活動紹介

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ふくしま女性フォーラム
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■スウェーデン調査旅行報告

「ジェンダーフリーな職場とは」PT

チーフ 栗原るみ
 「ジェンダーフリーな職場とは」PTでは、県の男女共同参画自主企画海外研修の助成金を得られることになりましたので、2001年8月25日から9月3日まで、残りの資金を生活費をはたいて何とか工面したメンバーが、ストックホルムに出かけました。あこがれの北欧の男女共同参画の先進地の実情を、「どうしてそれが可能になったのか?」私たちなりに知りたいと思って計画を立てたものです。31日まで6日間ストックホルムで本当に盛だくさんの調査をしました。9月1日はストックホルムでホテルが取れなかった関係で、女性大統領がいるヘルシンキまで船旅を楽しみました。 男女共同参画を最もビジュアルに示しているように思えた「父親が乳母車を押している写真」をスウェーデンだけでなくフィンランドでたくさん撮ってきましたので、ぜひ楽しみにしていてください。スウェーデンでは、男女平等の現状と課題について、次のような形で調査を行いました。
 第1は、政府の男女平等政策の現状についてです。政府機関で、お目にかかってお話を詳しく聞いたのは、男女平等オンブズマンのIrma  Irlingerさんと、ストックホルム県の男女平等部長のGunilla Sternerさんです。その他、ソルナ市役所とストックホルム市役所でもたくさんの資料をもらいました。 こちらの聞きたいことについて、気持ち良く答えを捜してくれる物腰に感動すると共に、国、県、市という3段階の行政のあり方と連携について知ることができました。 問題は解決するためにあると考えている公務員のいる国なんだなという印象をもちました。
 公共部門での女性の活躍に対比して、スウェーデンでも民間企業における男女平等などの達成はなかなか困難なのが現実です。 職場の男女格差を除去し、男女の平等を達成するために実施している政府の活動について、雇用者に義務付けている男女平等へ向けてのプラン作りの実態なども含めて、いろいろ資料を集めてきましたので、今後のの報告をお待ちください。
 第2に、男女平等政策は生活者である女性の意識にどのように受け止め(受容あるいは批判)られているのかについてです。 普通の人々が、男女平等の進展とどう関わってきたか知りたかったので、自分史のヒアリングを行うということを考えました。でも、どうすればできる? 中山さんのアイディアで、高齢者センターと生涯学習センターを訪問しました。 年金生活者なら時間があるだろうし、60年代と70年代についての記憶もあるだろうし、自分史を話してくれる人が見つかるかもしれないと考えたのです。 こうしたインタビューは、英語では全く無理で、こうした当然でありながら難しい計画を立てることができたのは、まったくもって団長の中山さんのスウェーデン語のおかげでした。 ベリエスハム高齢者センターでは、Berniceさんに老人の介護の現状と施設の概要について説明を受け、94歳のAlic・Bermanさんと介護の仕事をしている63歳のGun Calimさんに自分史を聞きました。高齢者センターにはいよいよ動けなくなった高齢者しか入所していないことが、自分史を聞ける人を捜すのは結構困難なんだなと感じることで、よく理解できました。 このセンターを拠点にしてヘルパーの方々は、在宅者の介護の地域をまわっています。作業場食堂にはこの施設に入所していない近隣にすむ高齢者もあつまってきています。機織りに熱中しているジャーナリストあがりの陽気なおじいさんとも出会いました。 ストックホルムの高齢者余暇センターでは、71歳のSiw Rylanderさんと79歳のMarit Ernnydさんに自分史を聞きました。 大企業の労働者とファッション関係の会社の経営者をリタイアした年金生活者で、離婚や再婚の話も子育てと仕事との関係についても話してくれました。 94歳のアリスは70年代にすでにリタイアの年代に達していたためかほぼ専業主婦の経験しかありませんでしたが、その他の方々は仕事について話してくれました。 特に事前に頼んで捜してもらっていた選ばれた人ではなく、突然お願いしたにもかかわらず、誰もが話し出すときちんと記憶をたぐってくれるのです。 仕事をしながら、結婚しても離婚してもあるいは再婚しても子育てをし、自分で決断して生きてきた自分の生涯に自信をもっていろいろ話してくれる。スウェーデン社会の質について考えるための素晴らしい体験を得たと思います。
 第3に、問題別アプローチ。税制と農業についての調査のためにストックホルム大学とソルナの農業公園を訪問しました。 ストックホルム大学では、クリスティーナ・フロリン教授に世帯単位から個人単位に移行した時期の研究について資料や研究の現状につき話を聞きました。これについての検討は、今後の読書にかかっています。制度の変更とそのことを受け止める普通の人々の意識との関係をどう考えるのかという困難な問題も抱え込みました。 農業公園は、農家が1軒も存在しないソルナ市が、もと農場を環境重視型モデル農園にしたものでした。都市部からの農業の撤退の歴史と、環境問題を重視した食料の安全性や地域性の確保にEUレベルでどう取り組んで行くかが課題なのだという話を、有機農産物でお菓子をサービスしている女性から聞きました。農業問題に関するEUの問題意識の一端に触れた感じです。
 第4として、スウェーデンの事情について、日本語で話を聞く機会が持てました。ジェトロのストックホルム事務所長の高井英治さんには、いろいろ興味深いお話をうかがったうえ、女性と労働に関する福島県内の調査表を在スウェーデンの日本企業に頼んで集めていただけることになりました。部分的とはいえ、日本の福島県内の事情を在スウェーデンの日本企業との比較ができるかも知れません。 国際図書館に勤務しているスウェーデン国籍を取得した「しずこさん」は、中山さんの古くからのお友達で、お食事をしながらゆっくり話し合う機会が持てました。 彼女からはスウェーデン社会を生きる場として選択した理由が、静かに理性に訴えられてくるようで、社会の質を一人ひとりがどう参画してつくっていくのか考えなければということを改めて提起されたように思いました。 ストックホルム大学の上級講師のレグランド塚口淑子さんからは、これもお食事をご一緒しながら、社会学者としての視点でスウェーデン社会に関する多くのお話をきくことができました。 その他、教会の夜のコンサートを聞いたり、公園で中学生からインタビューを受けたり、屋外の喫茶店で抹茶茶碗のようなカップでカフェラッテを飲んだり、地下鉄にも、バスにも、タクシーにも、電車にも船にも乗り、その他、その他、信じられないほどいろんなことができた調査旅行となりました。 わかったというには、ささやか過ぎる滞在ではありましたが、どうもリラックスできる社会の雰囲気、それぞれの要望を受け入れてくれる雰囲気に、なぜか活性化した数日を過ごすことができました。 今後、少なくとも「パパ休業」については、県から補助された金額に見合う程度以上のバッチリした美しい報告書を作成したいと思っています。その他の問題についても、徐々に論文とか本にして、皆さんと共有できる方法を考えていきたいと思っています。 わたしは少々英語を読む意欲が湧いてきました。スウェーデン語の資料は中山さん頼みです。

 

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