、出産、子育て期に低下し、M字型になりますが、女性の潜在有業率はM字型になっておらず、就業希望はあるものの実現していません。
・男女共同参画社会を実現すべき理由
イ国民各層の意見をより反映させ、民主主義の成熟を図るため。
口男性も女性も多様な生き方を選択できるようにするため。
ハ両性の平等に基づく人権を確立するため。
二労働人口の減少に伴い、女性の能力を生かすことが必要であるため。
ホ我が国の持続可能な発展の確保に多様な人材が必要であるため。
へ国連などの世界的な取り組みに我が国も参加する必要があるため。


W条文の解説(全26条分中主な条文を抜粋)
(1)基本理念(第3条〜第7条)
イ男女の人権の尊重(第3条関係)
男女共同参画社会は、個人が尊重される晶格ある社会であり、その基礎にある理念は人権の確立であるとされています。女性に対する差別や暴力がなくなり、各人が自らの存在に誇りの持てる男女共同参画社会の形成は、人権の確立なくしてはありえません。第3条では、単に「人権」とは規定せずに、人権については性別に起因する問題という観点に着目して「男女の人権」と規定し、この観点から人権尊重を強調しています。憲法第14条にも法のもとの平等がうたわれていますが、性別による差別は、男女共同参画社会の形成を阻害する重大な問題であるとしています。
口社会における制度又は慣行についての配慮(第4条関係)
社会制度や慣行が「男は仕事。女は家庭」といった性別による固定的な役割分担を反映して、結果として男女共同参画社会の形成を阻害する要因となる場合があることから、社会制度や慣行の及ぼす影響に配慮することを基本理念として定めたものです。税制、年金などの女性の活動や生活に大きな影響を与えるものについては、男女共同参画社会の形成という観点からも広く論議されることが期待されます。
ハ政策等の立案及び決定への共同参画(第5条関係)
政策等の立案及び決定への共同参画の「共同参画」とは、単に、政策等への決定段階に参加するだけではなく、主体的に立案の段階からかかわっていくことの重要性が込められています。国や地方公共団体のみならず、企業、労働組合、経営者団体、教育、研究機関、PTA、協同組合等各種機関・団体においてもこの基本理念が尊重されなければなりません。
二家庭生活における活動と他の活動の両立(第6条関係)
現在、子の教育、家族の介護等家事の多くは女性が担っている現状があります。男女が共に社会に参画していくためには、家族を構成する男女が相互に協力をし、家庭生活と就労、学校に通うこと、地域活動をすることなど両立を図ることができるようにすることが重要です。男性にとっても、家庭生活に目を向けることは、青少年の健全育成、高齢期における生活を考えるうえで重要です。
ホ国際的協調(第7条関係)
我が国の男女共同参画社会の形成の促進が第4回世界女性会議(北京会議)等の国際会議など、国際社会における様々な取り組みと密接な関係を有してること、我が国も国際社会の一貴として、男女共同参画社会の形成に際しては、国際的な連携・協力の下に行うことが望ましいことから規定されたものです。

(2)責務(第8条〜第10条)
イ国の責務
国は、第13条〜第20条ににより「男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策」を講じて行くことになります。この基本施策には、第2条に規定されている男女があらゆる分野における活動に参画する機会が確保されるための積極的改善措置として、男女間の格差を改善するため、必要な範囲において男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供する規定も含まれています。
口地方公共団体の責務(第9条関係)
地方公共団体の果たす役割として、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策や区域の特性に応じた施策を策定し、実施する義務を規定しています。これには、審議会等の女性委員の登用促進等や、区域の特性に応じた施策としては、女性リーダー養成のための海外派遺事業の実施などが考えられます。
ハ国民の責務(第10条関係)
国民各人が、職場、学校、地域、家庭等あらゆる分野で、性別による差別的取り扱いを行わぬよう心掛けたり、家庭において家族を構成する男女が互いに協カレあうこと。また、自然人だけではなく、企業めどの法人も本条を踏まえ男女共同参画社会の形成に寄与することが求められます。

(3)基本的施策(第13条・第14条関係)
イ基本計画(第13条関係)
政府は、@総合的かつ長期的に構ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱を定める。A基本計画の円滑な実施を図るため、関係者への理解を求めることや、計画の着実な推進のためのフォローアップに関する事項等を定めることとしています。
口都道府県・市町村男女共同参画計画(第14条関係)
都道府県は、国の基本計画を勘案して、都道府県男女共同参画計画を定めなければなりません。また、市町村男女共同参画計画の策定は努力目標ですが、住民の声を生かした計画の策定に積極的に取り込むことが期待されています。

(4)その他の男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策(第15条〜第17条・20条)
イ施策の策定等に当たっての配慮
国、地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定及び実施するに当たり、男女共同参画社会の形成に配慮することとされています。
口国民の理解を深めるための配慮(第16条)
人々の意識の中に長い時間をかけて形成されてきた固定的役割分担意識等が男女共同参画社会の形成の障害となっていることを踏まえ、広報活動等を通じて基本理念に関する国民の理解を深めるよう、「適切な措置」を講じていくこととされています。
八苦情の処理(第17条)
政府の施策についての苦情の処理のために必要な措置及び人権が侵害された場合の救済を図るために必要な措置を講じなければならないとされています。
二地方公共団体及び民間の団体に対する支援(第20条)
具体的には、各種データ、国際会議における情報の提供や地方公共団体等の行う事業に対する協力や支援、職員等を対象とした情報、意見交換会等の開催が考えられます。


【分科会報告】
《第1分科会/参加者37名》
テーマ:男女共同参画の視点から地域の慣習・制度について考える参加者の本音が飛び交いました。主な発言を紹介します。
○主人という呼び名について
・主人=夫という考え方が通例になっているので、つい口にしてしまう。
・公の場所では夫。身近なところでは父ちゃんと呼ぶ。
・公に夫と呼ぶのも抵抗がある。

○婦人という呼ばれ方について
・婦人という言葉には抵抗を感じる。女性と呼ぶほうが良い。
・婦人は夫婦の婦で、女が箒を持って家にいること。男女平等の観点からは好ましくない。女性は、個人としての見方である。

○自分名義ということについて
・父兄会の役員になったとき保護者の名前を夫の名前で書いた。実質は自分がやるのだから自分の名前を書くべきとも思うが慣例で書いてしまう。
・学校への書類にはとっちも親だという考えで、自分の名前の場合と夫の名前の場合の二通りにしている。
・夫の名前で出しても会計は自分がやっている。特に抵抗はない。離婚した場合などは考えていない。
・新築の際、税制の優遇措置で2人の名義にした。父母や回りのことを考えると公には自分の名前を出せないこともある。
・叔母の葬儀に自分の名前で花環を出したらおかしいと言われて次の日に変えた。
・母のほうが収入が多いのに、なぜ、父の名前を書くのかと小さいころから思っていた。
・出荷のときに自分名義で出したら、夫はいなくなったのかと言われた。自分名義で出せば張り合いになる。
・県外だが、あるJAで出荷名義を女性にしたら、実績が伸びたところがある。自分名義で出せれば自信がもてる。
・自分の作った農産物を自分の名前で出す運動を展開してはどうか。異論に対しては自分で主張して行くことが第一歩となると思う。

○家制度について
・最初のころは家長制度に悩みノイローゼになって家に近づくと吐き気がした。夫の理解で自分で判断する作業(花作り)に取り組んだことで責任と関心が生まれ、農業に関する考えが変わった。
・お互いに助け合って農業経営をしている。自分名義の収入は生活費に使うがその中の一部を夫婦の余暇(海外旅行など)に使う。
・(飯舘は進んでいるといわれるが)どことくらべてどうということではなく、女性が先頭に立って組織を改善しようとしているところが素晴らしい。
・出荷名義や保護者は自分の名義でも、世帯主といわれると自分ではない気がする。健康保険証などの世帯主というのはなんなのか。
・(男性〉男性は普通に生活しているが、女性側から見れば様々な問題が出ている。女性と男性の見方の違いを実感した。
・解決は難しくても意識をもって⋯歩前へ進むことが大切。女性が男性を変える。家の中から改善策を見つけていきたい。

《第2分科会/参加者28名》
テーマ:住民参加による介護保険の運営
○行政からの介護保険制度についての説明及び質問に対する回答
・介護保険の事業計画の策定委員は公募で30数名。介護・老人・障害の3部会で検討・整理して策定してきたい。
・昨年から地区説明会を2回開催し、資料は各戸に配布している。
・村内の高齢化率は24.8%、後期高齢者率は9.7%である。
・ヘルパーは現在5人だが必要量としては足りている。都市部との意識の違いがありヘルパーを家の中にいれたくないという意識が強いが介護保険になって今後どう変わっていくか。
・ヘルパー養成講座を冬期間に村内で開催したい。
・介護保険の認定からもれた人に対しては、単独事業としてホームヘルプを考えている。地区のボランティア活動などと一緒に進めたい。ミニデイサービスを来年実施したいと考えている。

○参加者からの意見・要望
・介護保険は住民参画による対独自の制度を作ってほしい。住民がもっと勉強して現行の福祉サービス・介護手当の支給などを見直していく必要がある。
・紙一重のところで認定から外れた人に対しての施設は、新規に作らなくても少子化による空き教室を利用したらどうか。
・JAでも60人の登録ヘルパーがあり、この村では11人で、今後活動していくことになった。
・介護保険に伴って企業は採算がとれるものとして進出してくる。この制度は家族だけでの介護はやめようという趣旨なので、職業としての介護技術をもっている人が携わる。介護は美徳というところから脱却して、男性も参加し経営を考えたものにしていくべきである。
・介護保険の部会に出ているが、元気老人を一人でも多く作ることが大切だと思う。各地区に老人のたまり場を作り、生きがいが感じられるようにしたい。対独白のサービス(交通機関の利便など〉も考えていきたい。
・ボランティアの考え方も変わって来ている。行政の補助金ばかり頼っていたのでは活動が広がっていかない。行政と同じレベルになって実現できるものを提案して行くこと。
・一人暮らし老人のところへ行ったときに草刈りや家の修繕など、男性の手が必要だと思った。
・今は現役の農業だが、家が広いので「たまり場」に提供して、給食サービスを受けたい。

《第3分科会参加者25名》
テーマ:男女がともに考える美しい村づくり
○商工会がゴミ問題に取り組んでいることについて
・商工会婦人部、青年会30周年記念事業としてマイバッグを作ることにした。ビニールバッグを廃止し、ダイオキシン汚染から生活を守るためで、村から経費の70%が補助された。おしゃれなデザインにして買い物を楽しんでもらえるように工夫していく。
・その他の運動として、@お中元ののしを短冊にする。Aビン、缶、トレーの回収。

○産業廃棄物の問題
・ダイオキシンやアトピー、アレルギー問題に関連して、自分たちの環境だけでなく他の地域のことも考えていかなければならない。
・牧草を包むロールのラップや、農業用の黒いビニールは、個人に任せると燃やしてしまったりする。行政で何か良い方法はないか。
・(行政)ナイロンを野焼きすると300万円以下の罰金になる。農業資材は処分してくれる業者がいる。
・生産資材を売っているところで回収するのがあたりまえではないか。
・燃えないゴミは15年で満杯になってしまう。飯舘ではゴミ袋が有料なので、個人宅で燃やしてしまっているのではないか。
・(行政)焼却炉のダイオキシンを検査しているが、数値は低い。(1回100万円位がかる)
・(いわき市のゴミの出し方を資料に基づいての説明〉いわきでは大きな山がないので水が浄化されない。飯舘の分別収集は意識が高い。
・環境づくり審議会(女性16名、男性9名〉によるゴミを考える会、山の自然を考える会を発足。早い時期からの取り組みが大切。
・分別収集の徹底を言い続けていく。高齢者世帯に対しては地域で面倒を見ていきたい。
・いわきでは、スーパーなどでトレー回収をしている。
・消費者はゴミの量を減らす意識を持つこと。
・この季節には黄金色の田や山は美しいと思う。個人の財産としてではなく、全体としての調和がほしい。美しいという感性を磨くのには教育が大切と思う。
・子供が小さいうちから、家庭で環境問題を学ばせ、良い方向へ巻き込んでいきたい。


(報告者河原キクエ 企画部〉

参加者の感想

思いがかなった飯舘村
行ってみたくて、なかなか行けなかった飯舘村。思いがかなっての9月25日。夏の暑さを忘れないでと言わんばかりの暑い日でした。農業が産業の中心であり、稲刈りの最盛期にもかかわらず大勢の参加者。特に若い人(30〜40代)の参加が多いのに驚きました。間延びした総理府の先生のお話には少々眠気がさしたけれど、男女共同参画社会基本法について、背景も含めて理解することができ
ました。分科会では、「自分が働いて得たお金を夫名義の口座に入れているが、管理もわたしがしているから特に問題はない」と言う若い人の意見に対して、「それはおかしい。自分の口座にすべきだ」という発言があり、それに対して彼女が悔然とした表情だったのが気に掛かりました。わたしたちの思いが彼女に伝わる日が近いことを願うばかりです。世の中は、着実に変化して来ています。「男女共同参画社会」へと、無理強いせず、焦らず、ゆっくり変えていきませんか。これでは甘いかなあ?
(塩史子 広野町)

時期を選んでほしかった
男女一緒に講演、分科会などにも参加できる企画をしてほしいと思いました。農繁期なので参加者するのが大変でした。講演会については、学習することが大切とは思いましたが、もうちょっとわかりやすい話で・・という声がわたしの回りでも多くありました。主催・共催の方々はご苦労されたことと思います。お疲れさまでした。
(匿名:村民〉

いろいろ考えさせられました
こういう催しは初めてなので、人の集め方、季節の選び方、参加してくれた人の考えていることをどれだけ引き出せたのか、分科会のありかたは⋯。反省はたくさんありますが、それも経験したからこそ気がつくことであり、良い勉強になったと思います。地元ととしては、もっと地域にあった会の進め方を考えて行くべきだったと思います。農村地帯で公務員とは何ぞやという講師の話を聞いても、何の収穫にもならない。本当に女性たちの考え方や学んでほしいことを伝えるのには、どこの出前講座も同じパターンでは駄目でしょう。アンケートが集まったら、お茶を飲みながら結果報告会などを持つのもいいかなと思いました。とにかく、飯舘までおいでいただきありがとうございました。これからも頑張ってください。
(匿名:村民〉

 

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