活動紹介

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ふくしま女性フォーラム
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■ふくしま女性フォーラム・第4回総会記念講演会


講演会情報

〜男女平等を担う条件とは〜
パネリスト
菅野典雄(飯舘村村長)
ブルースヒューバナー(福島女子短期大学●琴古流尺八指南)
久我和巳(福島大学行政社会学部助教授)
山本摂(男も女も育児時間を!連絡会)

コーディネーター
斎藤美幸(FTV報道部)

パネルディスカッション

斎藤:本日はお集まりいただきましてありがとうございます。パネラーの方に自己紹介をかねて、なぜ今までの男らしさ女らしさにとらわれない自分があるのか、お話しいただきたいと思います。

菅野:私は名刺に「飯舘村長」とあるが、今日は一男性として話をしたい。うちの村も過疎、若者の流出、嫁不足に悩んでいる。その対応としてハードの整備のほか、基本的な土壌、環境、価値観も併せて変わっていかないと未来はない。いろいろな意味で、考え方・価値観を改善していかなければならない時代が来ている。その中での今日のフォーラムも意味があるのだろうと思う。私はフェミニストでもシェンターフリーを理解している訳でもないが、以前よりはだいぶ変わったと思っている。きっかけは、村のお嫁さんたちを海外に遣った結果、皆が生き生きとしてきたこと。特に男性が固定観念や一般常識に漬かっていたのでは、女性が生き生きできる社会は来ないんだという実感をもった。肩に力が入って、男女共同参画型社会・シェンターフリーと騒いでいる方がいっぱいいるが、もっと気楽にいろんなものが認められる社会を作っていけば、そう肩肘張らなくてもこの趣旨の社会がそう遠からずやって来るのではないか。夫婦は助け合い、補い合いが理想と教えられて来たが、これからは活かし合い、高め合いの時代だと思う。一緒にいて自分も人間的に成長できる人。メシ、フロ、寝る・・・だけの女は便利だけど、そこから学ぶことはなにもない。男も同じ。働いて金だけ取って来ていればいいとなれば、その先は産業廃棄物、濡れ落ち葉、定年離婚・・・となっていく。

ヒューバト:来日は15年前。日本の伝統に興味があって、音楽と国際理解を教えている。私のヒーローは小沢征爾で彼は「自分の人生はどれだけ日本人が西洋の音楽を理解できるかのひとつの実験だ」と言っている。私も「外国人が邦楽を理解できるか。否か」という同じ道を歩いている。妻はピアノ調律師で、女性がその仕事をしていくのは大変。時に日本から帰りたくなることがあるが、妻からは「白人男性だから、差別されたことはないんじゃないの」といわれる。現在東京と福島に別居しているが、どちらを単身赴任と呼ぶかすら夫婦の間では曖昧。

久我:干葉に連れ合いと子供がいる。彼女も仕事をして家も持っているので呼び寄せの同居は考えなかった。今回のパネラーに選ばれたことで、連れ合いに大笑いされた。一人暮らしが長かったので、料理なども自分ではよくやっている方だと思っていたが、子供ができたらそうではないことに気づかされた。子供が生まれた時のノートに自画自賛を書き連ねていたが、連れ合いの不満がびっしり書いてあるのを発見し、家族とどう関わるべきかを思わされた。今日のタイトルを「こんな男とでも生きてみたいか」として聞いてほしい。連れ合いから学んだことは@泣き寝入りをせずAあきらめずB何度でも同じことを言うことが重要。


斎藤:菅野さんの「肩肘張らなくても、じきにいろいろなものが認められる時代が来る」という考えと「自分で行動しなければならない」という考えは矛盾しないか。

菅野:個の考えを入れるのは日本社会では血まみれにならないとできないはず。最前線でやっているはずの教育界ですら個の重視を言いながら、行動が準じていない。育児休業法がありながら、男性が取得できるというすばらしい部分が表面に出て来ない。臨機応変に考えないと男ばかりが取り残されてしまう。

斎藤:個の確立のため「血まみれなる」ということは「湯気を立ててやる」ことと一緒なのではないか。男性の育児休暇取得率が低いことをどう見るか。

山本:「(育児休暇を)取りたくても取れない」人のことは理解できない。育休をとることで、自分は職場から何も言われなかったが、連れ合いは言われたようだ。我々の個が確立していたとしても、周りの個が確立していなければ、肩肘を張るしかない・夫婦別姓による通称使用についても自分より前の女性たちには認められなかったが・自分の場合はすんなりいった。女は肩肘張らないと個も認めてもらえない。

久我:育休を取ろうと思ったが、4月入所でないと希望の保育園に入れないため諦めた。

斎藤:肩肘張らずに個を確立するにはどうしたらよいのか。

山本:実際にやって行くしかない。

菅野:人生80年の時代で、女性のライフサイクルは変化している。夫婦の場合は@喧嘩しても良いからお互いに思うことを言葉にし続けることA旅行、コンサートなど共通体験をもつことが大切。今日も配偶者を連れて来ればよかったのです。

久我:大学の同級生の多くは猛烈社員となっており、リストラを恐れて職場で能力を見せなければならない。物理的に家庭責任が無理な人がいる。家庭の中に参加することにより効率性合理主義社会そのものを考えるきっかけになるのではないか。この二つは鶏と卵の関係でどちらが先ということでなく、両方やっていかなくてはならない。

山本:個の考えを進めていくと、アメリカのような貧富の差の大きい弱肉強食になるのではないか。リストラされないために12時まで働かなくてはならない社会と、自分の個を確立してもリストラされない社会はどっちが先かという問題。個の確立はある意味、強いものが生き残る社会なのではないか。そこと男女共同参画社会がどう折り合うのか。

栗原(フロアから):女の人が差別されて来たのは事実だから、伸びたい人を支援することと競争社会の激化とは違う。

山本:高齢者、障害者にも同じことが言えて・彼らの個を確立しようと思ったら膨大な税金が要る。女性問題も差別されている対象が違うだけであって、構造は同じ。弱肉強食でなく個が確立するとは?それで皆が食えるのか。専業主婦からも年金の掛け金を取る。彼女たちにそれを納めるための働く場があるのかということが問題だ。

ヒューバナー:能力のある女性がコピー取りやお茶汲みなどをしているのは、アメリカでは考えられないことだが、我慢して言わないでいる。日本では、男性が文化活動を担って本業としていくには耐えられない社会。尺八は本来男性が吹く楽器だが今は仕方なく女性に教えている。

山本:時代の転換期は強者が踏ん張らないといけないのか。ただ、ジェンダーフリーになればいいのではない。本来子育てをしていればO.7の仕事しか出来ないはずだが、実際は1.3働いて回りに認めてもらわないと、次の人が育休を取れない。現在は、経営側にいるため、優秀な看護婦の確保策として有給休暇+子育てのための休暇10日を考えているが、その制度が逆に育児に女性を縛り付けることになりはしないかと危惧している。

菅野:戦後の日本は、機会の平等と結果の平等をはき違えてしまった。努力した人もしない人も結果が平等なのは絶対におかしい。いい意味での競争社会づくりが必要だし、弱者に対するフォローも大切。介護保険も大変だけれど頑張らねばならない。もう効率だけではないよという時代。それぞれが行動していかないと変化のスピードは速まらない。しかし、特に男性は変われない。社会を変えることも、家庭の中を変えることも大切。包丁や離婚を振りかざしてでもやるべきで、口先だけで男女平等を唱え、「うちは別」では困る。

斎藤:まずは、自分が変わり、周りも変えるように行動することが大切なんですね。本日はありがとうございました。


質疑応答・意見

Q男女差別には長い歴史がある。今短期に修正するためには女性に下駄をはかせてもいいのではないか。無理をしないでいて、いい社会がくるとは思えない。

菅野:肩肘張るなというのは、何もするなということではない。頭でっかちの理論だけでは前へ進まない。皆さんが夫を変えるのは簡単。

Q:女が子供を産む間に男は体力をつけて来たのだから下駄を履かせてもよいのでは?

山本:下駄を履かせるのはかまわないが、男女共同参画を言うのであれば女性が子供を産めるという優位性は捨てるべき。そこで壁を作られると困る。

Q:「俺について来い」式の男が変わって行ける手立てを教えてほしい。

山本:母は、私にジェンダーフリー教育をした。母の世代は「男は敵」というフェミニズムの時代だった。次の世代(子供)を教育することで変えて行くほうが楽だと思う。

(報告者 斎藤美幸)

参加者の感想

たくさんのご意見をお寄せいただき嬉しく思います。どのように集計しようかと迷いましたが、「ジェンダー・フリーについて」のいくつかの意見を掲げることとしました。今後、このテーマで議論が続けられればいいなと思いますので、皆さんのご意見をお待ちしています。

◎概念として普及していない。わかりやすい言葉に置き換えていく努力をすべきかと思う。「雌雄」の世界の区別や差と混同する人が多い。(45〜55歳女性)

◎なるべく小さいときから家庭の中で・学校の中で、ジェンダー・フリーについて話し合える場をつくりそれがジェンダーだと気づく人間をつくっていくことが必要だと思う。(25〜35歳女性)

◎意識を変えることは本当に難しい。地道に「継続は力なり」でしょうか。自分の分野でやっていくしかないでしょう。(55〜65歳女性)

◎ジェンダー・フリーは今後の目標であり、周辺環境意識をまず変える努力をする必要がある。周辺環境を支えると自負している男性の意識改革である。あなたが変われば私も変わる。親が変われば、子供も変わる。子供の成長過程での意識が変われば、次世代が変わると考える。(55〜65歳女性)

◎日本は人権に対する認識が希薄である。女性問題は人権問題だということが認識されない。男性はよく戦争を例に出すが・女性社会だったら戦争そのものが起こらないのではないか。「女は“平等"だと騒ぐが実力がない、努力が足りないではないか」という人がいる。だが女性は小さいときから男とは違う教育をされてきたから、“女"に甘んじるのはあたりまえ。家庭・社会での幼児期からの教育が大事。(35〜45歳女性)

◎社会的に固定した(期待される)役割から解放されるために、男は会社、仕事に命を捧げない(働く時間を短かく、早く家庭に帰る。給料は下がってもやむを得ない。その分、妻が働いて得るから)。女は家庭に埋没しない。(妻、母は無給の家政婦でない。家事は家族で分担する。生きがいの持てる仕事をして、経済的に自立する。パート労働のような雇用側に有利な就労形態に、女自身が甘んじない)。(35〜45歳男性)

◎肩肘張らずに生きていくには今はまだ難しいだろうと思う。企業社会の中で、家庭に関わりたくても出来ない男性がまだ多数いる。しかし、現在の不況は女性にとっては、逆手にとれば有利である。男性が家庭をかえりみる良い機会だと考える。これから人口が減少していくのにあたっても、女性の社会参加に有利に働くと思う。その女性参加の機会をつくっていくのはやはり女性のこれからの働きにかかってくると思うので、「肩肘張らず」ではなく、張り続けないと後世に道は残せないかなと思う。(25〜35歳女性)

 

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