活動紹介

活動紹介


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■福島県における「男女平等モデル校」プランに関する提言

福島県教育委員長 殿

ふくしま女性フォーラム・ジェンダーフリー教育を考えるネットワーク
代表・高橋 準(福島大学行政社会学部助教授)

 2000年11月27日付『福島民報』紙朝刊によれば、福島県では2001(平成13)年度より男女平等教育について、県立高校の数校を選んでモデル校とし、男女共同参画社会の形成に向けての取り組みの一つとする計画(以下「プラン」)を実施されるそうです。わたしたちふくしま女性フォーラム・ジェンダーフリー教育を考えるネットワーク(*)は、この「プラン」に大きな関心を寄せてまいりました。新聞報道の限られた情報のみで県民に内容の詳細が伝わってこないため一部重複があるかも知れませんが、「プラン」にぜひとも組み込んでいただきたいわたしたちの要望を以下に提言させていただきます。なお、提言内容についての説明を「付記」の形で添付いたします。

(*)「ジェンダーフリー教育を考えるネットワーク」は、ふくしま女性フォーラム(代表・栗原るみ福島大学行政社会学部教授)の分科会のひとつです。

提 言

1 生徒への教育だけでなく、教員も視野に入れること。

2 あわせて、男女平等"を"教えるだけでなく、男女平等"に"教えることを取入れること。

3 段階的に、高校だけでなく小学校や中学校も対象とすること。

付 記

(1および2について)
 「プラン」では、あくまでも「生徒に男女平等をどう教えるか」が問題とされています。しかし、男女平等教育にあたっては、教育内容だけでなく、教員がおこなう教育のあり方もまた問われなければならないはずです。教員が男女平等"を"教えていても、男女平等"に"教えることがなされていなければ、生徒・児童は教員のそうした態度から自分たちが教えられている内容とは別のことを学ぶのではないでしょうか。
 このことは、すでに教育社会学の知見により指摘されています。たとえばそれは、数学や英語といった教科および教科内容のまとまりとしての「顕在的カリキュラム」(目に見えるカリキュラム)と、そういったところには現れてこない「かくれたカリキュラム」の対比として表現されています。すなわち、生徒・児童は、教えられている教科およびその内容からだけではなく、教育の内容が、どのような環境のもとで、どのように教えられているか、などといったことからもさまざまな影響を受けているということです。
 男女平等教育にあたって問題となる「かくれたカリキュラム」は、具体的には、国語教科書の登場人物の男女比や描かれ方、執筆者の性別構成、男女別(男子優先)名簿といったことがらがあげられます。それに加えて最近の研究では、教室内での教員による生徒・児童のあつかい方や、生徒・児童同士の関係に、性別による偏りがあることも指摘されています。たとえば、授業中の教師の指名や生徒・児童の発言への評価が性別によって異なっているなどということです。
 以上のことを考えると、生徒に何を教えるのかについての取り組みだけでは不十分で、教員の教育方法についての取り組みもまた必要になってきます。具体的には、教員の研修プログラムの研究および実施が必要であると思われます。研修においては、教員それぞれのジェンダー意識の自覚化や、ジェンダーバイアスから自由な教育方法の再確認などが行われることが重要です。また、昨今急速に注目を集めつつある学校でのセクシュアル・ハラスメントに関するプログラムも、学校が地域での信頼を守るためにも、その中に含まれることが必要であると考えます。
 「プラン」の内容が介護・育児といったことがらに限られていると、特定の教科の内容や時間帯に偏りがちです。学校の特色を生かした取り組みをするにしても、基本的にすべての教科の教員が参加できるようにするべきではないでしょうか。上で述べたような視点に立てば、学校全体で取り組むことが可能で、それによって学校全体の意識が変わることが期待でき、「プラン」が真に実効性を持つようにできるはずです。

(3について)
 今回の「プラン」では、高校だけが対象とされています。しかし、子どもには年齢に応じた発達課題があり、それぞれの年齢に応じた男女平等への取り組みが必要と考えられます。したがって将来的には、中学校、小学校においても同じようなモデル校の「プラン」が実施されることを望みます。
 特に、性別役割意識の形成は小学校3年生ごろという研究もあり、早期の段階からの取り組みは必要不可欠です。

(以上)

 

トップへ戻る ^