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ふくしま女性フォーラム
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■「うふふ」 第36号(2003.3.30)

安心して納得して生きたい!
福島におけるライフスタイルについて、考えたことがありますか。もし、安心していない、納得なんかできてないと思うならば、私たちはそれを変えるために何ができるでしょうか。「今」と「未来」を充実させるために、この春何かに挑戦してみましょう。今回は企業調査報告書の特集です。きっとヒントが得られるはず!

<目次>
・企業調査報告書特集  (1)
・プロジェクトチーム (5)
・議会活動の現場から  (5)
・会員の活動  (6)
・ブックレビュー (7)
・掲示板  (8)
・編集後記 (8)


「企業とジェンダー」完成特集!
待望の企業調査の報告書が出来上がりました!調査は2002年7月に行なわれ、秋には報告書が作成されていましたが、さらに踏み込んで、経済、歴史、制度など多方面からアプローチを行った改訂版が完成しました。
報告書は4部構成になっており、第1部は「仕事と働き方」、第2部は「雇用管理における男女差別の現状」、第3部は「福祉における男女差別」、第4部は「現代の問題」です。男女のジェンダー統計を用いることで、より福島県の現状にコミットできたものになったのではないでしょうか。


『企業とジェンダー』の完成にあたって
栗原るみ
今イラクで現実に行なわれている、殺人と破壊のニュースを聞きながら、恐怖感と無力感にとらわれています。多くのことを思うけれど、やっぱり日常的に一人ひとりの「人権」を大切にする理性、独裁者をかつがない理性を鍛えなければと思い直して、報告をはじめます。
 長いことお待たせした『企業とジェンダー』の調査報告書の原稿がようやくできました。福島県内の企業の実態調査を実施してから1年以上が経過してしまいましたが、その後も福島県内の不況は深まるばかりでした。以下で詳しく述べるように、県内の企業で「男女共同参画」時代に相応しい、男女平等といえる働き方には、はるかに距離がある実態が明らかになりました。しかし同時に、倒産や減益が相次ぐこの厳しい不況のとき、「営業を続けるためには少しでも安く効率的に労働者を確保しようとするのは当然」、「首にならないためには、無理してでもノルマをこなさなければ」という雰囲気が確実に広がっていたと思います。ジェンダー・バックラッシュといわれる家父長制を支える思想が、「いざとなったら守ってくれるのは家族」というリスク回避策とともに、じわじわ復権しているような恐さも感じました。
1年前、わたしはふくしま女性フォーラムの企業調査部会で調査した結果を一応まとめて冊子に作成し、調査に補助金を交付してくれた福島県地域振興局に提出しました。しかし、どうすればこの厳しい現状を変えていくための力になるようなまとめ方ができるのか、もう少し検討する必要を感じていました。そこで、企業とジェンダー部会のメンバーにも開いたかたちで、行政社会学部大学院地域政策科学研究科の授業でその報告書を再検討することとしたのです。
今回作成した報告書は、アンケートで集めた事実からどのようなことがみえてくるのか、そのことの意味することは何か、それぞれの「仕事と生活の仕方」を模索している大学院の院生たちとともに、事実から出発して考えた営みの結果です。この勉強の成果をこの報告書にしました。フォーラムのメンバーの方々がさまざまな部会やその他のグループで、この報告書を行動をすすめるために必要とされる論理や理論を培うための参考書に活用してほしいと思います。基本にかえって、個人が「性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる」男女共同参画社会をなぜ創りたいのか、男女共同参画社会を創ろうとすることがどうしてこんなに困難なのか、困難を打開するために何が必要なのか、自分はどう変わることができるのか、等々について、あらためて考えていければと思います。

福島を読み解く3つのポイント
ポイント@:男女共同参画エリアに入る業種は皆無
国際的な定義では、雇用者の60%以上がどちらかの性に偏っている場合、その職場は偏った性が支配的であるとされています。社員もパートも男女ほぼ同じように働いている業種を調べるため、どちらの性にも支配的でない職場を表す指標として、男女共同参画エリアを設定してみました。しかし、そのエリアに入る業種はひとつもありませんでした。なお、この相関図から3つのタイプの雇用のあり方グループが存在していることに気がつきました。
第1のグループは、社員・就業者ともに女性の比率が60%以上と高い業種で、製造・衣料と医療・福祉の2業種です。女性が多い業種といえるでしょう。第2のグループは、女性社員比率が10%以下だが、女性就業者比率は60%以上と高い業種です。具体的には、警備業等、小売、飲食店です。数的には圧倒的に男性(社員)を上回っているにもかかわらず、女性の多くがパートという職場が形成されています。新・日本的企業型または日本的女性パート企業型職種といえるものでしょう。第3は女性の比率がともに小さく20%以下の業種が集まったグループで、サ・IT、土木・建設、運輸・通信、電力業等がそうでした。日本的男性企業型業種ではないかと考えます。
 ここで注目しなければならない点は、相関図にみられるように、女性社員比率も女性就業者比率もともに40%〜60%という男女共同参画エリアのなかには、どの業種もはいっていないということです。男性支配的でも女性支配的でもないという業種がひとつも見つからないという男女隔離的、分離的傾向をどうみていけばいいのでしょうか。
 今回の私たちの調査では、働いている男女の数はかなり同数に近づきつつあることがわかりました。しかし、女性社員となると28.8%、女性パートでは89.3%(長時間パート(注@)では87.3%、短時間パートでは91.4%)、派遣労働者では女性は61.0%でした。また、これらの結果を全国平均と比べてみると、福島県は女性がパート労働に従事する傾向が全国より強いこともわかりました。
 男女の働き方が大きく異なっていることが確認できました。この働き方の現状を変えるために何を主張していくべきか考えていきましょう。
(注1:社員と同じ職務を行ない、社員と同じ程度の時間働いているパートタイムの労働者という定義で、短時間パートと区別しています)

ポイントA:オリジナリティのない産業構造
今回福島の産業構造を把握するために、県データと全国データの比較を行いました。その結果、福島県と全国データはかなりの類似していることが判明しました。その比較は次項の表に示す通りです。
 生産額の構成では全国と比較して、製造業や電気・ガス・熱供給・水道業がかなり大きいことが指摘できます。しかしながら、生産額の構成→従業者数の構成→事業所数の構成という順に全国と福島県の構成が接近していることがわかりました。事業所の構成においても、全国と福島県の構成はかなり類似しているといえます。これは「発見」です。
 それでは、福島県と全国の産業構造の類似性をどう見ればいいのでしょうか。おそらく、政府の産業政策、中央集権的な縦割行政による補助金や規制などによる誘導の結果が、日本の地域経済構造の形をかなりの程度画一的なものに導いてきていたのではないかと考えます。福島県の産業構造は、中央官庁の力が満遍なく影響を持ち、地域経済を規定していたことを示すものではないかと思われます。この点を実証的に検証するのは、方法も含めて今後の課題です。
 しかし、このような県内産業の特徴を踏まえ、グローバル化といわれている世界経済の変化と、それに対応する日本経済の変貌について考ていくと、福島県がこのまま中央政府依存型の経済構造を維持していけば、中央経済の地域産業の切り捨てに対して抵抗できず、かつその動きと連動して女性の労働環境は更に悪化するということが推測できます。
 具体的に、県内産業の特徴の今後の見通しについて考えました。第1に製造業の減少は中国など東アジアとの競争による全国的な趨勢として指摘されているもので、止まるきざしは見られません。第2に建設業の動向は、「ムダな」公共事業見直しの動きに呼応するもので、これも減少はまちがいないと思われます。第3に電力産業については、県内に立地する原子力発電所の安全管理に問題があったことが明らかになっています。福島県内に電力を供給していない東京電力の原発をどう見るのか、これは地域で考えるべき課題です。
何が最適なシステムかは、その時代、経済環境、業種などによって大きく異なってくるものです。各企業、産業の特質や市場環境などを反映して、それぞれに最も相応しいシステムが重要であるといえるでしょう。地域の現実から出発して、仕事と生活の希望がもてる新しい納得できる地域のグランドデザインを考えることが、私たちに求められています。

 ポイントB:パートの調整について
 女性がパート労働を選択する大きな理由として、配偶者控除や年金の第3号保険者になるための2点があげられます。ゆえに調査では、このような所得調整の現状を明らかにしようと試みました。
調査の結果、事業所ごとに「所得調整」の捉え方が異なるという問題もありましたが、所得調整を行ないながら働いている実態を男女別に把握できたことは、他の調査にない画期的な成果といえるでしょう。
パート労働者の所得調整を検討する前に、まず男女の働き方について次項の表を見ながら確認しましょう。常用労働者という定義では、パートの実態がよく把握できないことから、今回の報告書ではパートの働き方を長時間と短時間に区分して調査してみたわけですが、実際グラフにしてみると男女の働き方の違いはとても顕著にみてとることができると思います。なお男女賃金格差のその他の要因についても管理職などの比率の圧倒的少なさを報告書はつぶさに指摘しておりますのでそれをごらんください。 ここではパートの「うまみ」ともされていて、最近その存在の可否が現実の論議にのぼってきている所得調整が、どのくらい実施されているのかをみていこうと思います。以下、短時間パートが配偶者控除や年金のために年末調整で所得を調整している割合について、男女別の数字と、特に顕著な業種について確認してみました。
 まず男女別のほうをみていきましょう。下の図から配偶者控除を受けられるように所得調整を実施している男性は165人(男性短時間パートにしめる調節比率では20.7%)、女性は6854人(女性短時間パートにしめる調節比率では81.4%)です。短時間パート全体における調整者比率は76.1%となります。
 では、年金の第3号被保険者のための所得調整のほうはどうでしょうか。所得調整をしている男性の人数は92人(同様に11.6%)、女性は5653人(同様に67.1%)。全体の所得調整者比率は62.3%でした。
 次に、顕著な業種についてみていきます。その業種とは、短時間パートの人数がもっとも多い小売と2番目に多いその他製造です。小売において、配偶者控除のために所得調整している短時間パートの男性比率は17.6%、女性比率は83.0%、また第3号被保険者の場合は、男性比率13.7%、女性比率72.9%で、どちらにおいても男女間に約60%の差があります。次に多いその他製造では、同様に配偶者控除のための所得調整する短時間パートの男性比率は24.1%、女比率は性92.4%、第3号被保険者のほうでは男性比率6.9%、女性比率91.6%と、その差を計算してみると84.7%いう一層顕著な差が見られました。 以上、調査から男性も所得調整を行ってはいるが、やはり女性がするのが基本であるということが分かりました。
現在、配偶者特別控除の廃止の動きなど、女性の働き方は今ターニングポイントにあります。働き甲斐のある仕事とペイ(同一価値労働同一賃金)について、改めて考えるときです。男女に平等でない働き方、人間的ではない働き方を、ここ福島から変えていきましょう。    

すごい報告書ができあがりました。ほかにも昇進・雇用における男女差別の実態、男女共同参画社会に向けての政策提言など福島だけではなく日本の今と未来をよみとくポイントが満載です。仕事も生活も充実できるライフスタイル、自分の納得できる生き方を模索していきましょう。


プロジェクトチーム
女性に対する暴力(DV)防止プロジェクトチームが福島DV研究会とともに、昨年春から取り組んできた相談窓口連絡カードが出来上がりました。
wffのみなさまへ
携帯カード手渡しのお願い
女性に対する暴力防止プロジェクト・チーム
代表 中里見博
私たちのチームは現在「DV相談窓口を紹介する携帯カード」設置活動を行なっております。この活動目的は、DVを受けている女性の保護、相談、自立支援、情報提供を行なっている県内12ヶ所のDV相談窓口をDV被害者に紹介することにあります。そのための、私たちチームと福島DV研究会が合同で作成したカードを、県内の病院、保健所、公共施設、デパートなどに設置し、これらの場所や施設を利用する人々に自由に持ち帰っていただいております。
つきましては、wff会員のみなさまにもこの活動にご協力をいただきたく、今回お一人につき5枚のカードを同封させていただきました。このカードをみなさまの周囲にいらっしゃるDV被害者やお知り合いの方たちに手渡してくださるようお願いいたします。
カードを見て、現在苦しんでいる女性たちが一人でも多く相談窓口まで辿り着きますように、ご支援ください。
なお、カードおよび活動に関するお問い合わせがありましたら、チームメンバーの伊藤(Tel 024-546-4646)まで連絡ください。


議員活動の現場から
 統一地方選挙が行われます。今こそ女性政治家にエールを送ってください!今回、議員活動を報告してくださるのは県議会議員阿部裕美子さんです。
「女性議員雑感」
福島県議会議員 あべ裕美子
私が県議会議員に初当選した時は660人以上の県議会議員の中で紅一点でした。地元の方たちから議会にいっていじめられることはないのかと心配の声もかけられることもありましたが、とりたてて女性議員であることを意識することもなく、男女別なく議員は議員のつもりでいました。しかし、議場に入ると男性ばかり、議会はまだまだ男性の世界の感がぬぐえません。二期目は郡山市から神山悦子県議が誕生し、女性議員は二名になりました。しかし、数があまりにも少ないために、なぜ女性議員が少ないのか、男女差別の歴史的過程までさかのぼりながら考えざるを得ません。家族の理解が必要など立候補すること自体がまだまだ難しい状況にあるのが現実だと思います。女性が参政権を行使できるようになって57年を経てますが、憲法に示された男女平等が文字通り現実のものになるのはまだ時間がかかることであり、意識的な努力と取組みが必要なのだと思います。
そういえば、私の初質問で県庁本庁舎のトイレの男女別化を求めた項目を取り下げた経緯がありましたが、このような質問は私にしかできなかったことではないかと後で残念がりましたが、トイレの男女別化の方は速やかに実現をみました。
私の場合はまさか議員になるとは思いもよりませんでした。若い時から、ベトナム戦争など身の回りの出来事に関心を持ち、差別や戦争のない平和な社会の実現を願い、日本共産党に入党して青年運動にとりくみ、結婚してからは婦人運動にかかわってきました。その延長線上に議員の仕事がありました。国政選挙など何度も立候補し、6回目での初当選でした。4人の子育てをしているということで『私と同じです。』と共感を寄せていただくこともありました。当選してからはバッチがものをいうことを実感する場面に多々遭遇し、議員としての役割りについてあらためて考えさせられると同時に、肩書きがものを言う社会の不条理に腹立たしさも覚えています。議員として住民のみなさんの声を良く聞き、その願いを実現させる為の政策立案について幅広く、深い知識と力量を持つために、日々努力あるのみが実感です。
私の口癖は有権者の一票の選択による政治のあり方が世の中を良くも悪くも変える力だということです。選挙はよく正当を選ぶのではなく、人柄だといわれることがありますが、政治は結局は、政策であり、どのような政策を進めるのか政党政治の力関係だというのが目の前で繰り広げられている実態です。ムダ遣いとしか思えない首都機能移転になぜ賛成なのか、赤ちゃんの誕生の介保料までお金を取るようにすることに、あるいは大学の授業料引き上げになぜ賛成するのか、議会での議決の時に悔しい思いをすることはたびたびです。
政治は誰かがやってくれるものではなく、女性も男性も一人一人の自覚ある一票の選択にかかっていることを私は訴え続けようと思います。そして県政にこれまで一貫して求められてきたように、財政悪化につながる大型開発事業のムダを徹底して見直し、教育や福祉、暮らし重視の県政を求めて奮闘したいと思います。 


会員の活動報告
いくら温暖化といわれても、寒いものは寒い!でも、ちょっとイベントに参加したり、何か新しいことをしてみたりすると、心身ともにぽっかぽか。そんなぽっかぽかの活動報告が2つ届きました。

未来館フェスティバルに参加して
渡部八重子(会員、まつかわ民話の会)
 「あなたが主役 みんなが主役」というキャッチフレーズをまともに受けて、県民の一人として参加することにした。松川町で立ち上げた「まつかわ民話の会」で“地元の民話を楽しもう”という企画である。なにしろ、一年しか経っていなく、メンバーは11人。なかには県議会議員や商工会の会長さんといった超多忙の方もいる。したがって、主要メンバーはまさに“ばあちゃん”層で、舞台経験のない6~7人である。
2階の多目的研修室に糸取り機、囲炉裏(いろり)、蓑(みの)、一升徳利など小道具を持ち込み、会場つくりをしてから“語り”に入った。お客様は常時30人ぐらい。一人15分以内に長いもの、短いものを取り混ぜて語ることにした。たどたどしい語りに熱心に耳を傾けてくださる方々を前に、喜んでいただけるよう、心を込めて語っていく。
男女共生センターのフェスティバルなのに「何故民話なの?」といささか軽蔑のまなざしで問う方があった。
民話の神髄を、私たち自身が理解できないままに、お客様のお耳に入れることの恥ずかしさ、情けなさも感じた2時間だったが、半数以上の方々が、通して聞いてくださったことに、頭の下がる思いである。
民話と一口に言っても、大きく分類すれば、昔話、伝説、世間話とあり、それが区分不可能なものもある。面白いことに、昔話そのものは、全国、県内各地に似たようなものがあり、少しずつ内容が違っている。大別して150ぐらいになるらしいが、伝説は地名ぐらいあるとも言われ、世間話は人がいる限りドラマがあるのだから、無限と言えるのかもしれない。私が幼いとき、祖母から聞いたものはそんなに多くなく、むしろ、ほんのわずかばかりだったと痛感している。
ところで、「今頃なぜ民話なの」と聞かれる。うまく表現できないのだが、「今だから民話から学ぶのよ」としか言えない。こんにち、景気低迷、失業率は5%を超え、イラクでは戦争が始まったと言っても、ぬるま湯にどっぷり浸かっているような私たちの日常である。
物資も、食べ物も無かった暮らし、本人の意思とは関わりなく進められる結婚、貧富や階級制度のなかで人権を奪われていた人たち。
民話では、願望やあきらめ、喜びや悲しみ、誕生や殺人などが淡々と語られている。生き抜くために、人々はどのような手だてをし、勝利と敗北を重ねてきたことか。人を動物になぞらえてまで壮大なドラマを構築し、簡潔に経緯を伝えてきている。
現社会では、平和、男女平等、人権、福祉、環境などのキーワードが飛び交い、いろんな問題が発生している。案外、民話のなかに解決の糸口が隠されているかもしれない。今回のワークショップ参加を機に、民話の世界をもう少し探検していきたい。探検したことを伝えていきたい。


国際女性デーのイベントに参加して
佐藤良子
 2003年3月8日、国際女性デーであるこの日、私はスウェーデンの首都ストックホルムにいました。初の海外旅行ではありませんでしたが、10年以上も前のことであり、パスポートの有効期限は当の昔に切れています。実質、初めての海外旅行を一人で片言英語だけを頼りに旅立った私は今考えるとかなり「冒険者」でした。
 国際女性デーは、1908年米国で社会党が女性の要求に答え、2月の最終日曜日を女性参政権のデモの日としたことに始まります。1910年にはクララ・ツェトキン(ドイツ人社会主義者)が、3月8日を国際女性デーとし、世界中に広めました。戦争などで一時中止され、1930年代には廃れていきましたが、1960年後半からの女性解放運動などで再び関心が持たれるようになり、さらに1975年の国連国際婦人年を契機に世界各地で広く祝われるようになりました。日本では、1923(大正12)年、社会主義婦人団体・赤瀾会が中心となり開催された演説会が最初だそうです。
 日本でも反戦のイベントが各地であったようですが、ストックホルムでは主要テーマである男女賃金格差の是正の主張と、対イラク戦争反対の主張が融合して大きなエネルギーを生み出していました。イベントは新市街の中心に位置するセルゲル広場で、午後2時ごろから始まりました。横断幕には”FRED(=平和)”が掲げられ、主催団体は男女賃金格差の現状を紹介した冊子と”100procent(=100%)”とプリントされたバッチを配っていました。広場では、人文字で”FRED”を作っている女性たちや、”No War”とかかれたプラカードをもつ学生、ピカソのゲルニカ、$マークと弾丸で描かれた星条旗など、横断幕もいろいろありました。スウェーデン語ができなくても共感できる「場」が形成されていました。
 演説が始まりましたが、私にはちんぷんかんぷん。ゆえに、どのような人が会場にきているかあたりを見回してみることに。乳母車を押している家族連れ、仲良く寄り添っている老夫婦、友達とおしゃべりしている十代の若者など、とても「気軽」に市民が参加していることがわかります。
 私には何ができるだろうか。そこで、まず募金、そして日本からでもOKという言葉を受け戦争反対の署名をし、”Nej Till Krig!(=戦争反対)”とプリントされた1個10クローネ(1クローネ=13円)のバッチを購入しました。バックに先ほどのバッチと並べてつけ、ちょっと誇らしげな気分。
 4時半頃からシュプレヒコールのもと市内を練り歩きイベントは終了。このデモ行進で印象的だったのは、デモの列に乳母車を押した夫婦が、中学生くらいの女の子たちが「普通」に飛び入り参加していることでした。政治を身近な問題として捉えられている一例を見ることができたと思います。


ブックレビュー
年度末は忙しいけれど、自分のために読んでほしい。今回もそんな2冊を紹介します。

「女性学事典」 岩波書店 (4830円)
日常の「あれ、何だったっけ?」に応える本。合計出生率、公娼制度、女性学、ジェンダー・・・・・ 意外にピチっと定義を述べるのは難しいものです。その点、この本は、約850もの女性学の関連用語をはじめ人物や団体を定義・ 解説しています。
4830円は、高価かな〜と買うのをためわせますが、すぐに十分モトがとれるはずです。定義が定まらないままに、話し合ったりしていても埒があきません。
基本書として持っていたい一冊です。
(斎藤美幸)

「キャサリン・マッキノンと語る ポルノグラフィと売買春」
C.A.マッキノン/ポルノ・買春問題研究会(翻訳、編集)  
信山社 (1500円)
 2002年1月13日、ポルノ・買春問題研究会により都内で開かれたマッキノンさんとの対話の内容を翻訳し、解説等を加えた内容。売買春とポルノグラフィを巡る問題点について、マッキノンさんが具体的に解説している。
 表現の自由とポルノグラフィの規制、サバイバーと共に活動することの重要性、セックスワークに関する一般的な疑問とそれに対する明確な答え、日本における女性の人権と売買春の実態など多岐にわたる内容を収めている。また、一つひとつの疑問にも答える形になっている。
 例えば「買春やポルノ従事は医療や事務などと同様の単なる労働の一形態」とするセックスワーク論に対しては、明確に「ノー」としている。その理由は、性は労働よりも人格的なものであり、労働よりも強く保護されなければならないこと。女性の性を商品化することによって、男性の支配と女性の従属が生じているという問題点が生じているからである。
 本文中では、福島市での元高校生の少年による連続婦女暴行事件を巡るポルノグラフィの影響などもコラムで紹介されており、興味深い。
(藍原寛子)


掲示板
樋口恵子さん東京都知事選出馬!!
 樋口さんには、民放テレビで、「天女が空から落ちてきた」と東京都知事出馬についての意向確認があったが、当のご本人は、「私のような重量級は、少なくとも空を軽やかに舞う天女とはかなり違いますから」とクールな発言をされました。私も実はまさかと思っていました。
しかし、WIN WINの強力なバックアップがあったのか、持病の高血圧をものともせず一大決心をされ、石原都政改革に勇敢に立ち向かう立候補表明。まさに高齢社会の主役は女性、そして高齢社会の諸問題を地方分権の中でいかに解決していくか、期待と支援のエールを送りたいと思います。
実は、会員の一人として「高齢社会をよくする女性の会」の本部にも問い合わせをしたのですが、「ご本人が突然立候補を決意したので、経緯はわかりません。とにかく今は「勝手連」が中心となって全力をあげて選挙戦に望みますので、応援をお願いします」とのこと。「アエラ」にも千葉県の堂本知事の談話がのっていました。「すべてをなげうって出る、よほどの何かがあったんだろうと思います。よくよくのことですよ。」と。
一連の「ババア発言」に対しての怒りだけではないと思う。政策論争で正々堂々と戦い、勝ち抜いて欲しいと思います。8月30・31日の郡山市で開催する全国大会は、どちらに転んでも盛会は間違いないと意を強くしています。皆さんも応援してください。 
(「高齢社会をよくする女性の会」会員 濱田千恵子)
  
★ 原稿募集! ★
広報部では、随時原稿を募集しています(写真つきの原稿、大歓迎です!)。次号から、毎回テーマを掲げ、ひろく意見を募るコーナー企画しています。何かお勧めのテーマはありませんか?


編集後記
まだまだ寒いですが、ふと通りをみるとオオイヌノフグリが咲いています。私はあの青い花が咲き始めると、春がきたと思うのですが、皆さんは何を春の目印としているのでしょう。気になります。そして、今回のうふふの感想も。
世界各国で反戦運動が展開されたにも関わらず、とうとう戦争が始まってしまいました。暴力からは暴力しか生まれません。この暴力の連鎖を断ち切るためには何が必要なのでしょうか。「平和」という言葉は抽象的で難しい。しかし、編集作業中、その普遍的な価値を願わずにはいられませんでした。

お詫びと訂正
vol.36では誤った記載がありました。訂正いたします。
  ・運営委員会の報告(p3)
(誤)全国婦人団体によるDVに関しての勉強会
(正)2002年全国DV研修会
・おしらせ(p8)
(誤)高齢者社会をよくする女性の会
(正)高齢社会をよくする女性の会
関係者の方に、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。チェック体制を強化し、このようなミスをなくしていけるよう努力いたしますので、今後ともうふふをよろしくお願いします。
広報部

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