活動紹介

活動紹介


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■ふくしま女性フォーラム・第7回総会記念講演会

講演会情報

日時  2002年5月12日
    午前10時30分〜12時まで
場所  郡山市市民プラザ 7階大会議室

 総会関連事業

円卓トーク
午後1時30分〜3時まで

テーマ 男女共同参画推進に関する条例について
講師  福島県男女共同参画推進会議  会長竹川佳寿子氏
    福島県男女共同参画推進会議  委員安藤ヨイ子氏

聞き手  ふくしま女性フォーラム代表 栗原るみ

フリートーク
テーマ  条例を巡る地域からの問題提起やメッセージ
方 法  参加者全員による討論形式

円卓トーク講師プロフィール

竹川(丸井) 佳寿子氏
県立医大名誉教授(歴史学)。「会津藩家世実紀」「新編会津風土記」の翻刻注解を行ったほか、日本近世の商品流通史、会津地方の交通や会津藩に関する論文多数。県男女共同参画推進会議会長や県生涯学習審議会副委員長を歴任。

安藤 ヨイ子氏
1970年福島県弁護士会に登録して、弁護士開業、女性に関わる訴訟を担当する傍ら、日本弁護士連合会内の両性平等委員会等で活動。95,6年にニューヨーク大学ロースクールに客員研究員として留学。帰国後、97年から1年間、女性として初の県弁護士会会長を務め、県男女共同参画推進会議委員を歴任し、現在、県公害審査会委員、日弁連国際人権問題委員長を務める。


総会終了後、お昼をはさんで円卓トークを開催!

講演要旨

円卓トークの論点

【総論的な質問】
条例制定にいたる経緯  
条例制定できた意義   ここはよかったという点 
条例制定にあたって障害は、どのようなものがあったのか  ここが残念という点 

【具体的な質問として】
1 タイトル「福島県男女平等を実現し男女が個人として尊重される社会を形成するための男女共同参画の推進に関する条例」が長い。どうして、このように長いタイトルにしたのですか。

2 前文があります。なぜ、前文をいれたのですか。前文に「男女共同参画社会基本法をうけて、ジェンダー主流化をめざすものだ」という点を明示できなかったのは、どうしてですか。


ここから、各条ごとにお伺いします。

3 第1条に「この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項について定めることにより、男女の実質的な平等を実現し、もって男女1人ひとりが個人として尊重される社会の形成に寄与することを目的とする」とありますが、県内で活動するすべての個人と団体を対象にするほうがよかったのではないか。例えば県内の国立大学で学ぶ宮城県民などは、除外されるのでしょうか。すなわち、福島県として条例を作成したことの具体的な意義をどう考えたらいいとお考えでしょうか?

4 第10条 「県は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、 男女共同参画の推進に配慮するものとする」とある。これは誰が認めるのでしょうか。すべての政策に関して、男女共同参画の推進に配慮すべきなのではないでしょうか。

5 第7条「何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のいかなる場所においても、直接的であるか間接的であるかを問わず性別による差別的取扱いをしてはならない。」とし第2項で暴力的行為、第3項でセクシュアル・ハラスメントの禁止が示されています。さらに第18条で「県は、第7条に規定する行為の防止に努めるとともに、県民が性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因により人権を侵害された場合は、その相談を受け付け、必要に応じ、一時保護その他の支援を行うものとする。」としています。
職場、学校、地域、家庭その他の社会の様々な差別の場合、暴力的行為の場合、セクハラの場合にわけてみると、このような差別を受けた個人は、それぞれどうやって相談すればいいのか。誰がどのような力をもってその支援をすることになっているのか。その支援のシステムはどのような窓口として、整いつつあるのでしょうか?その辺についてのお考えを。

6 第13条「県は、あらゆる分野における活動において、男女間に参画の機会の格差が生じている場合、県民及び事業者と協力して積極的改善処置が講ぜられるよう努めるとともに、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。」としている。たとえば、先日実施したアンケート調査結果によれば、全従業員でみると女性は47.6%、社員では29.2%、長時間パートでは87.6%、短時間パートでは91.5%と格差が生じていた。これは男女間に参画の機会の格差が生じている場合であると思うのだが、第13条にのっとれば、だれが何をしているのか、すなわち実施されている施策を、私たちはどのように知ることができるのか。

7 第24条の施策に関する申出と、男女共同参画推進員というのは、第7条のような個別的な相談の生じるシステム、第13条のような制度を改革するための機能をもった制度になるのでしょうか。実際どのように選出された人が、どのようなスタッフを抱えて、どのような権限をもって、活動できるようになるのだろうか。

8 今後の条例の積極的活用方法に関して、ご意見をおうかがいしたい。


2002年5月12日(日) 13:30〜 郡山市市民プラザ7F大会議室パネリストに県男女共同参画推進会議において条例作成に携わった竹川佳寿子氏と安藤ヨイ子氏を招き、円卓トークを行った。この円卓トークでは、前半は栗原代表がパネリストの二人に質問する形をとり、後半は会場から自由に質問・意見を出してもらった。条例の正式名称は「福島県男女平等を実現し男女が個人として尊重される社会を形成するための男女共同参画の推進に関する条例」。なぜ条例のタイトルが長いのか、前文が入ったのはなぜかなどの質問から始まり、条例が制定されたことで人権がどのように保障されるのか、また条例をどういかすかが具体的な焦点となった。

条例制定の意義は?

竹川: 条例が制定されたことのもっとも大きなメリットは、男女平等の実現やジェンダー主流化を明記できたこと。また、男女平等を確認し、ジェンダーからの解放をうたうことができた。不十分ながらもリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)も盛り込めた。また間接差別もいけないと明記できた。男女の実質的平等の実現、人権の尊重は、憲法に明記されているものの実現されてない。本条例ではその不十分な現状を述べたという点で画期的である。

安藤: 条例は県が作成するプランと異なり、県と県民を法的に拘束する。ゆえに男女平等の推進に関して法的基盤を得たことは大きなメリットである。性別による人権侵害の禁止(第7条)は、職場・地域における直接的間接的差別すべてに及ぶ。業務命令としての新入社員に対するトイレ掃除などもその対象である。また本条例では男女共同参画基本法にはない意見表明の権利(第24条)が保障されている。

条例制定に関して残念な点は?

竹川: 条例策定上、県内部で議論があったと伺っている。表現も内容も、条例化する段階で柔らかくなってしまったと言えなくもない。たとえば第24条に関しては「意見の申出」というおとなしい表現になっている。ただ、そうした問題はあっても総体として、他県にもない内容が含まれ、他県と比べてもそん色のない条例が出来上がったと言える。

安藤: 「ジェンダー」という文言を入れるか入れないかは、プラン策定のとき話し合ったこともあり、検討会では特に話題にはならなかった。前文で「ジェンダー」の定義は明記できなかったが、第18条で性別による人権侵害の防止等において積極的な改善措置を設けることができた。

なぜそんなにタイトルが長いの?

竹川: 「平等」と「共同参画」という文言をいれてほしいと要望したからではではないか。大きな目的と手段・方法という形はまどろっこしいがよく分かる。

安藤: 検討会では「平等」という言葉は当初抵抗があったが、会を重ねるにつれ理解が深まった。

なぜ前文をいれたの?

竹川: 県の条例には一般的に前文は付けないということだが、「制定の主旨について県民が端的に分かり、決意表明の場もほしい」ということで前文を付けることとなった。また前文では、本県で見られる伝統的な家制度、ジェンダー的な性別役割、そして地域のもつ閉鎖性(「地域コミュニティ機能」について)などが、男女平等の推進を阻害する現状として明記できた。これは県が実現しようとする最も重要なものとしての確認である。男女共同参画に関しては、社会慣行や生活習慣があり、急に変えることは難しい。ただ、制度や法は整備されており、これを足がかりに男性も女性も旧来の認識を変えられればと思う。

安藤: 前文の挿入は、長いタイトルとともに他県に見られないユニークな点である。ジェンダー主流化をめざすと明示できないと指摘があったが、ジェンダー主流化とはジェンダー視点を施策形成の基本的な姿勢・手段とするものだが、今の福島県を見ると、現状ではジェンダーの視点はあるがまだそれほど認識が深まっていない。ただ、第5条2項にジェンダー主流化の姿勢を盛り込めることはできた。

男女共同参画をすべての施策に推進できないの?

竹川: 該当する施策は広範囲に及ぶので、全体的にカバーできる。特に必要なものにかぶせればいい。

栗原: 施策の推進に関して、「配慮」するとあるが、もっと強い表現はできないのか。具体的には、男女平等を推進しないところには補助金を出さないなどポジティブ・アクションを実施出来るような。

安藤: 第三者機関を設置する必要もあるし、評価も難しい。またポジティブ・アクションの実施は雇用との関係上、現段階では不可能。しかし、第19条で知事に対して男女協同参画の現状その他の事項に関して報告を求めることができる。これと平行して評価を行っていったらどうか。もちろん評価のための情報公開の必要があるが、行き過ぎはよくない。一歩一歩前進を。

セクハラやDVなど深刻な人権侵害を受けた場合どうするの?

栗原: 情報はあふれているにも関わらず必要な人がアクセスできないのはおかしい。

安藤: 積極的な活用方法はこれからフォーラムなどがしていくこと。具体的な方法などに関してまでは条例に盛り込むことはできない。

竹川: 県条例の主旨は市町村の至るところに広がる必要がある。討議の際の一つの材料として、県条例をもとに県内各地で勉強会ができれば、その主旨が生かされるのではないかと思う。

条例の積極的活用方法に関してご意見を!

竹川: 県が主導することはもちろん、しかしそれだけではよくない。従来の意識を変えることは困難だが、施策の普及と討論会を通して条例を活用していかなければならない。

安藤: 第24条で知事に施策に対する意見を申し出ることができる。男女平等を推進する施策や計画に関して、目標値(タイムバンド)を設置し、かつそれを実現させていくことが必要である。またその決定の場に女性が参加していくことはもちろん、県はそのために女性が自分の財布を持ち、自立的に社会参加できるように後援すべきである。



前文で県の後進性を示すことで、県の男女平等を推進するという認識を示せた点が福島県における条例としての意義にあたるだろう。たしかに審議会案より後退したのは否めないが、たとえ文言がなくとも、ジェンダー主流化やリプロダクティブ・ヘルス/ライツなどをもりこみ、人権を出来るだけ保障しようとする内容になっている。特に性差別の規定に関してはジェンダーの視点が反映されているといえよう。ゆえに現実と条例のギャップをどう埋めるか、つまり条例をいかに利用し発展させるかが今後の課題になるのではないだろうか。  

 

トップへ戻る ^