活動紹介

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■企業における男女共同参画実態調査結果の中間報告

ふくしま女性フォーラムは既報のとおり、本年度の「福島県地域づくりサポート事業補助金」を得て、8月20日づけで県内の従業員30人以上の事業所に標記のアンケート調査を実施した。県内2500社あまりに調査票を送付し、423社から有効回答を得ることができた。あわせて、地域別に企業を訪問してヒアリング調査も行った。詳細な結果分析は現在とりまとめ中であるが、現在の福島県内の男女の雇用情勢について、速報を報告させていただきたい。
 従業員について従業員数の記載のある調査票から集計すると、男性が34084人、52.5%に対して女性は30803人で47.5%であった。女性の従業員がほぼ男性の従業員に匹敵するに至るほど、労働市場に仕事を求める女性が多いことが確認できる。
 だが全従業員の68.6%を占めている社員については、男性の比率が70.9%に対して女性は29.1%と大きな差が見られる。それに対して全従業員の14.7%をしめる長時間パートでは女性が87.4%、全従業員の14.0%の短時間パートでは女性が90.7%であった。また派遣社員は全従業員の3.7%であったが、これについては61.0%が女性であった。福島県内においても、いわゆるフレキシブル(不正規の雇用形態)な雇用のもとに働いているのが、圧倒的に女性であるという実態を、改めて確認できる。



 女性の管理職について女性の管理職については部長以上がいる企業が62社、課長以上がいる企業が95社、係長以上がいる企業が144社という回答であり、これはそれぞれ回答企業423社のなかの14.7%、22.5%、34.0%にすぎない。これを人数で集計し、対応する男性の人数と比べたのが下のグラフである。



 育児休業と介護休業育児休業については、男性の利用者ありとした企業は17社に対し、女性の利用者ありとした企業は211社であった。介護休業については、男性26社、女性51社であった。利用の程度を知るため、ここ2年間の利用件数を記載してもらった結果を比率にすると、下図のようであった。男女差は顕著といえよう。なお、育児休業に関しては、パートでも利用できる企業が存在していることが確認できる。



 「育児・介護休業をとりやすい環境に変えるためにあなたの事業所で取組んでいることがあれば書いて下さい」という質問をした。この回答は2つのタイプが見られた。1つは、「オープンで自由に取れる(雰囲気がそうなっている)」「育児休職制度取扱基準、介護休職制度取扱い基準を制定、手続きを明確化している」「社内規定の整備、休業前に代替要員を確保し、業務の引継」という積極的タイプである。他方、「具体的にはますます取りにくい状況にあり代替員確保の余裕無し」「この不況時代に良い制度であれ会社そのものが維持できなければ何もならない」「規定を作ることにより企業の出費が多くなる」といった消極的タイプも見られた。



 また、配偶者控除及び第3号被保険者のための勤務調節「配偶者の被扶養者要件をみたすため、年収が103万円未満になるように調整している短時間パートの人数」、及び「第3号被保険者の要件をみたすため、年収が130万円未満になるよう調整している短時間パートの人数」を昨年の年末調整時点の数字で記載してもらった。結果は下図のとおりである。



 年収が103万円未満になるように調整している総人数の97.7%が女性、年収が130万円未満になるように調整している総数の98.4%が女性であった。多分、短時間パートで配偶者控除の適用を受けるために年収の調整をしている人は当然年金の被保険者の要件もみたすので調整をしていることとなり、そちらの数が多くなるはずだと考えられるのだが、この数字はどのような事情をあらわしているものなのか、より詳細な検討が必要であろう。
 ただ、多くの企業が短時間パートの数を調整者の数として同一の数字をあげていた。短時間パートの女性の総数は8214人なので、103万円で調整をしている6054人はその84.6%に達し、130万円で調整している5653人はその68.8%であった。

●中間的考察
 今不況が長期化するなかで、失業率の増大が話題だ。構造改革の一環として労働市場の構造改革も提起されている。有期雇用の期間制限や派遣労働の活用制限を緩和するとか、解雇ルールを作るとか、ワークシェアリングとか、失業してもすぐ転職できるセイフティーネットを用意する等の中味らしい。人手が余っている買手市場の時期の改革が、労働を売るしかない人びとにとって、よかろうはずはない。買い叩かれる改革になるのだろう。
 でも、そういう時代だからこそ、人間とは何か、働くとは何か、仕事とは何か、わたしたちは深く考えることができる。労働市場に労働力商品を売らなければならないとしても、人間は商品ではない。わたしたちは、ジェンダーとは生まれてきてから社会で生きるために、社会から教わったものだ、と学んできた。社会は人間が、ともに生きるために、法とか制度とか習慣とかをつくりあげてきた歴史的な構築物である。人間がつくったものだ。だから、どう作り替えるのかが、課題たりうるのだ。しかも不況下で労働市場改革が提起されているなかで、こうした絶望的な男女不平等の実態を突きつけられた時、わたしにとっては、この夏スウェーデンにいったことが、ひとつの助けになる。

 現在の不合理な賃金制度を改め、世帯賃金を廃止して仕事給に移行すべきだと主張する場合、仕事の評価がとても重要になる。スウェーデンで問題にされていた仕事評価は、異なった仕事に見られる困難さへの要求と程度を決定するための、体系的な方法であった。「異なっているが、にもかかわらず、要求が総合されたとき平等な価値の仕事を、決定するための基礎を提供する。評価は、仕事それ自身と、雇用者が置かれている要求とに適用する。従って、評価されることとは、雇用者の技術や能力ではなく、むしろ、それを行っているひとそれぞれの、仕事によって課せられている要求である。」ひとりひとりが職業を生活の糧にできる自立した人間として働くという視点にたって、仕事の価値評価のものさしを検証し、同一価値労働同一賃金原則に基づく公正な賃金決定システムを見通す必要がある。このことは不可能のように困難に見える課題だが、なぜ、こうした不平等が実現しているのか、深く追求していくところから始めるべきことであろう。

 最後になりましたが、めんどうなアンケート調査に答えていただいた多くの担当者の方々には、本当にお礼を申し述べたいと思います。またたくさんの作業に多くの会員の方々の手をわずらわせて、フォーラムだからここまでできたと思っています。中間報告はほんとうにさわりにすぎませんが、でも「なぜ、男女共同参画基本法があるのに、こんなに不平等があるの」という問題に、ともに、立ち向かいましょう。
(栗原るみ)

 

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