活動紹介

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ふくしま女性フォーラム
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福島大学 行政政策学類
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■公募実践事業に向けての事前学習会

11月5日(金)午後5時半から杉妻会館に於いて
公募実践事業に向けての事前学習会を、連合福島政治政策フォーラムの富田勝則氏と、福島県少子高齢社会対策グループ主査岡崎拓哉氏をお招きして実施しました。

学習会テーマ1
「次世代育成支援対策推進法
に基づく自治体における行動計画」

講師: 岡崎拓哉氏
(福島県少子高齢社会対策グループ主査)
岡崎氏からは、次世代育成支援対策推進法に基づく福島県の行動計画である「新うつくしま子どもプラン」について説明を受けました。以下、要約です。
基本理念
○父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ子育てに ともなう喜びが実感されるように配慮して行わなければならない。
○策定の目的、関係者の連携、次世代育成支援対策地域協議会の活用


策定に関する基本的な事項
1.計画策定に当たっての基本的な事項
@子供の視点
A次代の親づくりという視点
Bサービス利用者の視点
C社会全体による支援の視点
Dすべての子どもと家庭への支援の視点
(これに関しては、従来は働く女性中心であったものが子育ての孤立化という実態を踏まえて専業主婦も視野に入れるとの事)
E地域における社会資源の効果的な活用の視点
Fサービスの質の視点
G地域特性の視点

2.必要とされる手続き
○サービスの量的・質的なニーズを把握するため、市町村はサービス対象者に対するニーズ調査を実施。
○説明会の開催等により住民の意見を反映させるとともに、策定した計画を公表。

3.策定の時期等
○5年を1期とした計画を平成16年中に策定し、5年後に見直し。

4.実施状況の点検及び推進体制
○各年度において実施状況を把握、点検しつつ、実施状況を公表。



内容に関する事項
1.地域における子育ての支援
○児童福祉法に規定する子育て支援事業をはじめとする地域における子育て支援サービスの充実。
・居宅支援     ・短期預かり
・相談、交流    ・子育て支援コーディネート
○保育計画等に基づく保育所受入れ児童数の計画的な拡張等の保育サービスの充実
○地域における子育て支援のネットワークづくり
○児童館、公民館等を活用した児童の居場所づくりなど、児童の健全育成の取組の推進
○地域の高齢者が参画した世代間交流の推進、余裕教室や商店街の空き店舗等を活用した子育て支援サービスの推進  等

2.母性並びに乳児及び幼児等の健康の確保及び増進
○乳幼児検診の場を活用した親への相談指導等の実施、「いいお産」の適切な普及、妊産婦に対する相談支援の充実など、子どもや母親の健康の確保
○発達段階に応じた食に関する学習の機会や食事づくり等の体験活動を進めるなど、食育の推進
○性に関する健全な意識の涵養や正しい知識の普及など、思春期保健対策の充実
○小児科医の充実、小児慢性特定疾患治療研究事業の推進、不妊治療対策の推進

3.子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備
○子どもを生み育てる事の意義に関する教育・啓発の推進
○家庭を築き、子どもを育てたい男女の希望に資する地域社会の環境整備の推進
○中・高生等が子育ての意義や大切さを理解できるよう、乳幼児とふれあう機会を拡充
○不安定就労若年者(フリーター)等に対する意識啓発や職業訓練などの実施
○確かな学力の向上、豊かな心や健やかな体の育成、信頼される学校づくり、幼児教育の充実など、子どもの生きる力の育成に向けた学校の教育環境等の整備
○発達段階に応じた家庭教育に関する学習機会・情報の提供。子育て経験者等の「子育てサポーター」の養成・配置など、家庭教育への支援の充実
○自然環境等を活用した子どもの多様な体験活動の機会の充実など、地域の教育力の向上
○子どもを取り巻く有害環境対策の推進

4.子育てを支援する生活環境の整備
○良質なファミリー向け賃貸住宅の供給支援など、子育てを支援する広くゆとりある住宅も確保
○公共賃貸住宅等と子育て支援施設の一体的整備など良好な居住環境の確保
○子ども等が安全・安心に通行することができる道路交通環境の整備
○公共施設等における「子育てバリアフリー」の推進
○子どもが犯罪等の被害に遭わないための安全・安心まちづくりの推進

5.職業生活と家庭生活との両立の推進
○多様な働き方の実現、男性を含めた働き方の見直し等を図るための広報。啓発等の推進
○仕事と子育ての両立支援のための体制の整備、関係法制度等の広報・啓発等の推進。

6.子ども等の安全の確保
○子どもを交通事故から守るための交通安全教育の推進、チャイルドシートの正しい使用の徹底
○子どもを犯罪等の被害から守るための活動の推進
○犯罪、いじめ等により被害を受けた子どもの立ち直り支援

7.要保護児童への対応などきめ細かな取組の推進
○児童虐待防止対策の充実
○母子家庭等の自立支援の推進
○障害児施策の充実

尚、県の調査によると、福島県の女性は結婚・出産後も仕事を続け、自分自身のライフスタイルを大事にしたいと考える割合が全国に比較して高いという結果が出た事が報告されました。
(福島県「『新うつくしま子供プラン』見直しのための県民意識調査」(2004年))


図6 結婚後の自身の目標についての考え
(自分だけの目標を持つことに対して)

また、県全体の地域における行動計画は少子高齢社会対策グループで、県庁の事業主としての立場からの行動計画は県人事領域人事グループで現在策定中との事です。
会員からは、ただ国のマニュアルをなぞっただけの行動計画ではなく、福島県の実態に即し、独自性のある、全国に発信できるような行動計画を策定して欲しいなどの要望も出され、白熱した学習会となりました。
(報告 丸山八重子)

学習会テーマ2
「連合福島政治政策フォーラムの次世代育成支援に関する取り組みについて〜次世代育成推進法に基づく一般事業主行動計画〜」
講師: 富田勝則氏(連合福島政治政策フォーラム)
 連合福島政治政策フォーラムは、勤労者、各級議会議員、労働組合など各種団体代表者が参加し組織されており、国民的な重要課題・政策のあり方について自由に討議する場としての活動を行っている。意見が統一した課題については、国・県や各市町村ならびに政党に政策提言をしている。富田氏から次世代育成支援に関しての取り組みについてお話を伺った。

 連合福島政治政策フォーラムは、福島県知事に対して「次世代育成支援の積極的推進について」という政策提言をした。
 次世代育成支援対策推進法の積極的な実施を求め、その内容として、次世代育成支援対策地域協議会の設置運営についてや、働き方の見直しについてが含まれている。この政策提言にあたり、連合福島政治政策フォーラムは県内の少子化問題に対して子育ての状況把握のため、県北地域を中心に、保育園・幼稚園の保護者ならびに構成組織の組合員を対象に「子育てに関する実施調査」のアンケート(1750部依頼、回収947部、回収率54.1%、個別意見157)を実施した。
 このアンケートの結果をもとに、不安や負担感を緩和・軽減し、安心して子供を生み育てることができる環境づくりのための提言がなされた。アンケートの回答者の性別は、男性の回答が24.1%、女性の回答が75.9%で、年齢別では20代が10.2%、30代が70.0%、40代が19.8%であった。職業は、本人および配偶者の組合せでみると回答者本人で正規雇用とパート・アルバイトで71.3%、配偶者回答で同様に84.1%と共働き世帯が多いことがうかがえた。
 回答者の子どもの数は、1人が23.4%、2人が52.9%と半数を占め、3人が20.8%であったが、理想的と考える子どもの人数は、3人が最も多く60.4%、次いで2人の31.1%で、理想と現実の人数差の主な要因は、「経済的に困難だから」が48.8%で約半数を占めた。
 育児・介護休業法について「知っている」「大体知っている」を合わせて84.8%であるが、「利用している」と答えたのは37.0%で、「利用しにくい」と答えたものは31.7%あり、その理由として、「上司・同僚の理解が得られない」35.1%「賃金保障が不十分」20.9%「元の職場に復帰できない」10.6%となった。子育てをしていて、充実してほしいものとして「育児費用に対する公的な経済援助」が19.9%、「子供が病気の時の看護休暇制度」は17.7%、続いて「育児の為の短時間勤務制度」11.9%「休業中の賃金補償」10.3%であった。
 子どもを産み育てたくても経済的な理由で断念する方も多く、さらに制度の充実ととして、育児費用の経済的援助や、育児休業取得時の賃金補償などは重要な課題である。さらに、育児・介護休業法を利用しやすい雰囲気を職場でつくることや、管理職の意識を高めることも必要であるといえる。
 家庭における子育てについては、1歳未満乳幼児の子育ての妻の分担が68.3%、夫が16.7%、理想は夫33.5%で、1歳から就学前の子どもでは、妻の分担62.6%、夫20.6%、理想は夫35.7%、小学校入学から卒業までの子どもでは、妻の分担が63.5%で、夫が24.4%、理想は夫38.4%となっており、それぞれ、現実と理想のギャップが示され、さらには、子どもの病気やケガの場合の看護では、妻の負担が73.8%と高く、夫の参加は15.7%、理想は夫35.5%、しつけの分担も妻が60.2%、夫29.6%と比較的高いが、理想は、夫43.8%と半分近い分担が望まれている。
 先に示したように、回答者の多くが共働きの女性であるということから見て、働く女性の負担の大きさがうかがえる。また、男性が子育てに参加しやすい地域における環境整備や、制度、職場内環境も含めた社会システムの構築を求めていく必要があることがわかる。さらに実態調査で得た個別意見からは現行制度が充分に活用されず苦しむ女性たちの実例が示され、女性労働者が家庭、職場において自己の権利を行使することの困難さと闘っている様子が語られている。


 富田氏は、勤務していたNTTにおいて、県内ではじめて男性が育児休業を取得した事例をあげ、またご自身も同じ職場で共働きをする中で働き方を工夫してきたという実体験をまじえ、企業においての働き方を見直していくことの必要性と、それが社会全体の課題であることを強調なさった。少子化対策として、単に女性労働者の仕事と家庭の両立を考えるのではなく、全ての労働者の働き方を見直すという視点から企業が社会的責任という意識を持ち次世代育成支援に取組むことが急務であると考える。
 次世代育成支援対策推進法の個々の行動計画が労働者、住民のニーズに対応した実行性のあるものとなり、社会全体の次世代育成を推進してくれることを期待する。
(報告 金子恵美)

 

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