活動紹介

活動紹介


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■出前講座 in いわき

2002年7月28日(日) 13:30〜いわき市生涯学習センター3F
これまで、女性フォーラムの講座は、福島市や郡山市を中心に開催されることが多く、地理的事情等で参加したくても参加できない会員が、結構いたのではないでしょうか?その反省から、今年度から福島県の各地へ「出前」をすることになりました。
第1回目の出前講座は、いわきで行われました。内容は以下のとおりです。参加者は約35名ほどでしたが、少数ながら男性も参加していました。

<プログラム> 
1. ふくしま女性フォーラムの活動報告
@「男女共同参画の現状と課題」 代表 栗原るみ
A「女性に対する暴力防止PT活動報告」 中里見博
B「男女共同参画を推進する条例を考えるPT活動報告」 濱田千惠子
2. 参加者とのフリートーク

出前講座レポート

新たな日本型福祉社会の形成とジェンダー
代表 栗原るみ
男女共同参画社会基本法の枠組みは「性別にとらわれず個人が個性を発揮できる」という考えからなる。しかし、不況の現実は、男女が共に「男は仕事、女は家庭」の役割分業を超えて生きていくということを、ますます困難なものとしている。
実際、不況と構造改革のかけ声のもと、男性労働者の労働時間増加傾向が指摘されている。リストラの恐怖や雇用不安に煽られた結果、男は超過勤務に励み、資格などの取得に努力している。年間3万人をこえる自殺者の7割が男性であり、経済生活問題や勤務上の問題が原因の自殺は、9割以上を男性がしめている。一家を支えることの困難に直面した男は、保険金に一縷(いちる)の望みを託して自殺を選択したのだろうか。男と同じように働くことを選択した女性にとっても、仕事の過酷化は同様で、不況の波は女性の過労死さえ生み出している。
他方、正社員は減少し、パート労働や派遣労働、フリーターの増加など雇用形態の流動化はダイナミックに進行している。パート労働について「同一価値労働・同一賃金」を適用し、長時間パートに雇用保険や厚生年金加入を義務づける制度改革が提起されてもいる。しかしながら、あいかわらずパート労働や派遣労働では女性が多数をしめている。女性の自立を押しとどめる配偶者控除や主婦の年金制度などの誘導策が現実には機能している。女は家事・育児を担いながら、悪い条件で働きつづけているといえよう。
いま、小泉構造改革が進行中である。家族単位の福祉や税制を個人単位に変えるという制度改革には賛成である。しかし、現在進められている財政の破綻をどう乗り越えるのかという問題意識に出ている改革は、健康保険の本人負担を増やし、課税最低限を下げ、配偶者特別控除をカットするなど、働く人々の負担を増やす方向で議論されている。ただでさえ、給料が下がり、倒産や失業の不安もある環境の下で、働く側の生活保障は、むしろ切りつめられているという方が正しいだろう。改革の順番が逆なのではないか。
本来ならば、誰もが日本国憲法第25条(生存権)で謳われている「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利を有しているはずである。失業したら、次の職を得るために再教育の機会が用意され、その間の生活が保障されなければならない。働けない状況でも生活が保障されない限り、人々の雇用不安は消えない。世帯単位を改めることはいいことだが、その前に個人単位の健康保険や年金や失業保険や子供手当制度を構築することが不可欠であろう。
わたしたちが望んでいるのは、家族が福祉を担う、男は稼ぐのが基本で、女は家事・育児に責任をもち、その範囲内でパートに出るという社会ではない。「新たな日本型福祉社会」をつくりたいのだ。それは現在の構造改革のプロセスがもたらしているような、福祉は切り捨てられ、自立できない労働条件が増大し、更なる不安の裡に競争に駆り立てられて、疲れはてていくような社会ではないはずである。小泉構造改革で、「共同参画社会」が構築できるとは思えない。
もうひとつの道として、「新たな日本型福祉社会」について、一緒に考えなければ大変なことになるのではと思う。個人をベースにして、社会が構築すべき福祉について、人間らしい生活やそのための生活水準について、真剣に考える必要がある。おかしいことをおかしいと声にできるようなネットワークの構築が、とても重要ではないだろうか。


女性に対する暴力防止PT活動報告
PTチーフ 中里見博
■2000年度
・チーフの当初の問題意識は、ポルノグラフィの氾濫や福島都心にはびこる風俗・買売春業の隆盛に対して市民の側から問題提起することだったが、メンバーとの話し合いの結果、折から社会問題になっているDVに取り組むことにした。
・現職、元職の女性相談員から、DV被害者相談・支援業務の実態・具体的問題点などについてヒアリングを行なった。たとえば、6年間142名中92名がDV被害者。生活保護、医療費、就職、保育所、離婚訴訟、裁判費用、母子分離、精神的ケア、バタラー(batterer:殴る男)野放し、等々。
・それを踏まえて、策定過程にあった福島県男女共同参画プランについて市民の声を反映させる活動に最初に取り組んだ。具体的には文言修正2点と、具体的提言1点を申し入れた。文言修正は採用されたが、提言は採用されなかった。提言は「プランの具体的施策を実施・実現する諸部局を指揮・調整する権限を持った機関の設置」。
・「福島県男女共生センター・オープニングイベント」で「DVは社会の問題です〜状況を変えるのは私たち 私たちは何ができるか」というワークショップを開催。のべ60人近い参加者。図表展示、ビデオ上映、ディスカッション。

■2001年度
・「福島DV研究会(代表:安藤ヨイ子、今野順夫)」が結成され、DV問題と取り組む市民と弁護士その他の専門家(医療関係者などは将来的課題)との連携強化。PTもそこに参加し協力しあいながら活動中。
・建て替えの決まった県婦人相談所の機能を充実させるため、@県建設委員会を傍聴する、A当事者の声を反映させる、B建築検討委員会委員や建設会議アドバイザーと懇談をもつ、という方針。
・DVサバイバーの方をお招きし、相談諸機能についての要望をヒアリング 。
:入寮手続(1週間)の間入寮できない、母子分離のつらさ、保育施設の必要性、職の確保の困難(短期間などの不利な条件)、相談施設と保護施設の分離の必要性、24時間体制の必要性、母子寮や公立保育園入所の問題、その他施設面の不備、など。
・委員、アドバイザーと懇談をもち、要望を伝える。
・県女性政策室長(当時)をお招きし、「DV対策の現状と課題」をヒアリング。
・「福島県男女共生センター・未来館フェスティバル」で「DV加害者の再教育〜アメリカの経験から」講師:沼崎一郎(東北大助教授)を開催。

■2002年度
・県内12カ所の「配偶者暴力相談支援センター」の開設にともない、DV被害者にセンターの存在を知らせる広報活動に具体的に取り組む。電話番号を入れた携帯カードを各所に設置する事業。


「男女共同参画推進条例を考えるPT」の活動報告と県の条例内容について
PTチーフ 濱田千恵子
■活動報告
独自の勉強会では、条例の必要性と地方公共団体の責務の法制化について話し合った。平行して、県民参加型の条例を制定するための啓発活動として、ワークショップを2回開催、県主催の意見交換会に参加し意見を述べた。
PTでは、農村地域における因習や固定的な役割を肯定する慣習の改善、事業者の男女共同参画を促進する責務規定についてが特に議論された。後者の責務規定は男女の家庭と仕事との両立支援として就労環境の整備を事業者に要請するものであり、とくに女性の経済的自立を促進するために必要。県は施策を通して両立支援のための条件整備を実施しなければならない。
国の男女共同参画社会基本法に即して自治体の女性行政施策の再構築が必要とされている今、条例ができたからで終わりではなく、県民とくに女性たちが、男女の人権という視点から男女平等を実現するための活動を継続的に行うことにより、条例の実効性を高めることが大切ではないだろうか。そのためにも女性議員を多く出すことが当面の課題であると思われる。

■県の条例(福島県男女平等を実現し個人として尊重される社会を形成するための男女共同参画の推進に関する条例)内容について
本県の条例はその名称の長さが一つの特色である。「法の下に平等」と「個人の尊厳」の理念を強調し、男女共同参画は男女平等を前提として達成されるという認識に立っているという点に意義があるかと思う。では、内容についてはどうだろう。言及すべき点として、県の責務規定と苦情処理規定の2点があげられる。
まず、責務規定(第4条)に関して。4項で財政上の措置(努力義務)を規定したことは評価できる。だが、具体的に県の責務をみてみると、他県の条例に比べ、責務が明確ではなく、弱い表現で記されていることが分かる(県の責務は「努めるものとする」、県民と事業者の責務は「努めなければならない」(第5・ 6条)と使い分けており、同じ意味でも、前者は後者よりニュアンス的には義務付けが弱い)。
次に処理規定である。第24条では、男女共同参画の推進に関する施策または男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に対しては、男女共同参画推進員が苦情処理的な業務を行うとあるが、人権侵害についての規定はない。被害者の救済に関しては、基本法に委ねたもの(施策についての苦情処理と人権侵害に対する救済措置という規定がある)と思われるが、県独自の救済機関が必要と思われる。2項で知事に対する申出の規定もあるが、施策が男女共同参画推進に関する施策かどうかの判断が難しく、実効性が伴うかどうか疑問である。
 各自治体が条例をつくる場合は、流行のように、どこかの類似している先進市町村の条例を真似て安直に作るのではなく、男女平等の視点から自分たちの地域の現状や特殊性を議論し、それらを解決するためにいかに実効性のある施策を講ずることが必要かを検討したうえで、条例づくりを行うことが重要であると思う。


フリートーク
休憩を挟み、若干人数は減ったものの、活発な議論がかわされました。参加者の問題意識はさまざまで、意見も多岐にわたりましたが、発言者が多く最も白熱した議論が展開された問題はDVです。施設運営にあたり、行政は住民とどのように合意形成を行うか。暴力をふるわれた配偶者(多くは女性)が「被害者」として、社会に理解され、そして経済的に自立するためには何が必要なのか。施設が本当に「シェルター」として機能するにはどのような支援があるべきなのか。また、なぜ主張しないのか。「あきらめる」のではなく、市民の権利として行政に働きかけ続けることの重要性について指摘がありました。
そして、男女共同参画推進条例の制定に関しては、条例制定が各地で実施されているが、実際に住民の活用するものとなりえるのかという疑問、「専業主婦」を尊重した上での男女共同参画が謳われている宇部市条例にたいする批判などが出されました。その条例を通して何を変えたいのか、社会を変えるツールとなるのか、条例の「質」が問われる段階にきているのではないでしょうか。
また、各地で開催されている女性講座が本当に女性のエンパワーメントを高めるものになっているのか、主体的に行動を起こせるようにするには何が必要か。主催者・参加者双方に対する問いかけがありました。 

 

トップへ戻る ^