活動紹介

オンライン・ダイジェスト


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■「うふふ」 第33号(2002.6.30)

ふくしま女性フォーラムをどうしたいのか
ふくしま女性フォーラムもとうとう7年目迎えた。社会はめまぐるしく変化している。きっと、フォーラムの問題意識も変化しているはずである。本音を語ろう。本当は何がしたいのか。そのために何が必要なのか。ちょっと気になる疑問を、頭を悩ませる難事を、はたまた胸に秘めた過激な想いを、このリニューアルした「うふふ」で議論できないでしょうか。

<目次> (ページ)
・第7回定期総会 (1)
・円卓トーク―男女共同参画条例について−(2) 
・2001年度の主な事業報告 (4)
・2002年度の事業計画  (4)
・プロジェクトチーム  (4)
・アセスメント  (6)
・議員活動の現場から (6)
・新聞記事から (7)
・ブックレビュー (8)
・おしらせ (8)
・編集後記 (8)

第7回定期総会
2002年5月12日(日) 10:30〜郡山市市民プラザ7F大会議室
2002度の総会では二つのことを確認した。まずアセスメントの実施を通して、総会を福島県の地域・企業における男女平等の程度を話し合う場にするということである。活発な議論を各プロジェクトの活動につなげることで、アセスメントをより明確な方向で洗練させていきたい。次に「福島県の男女共同参画推進に関する条例」についての学習と実効性を確保するための活動を行うということである。フォーラムが条例をひとりひとりがどう活かしていけるか考える場にもしてきたい。


7年目を迎えて
代表 栗原るみ
北京女性会議NGOフォーラムでワークショップを開いたことを契機に、福島という地域の男女平等をめざして発足したふくしま女性フォーラムは今年で7年目を迎えた。その間に、日本の国のレベルでは「男女共同参画社会基本法」の制定や「雇用均等法」の改正があり、育児休業法や介護休業法の整備などにより「男も女もともに家事育児と仕事との両立ができる」ための条件の改善もすすみつつある。福島県も「男女共同参画条例」を制定した。政府の主導により「男も女も性別にとらわれず個性を発揮できるような」男女平等の枠組みづくりは、着実に充実してきている。
でも「よい世の中」になってきていると言えるのだろうか?貧しい国や貧困は戦争に動員されやすいというのがこれまでの歴史の現実であった。そこをどうするのかがテロ対策の要諦のはずだし、確かにひとりひとりの人権(生存権)を尊重することが平等の基本だという考え方は国連や世界レベルの合意である。しかしブッシュはテロとの戦争に武力を増強し、日本でも強さを求めて、リストラや失業率が増加し、国会では有事=戦争準備が論じられている。
「自由・平等・友愛」という近代的価値の通用する範囲を広げようという論理と、その価値に公然とは反対しないが実は「自由・平等・博愛」をわかりにくい説明を駆使して一部の強者のみのものに囲い込む、弱者を黙らせ、抑圧する論理とが、せめぎあっているのかもしれない。
男女平等をめざすことを掲げて、ふくしま女性フォーラムを立ち上げたことの意味は、わたしにとって、とても大きかった。ちょっと言いにくかった平等というテーマをかかげたことにより、均質ではない個性が尊重される平等、官僚統制ではなくボトムアップの政府の必要、といった社会や時代についての本質的な現代的課題について、考えることができたからである。
ふくしま女性フォーラムは、現在「政策検討」「女性に対する暴力防止」「ジェンダーフリー教育」「職場のジェンダー」「現状調査」の5つのプロジェクトチームに別れて地域の現実を見極め格闘し変えようという取組みを実施している。これらの取組みの成果と課題を各年度ごとにとりまとめ、さらに福島市、会津若松市、郡山市、いわき市をそれぞれ中心にして地域別に地域の男女平等の進展状況を評価し、「福島県男女平等アセスメント」として総会ごとに作成しようと考えている。方法を模索中だが、この厳しい競争社会の進行のなかで、均質ではなく本当に1人ひとりの個人が人として潜在能力を発揮できるようなジェンダー意識の形成という視点でみるとき、個々人の人権がそれぞれ尊重される平等という考え方はどの程度拡がっているのだろうか、そのことをできるだけ多くの方々に問いかけたいと思っている。
ふくしま女性フォーラムは、棚上げされそうな平等を現実化するために励ましあいを必要としている女性と男性の広場として、名称もふくしま男女フォーラムとかに変えたらどうかと思っている。わかりにくくする論理を見抜く力をつけるためには、一層の勉強と整理が必要だ。怪情報にまどわされない確実な知識を獲得するために、経済や政治に関する学習会も企画したい。女も男も、希望をもって生きていけるような、優しい世の中を創造できるような討論の場として、ますます必要な場所にしていきたいと考えている。
男性も女性も性別にとらわれず、ひとりひとりが困っている問題を解決するために、ふくしま女性フォーラムで考えましょう。性別にとらわれず、自分の人権を確認し、他者の人権を尊重できるような枠組みを作り出すために、排除の論理と対決するために、もっと相談しましょう。福島県内の現実をよりリアルに把握し、男女差別をなくすために、現実のおかしな仕組みを変えていけるような枠組みを創造するために、あらためて、初心に立ち返って、励まし合っていきたいと願っています。

*栗原るみ研究室のホームページができました。
http://www.ads.fukushima-u.ac.jp/~lumi/index.html


円卓トーク
―男女共同参画推進に関する条例についてー
2002年5月12日(日) 13:30〜 郡山市市民プラザ7F大会議室
パネリストに県男女共同参画推進会議において条例作成に携わった竹川佳寿子氏と安藤ヨイ子氏を招き、円卓トークを行った。この円卓トークでは、前半は栗原代表がパネリストの二人に質問する形をとり、後半は会場から自由に質問・意見を出してもらった。条例の正式名称は「福島県男女平等を実現し男女が個人として尊重される社会を形成するための男女共同参画の推進に関する条例」。
なぜ条例のタイトルが長いのか、前文が入ったのはなぜかなどの質問から始まり、条例が制定されたことで人権がどのように保障されるのか、また条例をどういかすかが具体的な焦点となった。

<パネリスト紹介>
竹川(丸井) 佳寿子氏         
県立医大名誉教授(歴史学)。「会津藩家世実紀」「新編会津風土記」の翻刻注解を行ったほか、日本近世の商品流通史、会津地方の交通や会津藩に関する論文多数。県男女共同参画推進会議会長や県生涯学習審議会副委員長を歴任。
安藤 ヨイ子氏              
1970年福島県弁護士会に登録して、弁護士開業、女性に関わる訴訟を担当する傍ら、日本弁護士連合会内の両性平等委員会等で活動。95,6年にニューヨーク大学ロースクールに客員研究員として留学。帰国後、97年から1年間、女性として初の県弁護士会会長を務め、県男女共同参画推進会議委員を歴任し、現在、県公害審査会委員、日弁連国際人権問題委員長を務める。
                   
条例制定の意義は?
竹川: 条例が制定されたことのもっとも大きなメリットは、男女平等の実現やジェンダー主流化を明記できたこと。また、男女平等を確認し、ジェンダーからの解放をうたうことができた。不十分ながらもリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)も盛り込めた。また間接差別もいけないと明記できた。男女の実質的平等の実現、人権の尊重は、憲法に明記されているものの実現されてない。本条例ではその不十分な現状を述べたという点で画期的である。
安藤: 条例は県が作成するプランと異なり、県と県民を法的に拘束する。ゆえに男女平等の推進に関して法的基盤を得たことは大きなメリットである。性別による人権侵害の禁止(第7条)は、職場・地域における直接的間接的差別すべてに及ぶ。業務命令としての新入社員に対するトイレ掃除などもその対象である。また本条例では男女共同参画基本法にはない意見表明の権利(第24条)が保障されている。
条例制定に関して残念な点は?
竹川: 条例策定上、県内部で議論があったと伺っている。表現も内容も、条例化する段階で柔らかくなってしまったと言えなくもない。たとえば第24条に関しては「意見の申出」というおとなしい表現になっている。ただ、そうした問題はあっても総体として、他県にもない内容が含まれ、他県と比べてもそん色のない条例が出来上がったと言える。
安藤: 「ジェンダー」という文言を入れるか入れないかは、プラン策定のとき話し合ったこともあり、検討会では特に話題にはならなかった。前文で「ジェンダー」の定義は明記できなかったが、第18条で性別による人権侵害の防止等において積極的な改善措置を設けることができた。

なぜそんなにタイトルが長いの?
竹川: 「平等」と「共同参画」という文言をいれてほしいと要望したからではではないか。大きな目的と手段・方法という形はまどろっこしいがよく分かる。
安藤: 検討会では「平等」という言葉は当初抵抗があったが、会を重ねるにつれ理解が深まった。

なぜ前文をいれたの?
竹川: 県の条例には一般的に前文は付けないということだが、「制定の主旨について県民が端的に分かり、決意表明の場もほしい」ということで前文を付けることとなった。また前文では、本県で見られる伝統的な家制度、ジェンダー的な性別役割、そして地域のもつ閉鎖性(「地域コミュニティ機能」について)などが、男女平等の推進を阻害する現状として明記できた。これは県が実現しようとする最も重要なものとしての確認である。男女共同参画に関しては、社会慣行や生活習慣があり、急に変えることは難しい。ただ、制度や法は整備されており、これを足がかりに男性も女性も旧来の認識を変えられればと思う。
安藤: 前文の挿入は、長いタイトルとともに他県に見られないユニークな点である。ジェンダー主流化をめざすと明示できないと指摘があったが、ジェンダー主流化とはジェンダー視点を施策形成の基本的な姿勢・手段とするものだが、今の福島県を見ると、現状ではジェンダーの視点はあるがまだそれほど認識が深まっていない。ただ、第5条2項にジェンダー主流化の姿勢を盛り込めることはできた。

男女共同参画をすべての施策に推進できないの?
竹川: 該当する施策は広範囲に及ぶので、全体的にカバーできる。特に必要なものにかぶせればいい。
栗原: 施策の推進に関して、「配慮」するとあるが、もっと強い表現はできないのか。具体的には、男女平等を推進しないところには補助金を出さないなどポジティブ・アクションを実施出来るような。
安藤: 第三者機関を設置する必要もあるし、評価も難しい。またポジティブ・アクションの実施は雇用との関係上、現段階では不可能。しかし、第19条で知事に対して男女協同参画の現状その他の事項に関して報告を求めることができる。これと平行して評価を行っていったらどうか。もちろん評価のための情報公開の必要があるが、行き過ぎはよくない。一歩一歩前進を。

セクハラやDVなど深刻な人権侵害を受けた
場合どうするの?
栗原: 情報はあふれているにも関わらず必要な人がアクセスできないのはおかしい。
安藤: 積極的な活用方法はこれからフォーラムなどがしていくこと。具体的な方法などに関してまでは条例に盛り込むことはできない。
竹川: 県条例の主旨は市町村の至るところに広がる必要がある。討議の際の一つの材料として、県条例をもとに県内各地で勉強会ができれば、その主旨が生かされるのではないかと思う。

条例の積極的活用方法に関してご意見を!
竹川: 県が主導することはもちろん、しかしそれだけではよくない。従来の意識を変えることは困難だが、施策の普及と討論会を通して条例を活用していかなければならない。
安藤: 第24条で知事に施策に対する意見を申し出ることができる。男女平等を推進する施策や計画に関して、目標値(タイムバンド)を設置し、かつそれを実現させていくことが必要である。またその決定の場に女性が参加していくことはもちろん、県はそのために女性が自分の財布を持ち、自立的に社会参加できるように後援すべきである。



前文で県の後進性を示すことで、県の男女平等を推進するという認識を示せた点が福島県における条例としての意義にあたるだろう。たしかに審議会案より後退したのは否めないが、たとえ文言がなくとも、ジェンダー主流化やリプロダクティブ・ヘルス/ライツなどをもりこみ、人権を出来るだけ保障しようとする内容になっている。特に性差別の規定に関してはジェンダーの視点が反映されているといえよう。ゆえに現実と条例のギャップをどう埋めるか、つまり条例をいかに利用し発展させるかが今後の課題になるのではないだろうか。  

 2001年度の主な事業報告
総務部
年度末会員数 211名、定例運営委員会開催
広報部 
機関紙「うふふVol.29号ー32号」の発行
主催イベント情報の提供
事業部
未来館フェスティバル・ワークショップ報告
夫婦の姓を考えるシンポジウム
企業調査プロジェクト、スウェーデン調査 
 2002年度の事業計画
総務部
定期総会開催・記念講演、役員改選
定例運営委員会開催 年4回
委員などの派遣
広報部
機関紙「うふふ」の発行、内容充実
事業部
アセスメント実施


プロジェクトチーム
定期総会では、各プロジェクトチーム(PT)が2001年度の活動報告と2002年度の事業計画について報告した。

男女共同参画を推進する条例を考えるPT
・「条例に関する県民の意見交換会」参加
・福島県男女共生センター開館1周年記念行事の
イベントに参加
「実効性を伴う男女共同参画推進条例(仮称)にするには」をテーマにワークショップを実施した。
2002年度は、「条例プロジェクトチーム」を発展的に解消し、新たに「男女共同参画の視点から施策を検討するプロジェクトチーム」を発足する。条例24条に、施策に関する申出で等が規定されたことから、男女共同参画の推進に影響を及ぼす行政施策についての検討を行うこととし、具体的には施策全般に対する事業計画や事業報告等の調査及び情報収集を行い、必要に応じて提言を行う。またあらゆる分野に男女が平等に参画するためには、女性自身が意識と能力を高め、実力をつけた存在にならなければならない。このことを踏まえて、地域社会が直面する諸問題について、エンパワーメントのための学習を行い、併せて多角的な観点から行政施策検討を行うこととする。

女性に対する暴力防止PT
・福島DV研究会と連携した婦人相談・保護施設建て替えに関する働きかけ
2004年度開所予定の新しい婦人相談・保護施設が望ましい施設となるよう、県児童家庭課に「女性相談・保護援助センター建築に関する要望書」を提出した。2回開かれた県の「女性相談・保護援助センターの整備に関する専門家会議」を傍聴し、情報を収集した。また、PTメンバーの1人が、施設設計のアドバイザーに就任したので、設計の進捗状況を報告してもらった。
・未来館フェスティバル・ワークショップの開催
県男女共生センター未来館フェスティバルで、沼崎一郎さん(東北大学文学部)を講師に、ワークショップ「DV加害者の再教育?アメリカの実態から」を開催した。
 福島県は、まだとうてい十分とは言えないが施設(ハード)を整備しつつあるので、今後は人員・予算(ソフト)の面の充実が強く求められる。したがって、2002年度は被害者のハードの利用を促進し、かつソフト面の充実に向けて県に働きかけるための活動を展開したい。
 第一に、県の婦人相談・保護事業を被害者に知ってもらうための活動を工夫して行ないたい。具体的には、被害者の目に留まるところに情報を届ける方法を考える。第二に、県のソフト面の充実に向けてどのような働きかけができるか、検討を開始する。

ジェンダーフリー教育を考えるPT(GFEnet福島)
・女性学・ジェンダーフォーラム参加
・共学化1年目の高校、及びこれから共学化を迎える高校の生徒会へのインタビュー
・「教師の為の男女平等教育セミナー」参加
 2002年度の活動予定は、前年度の追跡調査を行い、共学化2年目になった高校の生徒会へのインタビュー行う。またHPの立ち上げを検討している。

職場のジェンダーPT
・スウェーデンにおける職場のジェンダー調査
・調査報告書「スウェーデンで考えた男女平等のかたち」Vol.1 Vol.2作成
 2002年の活動は検討中です。

企業調査PT
・企業へのアンケート調査実施
 働く環境の現場の激変状況と男女不平等の存在を明らかに看取できる集計結果の一応のまとめを「地域企業とジェンダー」として提出した。とはいえ、比較データ収集の困難、あるいは、各省庁が各種検討会の動向や新たな政策提言などの現状をフォローしきれず、日本的視野での位置付け及び国際的な視点からの検討がなかなか進捗しなかった。
現在、福島大学大学院地域政策科学研究科の講議において、このアンケートの一応のまとめをテキストに比較検討にとりくんでいる。夏休み中には、具体的な政策提言等も含めて、完成させることを目標にしたい。また、印刷前により多くの方々と検討の場をもちたいと考えている。



アセスメント
アセスメントとは、政府(国・県・市町村)の実施する政策に関する市民による評価・監視という意味である。男女共同参画社会基本法が制定され、社会はジェンダー主流化の枠組みをもった。しかし、それが実際に政治や社会を変えるために有効に機能しているかどうかは疑問である。私たちは福島県全体の男女平等のアセスメントを実施するという形で進捗状況を、地域別、それぞれのプロジェクト別に明らかにしたい。
総会では、役所や企業を訪問する際、フォーラムのからの正式な依頼文書があったほうがよいという意見が出た。アセスメントの方法に関しては、会員が主体的に取り組めるように、目的、目標を設定し、何を調べるか等を明確にするような方向で検討している。

条例PTや女性に対する暴力撤廃に関するアセスメント
DVの問題は一定程度社会的な脚光を浴び、法律も制定されたが、被害者救済とDV根絶のための取り組みはまだほんの第1歩が踏み出されたにすぎない。現に被害を受けている人々の救済と自立のためには現在の何倍ものお金と人とが公的・私的に投入されなければならないが、できることは限られている。そこで、行政への働きかけと啓蒙活動を中心に行い、また婦人相談員その他との連携を強めることを重視してきた。今後もその方向性を維持し、現在の力量にあった地道な活動を続けるつもりである。

「職場のジェンダー」アセスメント
 男女の労働条件という観点から見ると、とりわけパパの育児参加の環境整備、ジェンダー主流化のための施策の開発、オンブズマンという仕事の有無、について、福島県の現状がスウェーデンとあまりに乖離(かいり)していることに驚いた。現在はその紹介が必要だと感じている段階である。

「県内企業の雇用者」に関するアセスメント
従業員数の記載のある調査票から社員数を集計すると男性が31404人、52.4%に対して女性は30803人で47.6%であった。女性の従業員がほぼ男性の従業員に匹敵するに至るほど、労働市場に仕事を求める女性が多いことが確認できる。だが全従業員の69.6%を占めている社員については男性の比率が70.8%に対して女性は29.2%と大きな差が見られる。それに対して全従業員の15.1%をしめる長時間パートでは女性が87.6%、全従業員15.3%の短時間パートでは女性が91.5%であった。福島県内においても、いわゆるフレキシブル(不正規の雇用形態)な雇用のもとに働いているのが、圧倒的に女性であるという実態を、改めて確認できる。賞与や退職金の有無等の指標で確認すると、働く条件が悪化するにしたがい、女性の比率が増大している事情を、目の当たりにすることができる。



議員活動の現場から
男女平等を推進するには女性の政治参加は必然である。でもどうしたらできるのか。このコーナーでは議員として活躍しているフォーラム会員にアクチュアルな政治を語ってもらいましょう。今回は郡山市議会議員の駒崎ゆき子さんと白河市議会議員の辺見美奈子さんです。

議員としての発言の重さ
郡山市議会議員 駒崎ゆき子
 私は、3年目の無所属無会派で、一人で議員活動をしている市議会議員です。私の今期の目標は@議会でいろいろな市民の声を代弁するA議会の中の出来事を市民に伝えるBまともな議会活動をし、今の議会や議員に一石を投じ、波を立てるの三つです。
 私は毎議会登壇し、市民の声を代弁しています。しかしわが議会は一議員年間60分という質問時間の制限があります。私は毎議会15分で再々質問まで一秒残さず使い切っています。また、私が紹介議員となって出した請願が不採択になれば、本会議で「採択すべき」の賛成討論をします。議案も私たちの会(郡山の未来をつくる会)で議論し、問題のある議案は反対討論をして、どこが問題で賛成できないかを各議案ごとに討論します。「反対ばかり」との意見も聞きますが、現段階では私が反対しても、全てが賛成されることは確実です。問題点を市職員や市民に分かってほしいとの思いからです。議会後は広報誌「そよ風」の発行や議会のまとめと反省をして議会報告会を開催します。市民に知らせると同時に、次の議会で取り上げる質問の収集をします。このような議会活動や議員活動を通し、市民や議員、市職員の意識改革をしようとしていますが、難しさを実感しています。
 しかし最近少し、私が投げた石の波を実感できるようになりました。私一人が発言した事が、市長部局の立案で実現できた政策5件、私たちの会で出した請願で採択されたもの4件。議員の緊張感も高まりました。もう動き出している来年の選挙に向けては特にです。今まで私が市民として行政に意見を出した時と、議員になってからの発言の重さは全然違います。政策も男性側の発想という現状ですので今、政策決定の場に女性を増やすことは急務です。私は今、人生で一番良い経験をしています。このような体験を多くの女性にもしてほしいと思います。 


女性議員が増えれば政治が変わる
白河市議会議員 辺見美奈子
議員生活に入って5年の月日が流れました。議会を一言でいうと、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するなんとも不思議な世界です。
先輩の長老議員から「議会は何でもあり、嘘が正義にもなるところだから」と聞きました。この言葉を実感として受け取るまでにはさほど時間を必要としませんでした。
先日、共生センターで開催された男女共生シンポジウム「女性議員が増えれば日本が変わる?」がありました。いずれの選挙でも、候補者は公約で「21世紀は教育と福祉」「住民参加の街づくり」「私が変えます」「私が改革します」と連呼し有権者に期待を持たせました。しかし当選すると総論賛成各論反対。変えたいから議員になったのか、議員になりたかったから変えたいといったのか。擁護するわけではないが前者が女性議員で全てとはいわないが後者が男性議員の姿に映ります。
女性議員が増えれば変わるのか、簡単なことです。片目で見る風景と両眼をあけて同じ風景を見て比べてほしい、片目では感じることができなかった奥行きと両目でしか得ることのできない厚みのある風景とバランスのとれた感覚が感じ取れるはずです。
よく評論家は、女性議員は福祉と環境問題だけでグローバルな経済、防衛などが弱いからだめだといいます。しかし、本当にそうなのでしょうか。市川房枝記念会政治セミナーに集まる無所属議員で作る地方議員行財政自主研究会が設立6年を迎えます。地方自治研究センターの研究員を講師に財政を中心に研究をしていますが、皆さん学びたいとの思いで町村議員報酬十数万円をやりくりし、遠くは九州から研究会に参加しています。それぞれが力をつけ議会の改革に取り組み、特殊なバリアに囲まれた議会の窓をあけ、風を入れました。
政治哲学者は家庭こそ国家の縮図だといいます。人のお金で人のものを買う政治が生み出した多額の借金、自分のお金で自分のものを買う家庭経済学に発想を変えない限り地球を救うことができないのではないでしょうか。



新聞記事から
・県が「県政広報物表現ガイドライン
―気づいて、築くジェンダーフリー社会」作成―
(5月17日付、福島民友)
 県は5月、ジェンダーフリーを目指し、差別のない表現ガイドライン集を作成した。ポスターやパンフレット、新聞、雑誌への掲載広報、インターネットのホームページなど、さまざまな表現媒体をガイドラインの対象としている。パンフレットに図やチェックリスト、文言を例示している。
 例えば「女性らしい気配り」「男らしい決断」という表現には別の言葉への置き換えを勧めているほか、オンブズマンはオンブズパーソンへ、カメラマンは写真家、兄弟・父兄は兄弟姉妹や保護者に言い換えるよう例示している。
 文章や写真、図などにおける差別撤廃は今までも個人レベルでは取り組まれてきた。今回のガイドラインが作成されたことにより、組織的に推進されると思う。
 パンフレットの内容もなかなかに良いできばえ。「よくある質問」コーナーでは、「表現の自由に反するのでは?」という質問に対して「男女共同参画社会をめざす県の責務と、ひとりの人間として相手を尊重する心を、どのような業務の担当であれ、常に意識しなければなりません」としている。
 内容については文句はないのだが、果たして実際にどれぐらいの職員が読んで、理念を理解しているのだろうか。今でも「お茶くみ・コピー」を女性職員だけにやらせていないだろうか。お茶くみ・コピー問題について、WFFの会員はすでに承知であろうと思われるのでここでは言及しないが、男女平等の理念を行動や結果で示している課はどれぐらいあるだろうか。こうした問題に対する政策評価は、内部的な点検や自己満足で終わってしまいがちである。単なる表現に止まらない実効性のある「県庁の男女共同参画」について、外部の視点も入れた公平・公正な政策評価を導入してほしいと思う。(文責・藍原)



ブックレビュー
みなさんのお勧めの本を紹介してください!できれば、書評つきで。今回は斎藤美幸さんの推薦です。
『男女平等の本』
(小中学校用 全8冊で3,000円)
ノルウェー男女平等の本を出版する会 翻訳・発行
この本のすばらしさは、「とても読みやすく、理解しやすい」ことです。
小学1年生むけの「家庭編」から始まって、「学校編」「地域編」「国内女性史編」「欧州女性史編」ときて、小学6年生むけが「第3世界編」。そのほかに教師用解説書が2冊ついています。いずれも、薄いので、全8冊といっても、身構える必要はなし。
私は、小1と小3の子どもの目に付くところに置いています。
 ジェンダーフリーや男女共同参画について、よく分からない人には「世界最高レベルの良質な入門書」だし、よく知っている人にとっては「他の人に伝えるための格好の手引き書」だとおもいます。自費出版なのでなくなる前に是非ゲットしてください。                         
出前講座いわきのおしらせ
▽ とき=7月28日(日)
   午後1時開場、1時30分開始
▽ ところ=いわき市生涯学習センター
 平一町目一番地、電話0246−37−8888
 (いわき駅徒歩5分、ワシントンホテルが目印
 地下に駐車場有、市役所駐車場無料利用可)
▽ 内容
1.ふくしま女性フォーラムの活動報告
  @「男女共同参画の現状と課題」 代表 栗原るみ
  A「女性に対する暴力防止PT活動報告」 中里見博
  B「男女共同参画を推進する条例を考えるPT活動
報告」 濱田千惠子
2.参加者とのフリートーク


編集後記
新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今回から「うふふ」の紙面を一新しました。より充実した紙面を目指します!皆様、ご意見・ご感想・叱咤激励などなど、遠慮せずにどんどん言ってください。また、ちょっとした疑問、頭を抱える難問、わいわい話し合いたいことなども、どしどしお寄せください。読んで楽しくなるような、次号が待ち遠しくなるような、そんな新聞を一緒につくっていきましょう。
 新聞記者さんはすごい。うーん、うふふの編集作業を甘く見すぎていました。いかに、読みやすく、わかりやすく、面白く伝えるか。これは新聞に限らず、人間の行為すべてに通じることですが、これほど難しいものはないなと思います。慣れない作業に四苦八苦、そのつどたくさんの人に助けてもらいました。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。では、次号もがんばるぞ〜!                             (R.S)

うふふの33号の送付について
6月末にうふふ刊行に際しては、編集方法を新しい方式に転換いたしました。その編集を担当した栗原研究室で、更正途中のものを完成原稿として印刷にまわしてしまいました。コンピュータ編集と校正の手順に関する行き違いの結果、チェック体制が機能せず(校正ができなかった)、その結果、33号がすでに発行した32号という表示になり、発行月日の欠落したままでした。ただちに本来の完成版(33号)を再送付しようかとも考えましたが、騒ぎ立てるのもいかがかと考え、今回の34号送付に際して、前回のさしかえ版を同封させていただくことと致しました。

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