活動紹介

オンライン・ダイジェスト


ふくしま女性フォーラム
〒960-1296
福島県 福島市金谷川1
福島大学 行政政策学類
栗原研究室気付(WFF事務局)

tel 024-548-8278
fax 024-548-8278

wff-web@myriel.jp


■「うふふ」 第43号(2005.4.30)

デマ宣伝に反対します!
「 私は、愛国主義を利益追求の隠れ蓑に利用しようとする輩に反対して国民的に戦うことが正しいと信じます・・・・
私は、青年に十分な機会を与えない経済制度に反対して国民的に戦うことが正しいと信じます・・・・
 私は、自由を守り維持するために必要なものは強力な陸海軍だけだという軽薄な信仰に反対して国民的に戦うことが正しいと信じます・・・・」
By ジャネット・ランキン


< 目次 >
未来館チャレンジ公募実践事業報告 ----(2)
小特集 福島県のジェンダーバッシング -(6)
掲示板 ------------------------------(8)
おしらせ(総会) -------------------(10)
編集後記 ---------------------------(10)


歴史の記憶または想い出の重要性について

代表  栗原 るみ
 アジアとの関係について、排外主義と人種差別意識を煽るような日本の政治家や政府高官の言動について、どう考えたらいいのか、とても心配です。学生たちと話していても、近現代の日本の歴史について、事実すらよく知らずにきているという歴史認識の不在に、よく出会うからです。というより私自身、戦後を生きてきた日本史研究者なのに、中国や朝鮮と日本の関係について、不明瞭な知識しか持っていないうえ、傷つけたことへの償いが不十分だったということに、改めて気がついているという状態なのです。中国の反日デモや韓国の竹島問題で、日本の国民に突きつけられている歴史の記憶について、ここのところ改めて考えています。
 私は、「冬のソナタ」を日本の人たち、特に40代以降の女性が感動を持って受け入れたということを、肯定的な脈絡で考えたいと思います。もちろん、メロドラマですから、問題も指摘できるとは思います。ただ、間違えたとわかればすぐ謝るし、悲しければ涙するチュンサン(男性)のやさしさが印象づけられ、一途に初恋を貫こうとする女性が、勉強を支えにして強く生きるキャリアウーマン(ユジン)をとして描かれていることなど、これまでの日本のジェンダー・ステレオタイプを超えているのではないでしょうか。
 そして、とても重要なことは、過去の記憶を抹殺することはできない、事実と向き合わなければならないという、人間社会のあり方が、テーマになっていることです。暗い記憶を抹殺して、あかるいミニョンを作り出せたとしても、でも事実は消せない。過去にリアルに向き合って、それぞれの思いや立場を理解し尊重しようとして歴史を受入れた結果、初恋も成就できる、という物語として読むこともできるからです。
 かつて、日本は脱亜入欧というスローガンで、アジアの指導者を目指しました。黒船来襲以後、日本が植民地にならなかったのは、この時期アジアの各地で植民地化に反対する民族運動が起り、イギリスはその処理に忙殺されていたなど外側の「偶然」の条件に助けられたという側面が見逃せないと思います。しかし、日本は、アジアを支配する強国になることによる欧米諸国との対等をめざし、日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦、あげく第2次世界大戦と戦争に邁進しました。台湾を植民地とし、韓国を併合し、中国には満州国を建設しています。第2次世界大戦の際には、日本人はアジアの指導者=支配者になるべき優位性のある民族だと主張するに至りました。それで侵略や殺戮に国民を駆り立てることを肯定したのです。
 市川房枝は第2次大戦の端緒とされる満州事変当初、戦争とファシズムに強く抵抗していました。しかし、言論の自由もなく、女性の参政権すらない時代のなかで、「女性の地位向上」のために活動すること優先したため、最終的に大政翼賛会に組込まれ、「戦争協力」をすることとなってしまいました。戦後彼女は「このつぎそういう場合になったら、一生懸命反対しよう」と言い残しています。
 世界の軍事主義の増大は、第5回国連世界女性会議の開催を阻みましたが、北京プラス10は「北京宣言・行動綱領」を再確認しています。先立って発表された「ジェンダーとあらゆる形態の差別、特に人種主義、人種差別、排外主義と関連する不寛容に関する合意結論」は「男女平等を促進し、あらゆる形態の差別、とりわけ多種多様な差別はもとより人種主義、人種差別、排外主義と関連する不寛容と闘う上での共同責任について、男性及び少年の意識を啓発するための戦略を策定する」と述べています。
 かつて日本に傷つけられたアジアの諸国が、小泉首相が第2次世界大戦の戦争責任者とされた人びとが祭られている靖国神社に参拝したことに対して、「経済大国に翳りを感じた日本政府が、国家として戦前を肯定し、アジアの支配者になることを目指す方向に踏み出したのではないか」、という危惧を持つのもうなずけます。
 わたしたちも、戦前の日本の姿を肯定できません。暴力や武力でリスクに備えるという方法に動員されることなく、ひとりひとりの人権を尊重できるような、相手の記憶を思いやる見地から話し合いと共感の機会と場を広げていくわたしたち方法で、言えることをいい、できることをしたいなと思います。

 巻頭のジャネット・ランキンの言葉は、大蔵雄之助『一票の反対ジャネット・ランキンの生涯』(麗澤大学出版、2004年、p.195)より引用



未来館チャレンジ公募実践事業の事業報告

ふくしま女性フォーラムでは、昨年12月に平成16年度未来館チャレンジ公募実践事業のもとイベントを開催しました。
この事業をとりくむ視座は、「女の家庭責任」や「家事育児が女性に向いている」としてきた日本の常識を見直すことでした。男性の参加者も多く見られましたが、メッセージは参加者にどのように伝わったでしょうか。

■テーマ■
少子化対策の視点から、育児休業制度の円滑な推進と次世代育成支援対策推進法の効果的な取り組みについて考える
■日時■
平成16年12月11日(土)
午後1時から午後4時半
■場所■
杉妻会館 4階(牡丹の間)

はじめに、同志社大学助教授の中村艶子先生から「少子化対策と企業における効果的支援制度について」と題する講演がありました。
次に、福島県の実情報告として、福島県商工労働部雇用対策グループ副主幹の斉藤弘子さん、福島ワコール縫製株式会社総務経理課長の村田孝子さん、富士通アイソテック労働組合執行委員長の今泉裕さんから、職員の働き方や育児休暇取得に関して、今後の対策等をコンパクトに説明してもらいました。
パネルディスカッションでは、「男女共同参画を踏まえて少子化対策と制度活用を考える」をテーマに議論がなされました。パネリストには講演者の同志社大学助教授の中村艶子さん、福島県総務部人事グループ参事の甲賀敬さん、ホテルニューパレス社長の山崎捷子さん、連合福島男女平等推進委員会事務局長の丹治千代子さんを迎え、コーディネーターはふくしま女性フォーラム代表の栗原るみが務めました。



講演

「少子化対策と企業における効果的支援制度について」
講師 同志社大学助教授  中村艶子 氏

 中村艶子同志社大学助教授より「少子化対策と企業における効果的制度について」と題し、急激な少子化が進む中、次世代育成支援を進める上で効果的であると考えられる企業の育児支援の取り組みについて講演いただいた。
 先ず、現状として職場環境の変化、保育支援インフラ欠如による課題についてあげられ、その中で次世代育成支援必要性が高まっていることが示され、子育て支援要求について、子育て期にある30歳代の女性の66.4%が保育施設・サービスや介護サービス充実に対する要望を抱いているという内閣府の調査の数字にも子育て支援への要求が如実に現れていること、1990年「1.57ショック」から2003年の「次世代育成支援対策推進法」誕生までの少子化対策の経過について述べられた。
 次に、次世代育成支援対策推進法の概要が説明され、特に一般事業主行動計画に盛り込まれるべき内容について、子育てを行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備として、妊娠中及び出産後における配慮や育児休業期間中の代替要員の確保や育児休業中の労働者の職業能力の開発、向上等、育児休業を取得しやすく職業復帰しやすい環境の整備、事業所内託児施設設置及び運営、子どもの看護休暇の実施について説明がなされた。企業による育児支援への動きとしては、短時間勤務の制度やフレックスタイム制などがあること、さらに2005年4月に施行された改正育児・介護休業法についての説明がなされたが、育児休業の取得率から見て取得自体が容易ではない現状にもふれていた。
仕事と家庭の両立等に配慮する制度を持つ企業「ファミリー・フレンドリー企業」のアメリカの事例としてカリフォルニアの衣料メーカーであるパタゴニアという企業があげられた。この企業は、6クラス95名収容の企業内託児所、出張中の育児費用100%払い戻しシステム、フェイズアウトプログラム(出産後の復帰プログラムで、体調や家庭状況を鑑みながら最初はパートタイムで復帰し、段階を経てフルタイムへ戻る復帰プログラム)のような子育て支援プログラムを持っている。さらにパタゴニアは、社員が育児休業を取得した場合に発生する欠員の人員補充を他部署からの短期間限定での異動による人員代替方式である「ドミノ方式」を導入していることが紹介された。日本でも「ファミリー・フレンドー」企業表彰が行われているが、ファミリー・フレンドリーであることが人事政策上の効果があると考えている大企業が60%近くあり、企業イメージの向上、PR効果、従業員の忠誠心向上につながると報告された。
今後の展望として、企業が社会的責任としてファミリー・フレンドリー化し、企業内保育所の設置や取得しやすい休業制度を持つことは大変重要であることを強調したが、次世代法の行動計画策定の中で、企業に過重な負担を課すのではないかという懸念を日本経団連が示しており、これに、いかに対応するかもこれからの課題であると述べられた。また、企業内保育所が長時間労働を助長しないように、育児支援プログラムにあわせて、どのような働き方を導入するかを考えていく必要があると指摘し、人権を保障した上での適切な次世代育成支援を推進するという理念にたってこそ、次世代育成支援のための企業の育児支援が成り立つと述べられ講演を締め括った。
(報告者 金子恵美)


◆プロフィール◆
同志社女子大学学芸部英文科卒・モントレーインスティティート大学院通訳・翻訳研究科卒・同志社大学アメリカ研究科博士後期課程満期退学
専門:日米女性労働、日英通訳・翻訳
主な著書(共著)『男女共同の職場づくり』「グローバル化」


※ファミリー・フレンドリー企業
仕事と育児・介護とが両立できるような様々な制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取組を行う企業。以下の4つの柱からなります。

1 法を上回る基準の育児・介護休業制度を規定しており、かつ、実際に利用されていること
2 仕事と家庭のバランスに配慮した柔軟な働き方ができる制度をもっており、かつ、実際に利用されていること
3 仕事と家庭の両立を可能にするその他の制度を規定しており、かつ、実際に利用されていること
4 仕事と家庭との両立がしやすい企業文化をもっていること
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/index.html)



福島県の実情報告

はじめに、福島県商工労働部雇用対策グループ副主幹の斉藤弘子さんより、昨年、県庁内の女性職員に対して実施したアンケートと福島県庁の女性活用方策について報告がありました。アンケート結果より、仕事にやりがいをもっていても(責任のある仕事を任せられていても、一人前に見られていても)管理職への登用を望む女性職員は非常に少数にとどまっていることがわかりました。その理由として、「家庭との両立」及び「企画等の経験がないための能力不足への不安」があげられていました。そのため、県では6つの具体的な方策を提示しており、特に力を注いでいるものとして、(1)職域の拡大や女性職員の育成、(4)人事評価制度等の見直し、(5)執務環境の整備の3点をあげていました。
次に、福島ワコール縫製株式会社総務経理課長の村田孝子さんから、育児休暇利用者の実情について報告がありました。女性が多い職場であることと、縫製という技術職であることから、女性が子供を産んでも働き続けるための環境作りに関する整備は法律制定以前から行われているが、これをより進めるためには、中小企業に対する公的支援が必要であると主張していました。また、今後は介護休暇取得者が増えていくことが予想していることから、その対策も重要な課題となっているようです。
最後に、富士通アイソテック労働組合執行委員長今泉裕さんから、今春4月の実施に向けて協議されている次世代育成に関する行動計画の内容について報告がありました。まず、行動計画策定にあたり、女性を有効活用するメリットとしての生産性の向上をあげつつも、関係諸法と経営問題への取り組みに関しては適切なバランスが重要であるとして、法律を守るのではなく攻めの姿勢で、かつ富士通の独自性をうちだしていくという意気込みを語って下さいました。行動計画については、企業の社会的責任として6点あげており、実際に「勤労者の保護」の観点から派遣社員や母子家庭の方等に対する保護に関しての取り組みがなされているそうです。
(報告者 佐藤良子)



パネルディスカッション

テーマ:「男女共同参画を踏まえて
少子化対策と制度活用を考える」
出演者:中村艶子氏(同志社大学助教授)
     甲賀敬氏(福島県総務部人事グループ参事)
     山崎捷子氏(ホテルニューパレス社長)
     丹治千代子氏 
     (連合福島男女平等推進委員会事務局長)
コーディネーター:栗原るみ
     (ふくしま女性フォーラム代表)
(敬称略)
 コーディネーターより、3つの問題提起があり、それぞれの立場から忌憚の無い意見や報告を頂きました。
 第1の問題提起として、「次世代育成対策推進法が単なる男女の役割分業ではなく、男性の働き方そのものを支えていけるようにするには?」に対して、山崎さんから「事業主として育休・介護休など環境整備しているにも関わらず、取得者はゼロであること。その理由として社会的な育児に対する刷り込みや、回りの理解が得られない、賃金の保証が不十分であること」などが示され、甲賀さんからは「県においても女性採用率が高い(全国2位)にも関わらず、30代の離職率が高く、育休を取りやすい環境作りや管理者の研修(主に男性)を行なっている」などの報告がありました。
 また、中村さんから「キャリアを積んだ女性の労働曲線はいわゆるM字型ではなく、一度やめたら二度と復職しないキリン型という特徴を示すこと。これは、復職したくても望むような求人がないことが主な理由と考えられ、又、離職の原因として適正な評価基準もなく上司との関係も含んだ『仕事のきつさ』があることなどから、いくら支援体制を整えようが、意識改革や働き方の雇用管理の是正なしには、個人の期待するような形での継続就業は難しい」という事が指摘されました。
 第2の問題提起として、「企業の次世代育成や男女共同参画への取り組みが社会的評価につながるような、あるいは企業にとって有利となるような具体的な実行策はないものか?」ということに対しては、甲賀さんから「行政として企業活動にブレーキをかけてもよいのか。しかし、企業にとって足かせとなるような実効性の高い男女共同参画という二面性に分かれるが、現実に、環境に優しい企業の取り組みがイメージアップにつながり、消費者の信頼を得ているという事実があり、同様に男女共同参画や子育て支援なども評価されていけば、労働者にとっても働きやすい職場作りが可能なのでは」という意見があり、そして中村さんから企業における男性の働き方の意識そのものを変えていくことが必要であり、そのひとつの方法として、ワークシェアリングという考え方が示されました。
 第3の問題提起は、「赤字企業にとっての問題解決策について」でしたが、赤字問題は目先の議論になりがちだが、労働者問題は長期的展望で考えなければならず、同じテーブルでの議論は無理であること。育児制度などを取り入れることは、人材確保のための投資であり、出産をマイナス評価にしないような意識改革が必要である事などの意見が出されました。
 その他、高すぎる出産費用の改善、企業の取り組みがその地位を上げるというインセンティブを県の労働行政部門で取り組んでいきたい、などそれぞれの立場での、今後の取り組みの方向性が示されました。
 その後、質疑応答に移り、最後にコーディネーターから、「いろいろな問題をもっとシンプルに考えて、納得できない働き方の時には意義を唱え、問題を表面化させる議論をして、この複雑で難しい制度を納得出来るような制度にして、うまく利用したい。そのためにも、互いが競い合うのではなく、分かり合う為に話し合いは今後も必要なのだ」、という意見でパネルディスカッションは終了しました。
(報告者 丸山八重子)





《関連する統計データ》
平成16年版『働く女性の実情』が発表されました。注目点の一つは、国際比較をした場合の日本における6歳未満の子を持つ母親の就業率に低さです。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/index.html)
OECDのEmployment Outlookにより6歳未満の子を持つ母親の就業率の10年 間の変化をみると、多くの国では母親の就業率が上昇している(図表2-71)。
特に 大きく上昇しているのがオランダ、イギリス、アメリカであった。日本は若干上昇したものの、水準が低い上に上昇幅もわずかとなっている。この結果、最近 時点ではかつては日本より水準が低かったオランダを下回り、イタリアの水準を下回ったままとなっている。



未来館チャレンジ公募実践事業の報告書が作成されました

『平成16年度未来館チャレンジ公募実践事業
少子化対策の視点から、育児休業制度の円滑な推進と次世代育成支援対策推進法の効果的な取り組みについて考える 報告書』


イベントの内容及び配布資料がまとめられています。
興味のある方はご連絡下さい。
(※残部は少ないので希望する方はお早めに!)



小特集 福島県のジェンダーバッシング

最近、福島県においてもジェンダー・バックラッシュが起こっています。特に、ジェンダーフリー教育に対して、間違った認識に基づく批判が公然となされています。

二月議会雑感
男女共同参画やジェンダーフリーについて、バッグ・クラッシュが全国的に起こってきていますが、本県でもそのような流れが今議会で目立ちました。
主なものを拾ってみますと、

○ジェンダーフリーが男らしさ・女らしさを否定することになるのでは
○ジェンダー平等教育が少子化を進めることになるのではないか
○学校の混合名簿による混乱があるのでは 
○ジェンダー平等は男女を一括りに扱い男女の同質を目指すものでは
○副読本「未来を育てる基本の木」は雛祭りや端午の節句を問題視し男らしさ女らしさを否定している
○ジェンダーフリーを教育の名の下に押しつけているのでは
 
これまでなかったような傾向がでてきています。
これは、国会の場で性教育の副読本が山谷えり子議員により、行き過ぎているのではという質問があり、翌日には本県の議会で取り上げられるなど、国会や他自治体で起こっていることが時間をおかず本県にも影響が及んできていることの現れと思います。
男女共同参画にはアレルギーをあまり示していませんがジェンダーフリーという言葉には危機感を抱いている議員が多く、質問や答弁中のヤジにもそれが現れています。
生物学的性差とジェンダーの違いが混同して理解されており、和製外来語の危うさを感じました。最近、歴史や伝統、文化への再認識、思いやりや愛国心などが声高に言われ、反論しがたい風潮がでてきていますが、歴史や文化、伝統などの中に女性を差別してきたものが多く含まれ、多くの女性たちが苦しんできたことも事実であります。
少子化、十代の妊娠中絶の増加など社会現象面をジェンダーフリーによりもたらされた結果としたり、生物学的性差による区別とジェンダーバイアスによる差別を混同する事態に陥っています。
もっと本質を見抜き、きちっとした説得力を身につけていかなければと考えさせられました。会員の皆様も議会に関心を持ち傍聴に出かけてみませんか。時計の針を逆に回すことにならないためにも。 
(つぶやきMK)

身近に「ジェンダーバッシング」が
 昨年12月の県議会で、柳沼純子議員(自民党郡山選出)が橘高のジェンダー平等教育を取り上げ、「私はこのジェンダーフリーは行き過ぎではないかと思います。人類が誕生した昔々、神は男性、女性と明らかに違う性をつくりました。今、ジェンダーフリーを言うなら、みずからの考え、みずからの意思でジェンダーフリーを行えばいいと思います。教育の名のもとに押しつけられるものではないと考えております。」と「質問」しました。
 西尾幹二・八木秀次著「新・国民の油断(「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を滅ぼす)」PHP05.1.では、5頁にわたって「橘高校ジェンダー平等教育の指針」に対してバッシングをしています。「自由な気風」の下、「自主・自律・自立」を教育方針とし、「自由人たれ、自由人になれ」と唱え、そして「ジェンダーバイアス」から自由になろう、と長年培ってきた「福女文化」を、「自由の反対、倒錯そのもの、不自由のすすめにひっくり返っていることに教職員たちが気づいていない」(西尾p.64)と否定の論評を加えています。この著書でも「女性は女性という生理的宿命を背負っており、そこを起点にして考えなくてはならない。」(西尾p.354)と言い、両者には発想が共通しています。
 男女共同参画社会基本法を「この法律はマルクス主義者によって、彼らのイデオロギーに基づいて制定されたものなのなのである。・・・著者二人は『新しい歴史教科書をつくる会』という教科書改善運動に携わっている者である。歴史教科書もまた冷戦後、よけいに階級闘争史観が濃厚になったが、本論で論じた『ジェンダーフリー』も『過激な性教育』も、その背景にある人物や思想は、歴史教科書を自虐的にした勢力とぴったり同じである。”敵”は同じなのである。その意味では、われわれ二人がこの問題に携わるのには必然性があると言っていい。本書の刊行が、男女共同参画社会基本法の改廃をはじめ、国や地方自治体の男女共同参画政策の抜本的改革に繋がっていくことを強く期待したい。」(八木、まえがき)その世界観からの「批判」ですので、橘高で掲げた方針は、全く相容れないもの当然でしょう。
 男女共同参画社会基本法成立時の野中官房長官を「あの暗黒街から出てきたような悪魔的人格です。たった一人のサタンがこういうことをしたんですよ、本当に。やったのは野中広務なんです。」(西尾p.156)更に「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」制定についても、「私に言わせれば、暗黒街から出てきたような悪魔的人格の野中広務氏が、どういうわけか、こういうときだけ暗躍するんですね。」(西尾p.216)と、明らかに部落差別を前提とした、不穏当な言辞を弄しています(魚住昭「野中広務、差別と権力」講談社04.6)。このような立論が「学問・表現に自由」の範疇に入るのでしょうか。そして、「小泉純一郎さんでは頼りになりませんから、きちんとした新しい政権の下で元凶の男女共同参画社会基本法を廃案にして、健全な伝統的な家庭を尊重する教育や行政の姿勢を立て直すことが必要です。そのためには教育基本法の改正が求められているということは、一連のつながりとしてあると思います。」(西尾p.257)とも言っています。
 そもそも「男女平等(=男女共同参画=gender equality)」に反対なのですから、彼らに理解を期待しても所詮は無理なのでしょう。
 今回のバッシングを契機に、福大の先生方が橘高の教育実践への擁護・支援の表明をしてくださいました。有り難く、感謝いたします。
(NPOメディア・イコール「イコール・プレス」の原稿に少し手を加えました)
※【ジェンダーフリー gender free】  
ジェンダーの制度的・心理的障害(バリア)を外し、ジェンダー認識の呪縛から自由になること。
(岩波女性学事典)




「Looking for Fumiko」上映会&栗原奈名子監督講演会の報告

2004年11月14日に行われた、『Looking for Fumiko〜女たちの自分探し』上映会&栗原奈名子監督講演会についてご報告します。
 1993年製作のこのドキュメンタリー映画は、ロサンゼルス映画祭で賞を得たり、そのほか各国の映画祭で上映されるなど、外国ではそれなりに知られ、評価を受けてきた作品です。この日の栗原奈名子監督のお話では、全米ネットワークやオーストラリアなどでテレビ放映もされたそうです。
 しかし、日本のウーマンリブ運動をテーマとしたものであるにもかかわらず、この作品は日本では全然知られていません。各地の女性センターにはビデオがあったりするのですが、わざわざ行ってこの作品を見るという人は限られています。
ということで、今回は福島フォーラム(映画館)さんに特にお願いして、一般上映という形を取らせていただきました。ご協力いただいたみなさんに心から感謝したいと思います。
 さて、今回次のような文章を書いて、宣伝用のチラシの裏面に刷っておきました。

 ――リブ運動とは、日本では1970年にはじまり、75年頃まで続いた女性運動のこと。内容は多岐に渡り、社会のさまざまな領域における男性中心主義の告発にはじまり、主婦であることの問い直しや、家庭科の男女共修をめざす運動、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの主張など、おおよそ考えられるありとあらゆる問題が、30年以上前にすでに出てきていたのです。
 1972〜73年頃は「優生保護法改悪阻止」という大きな目標があったため、外からも見やすい部分があったのですが、国際婦人年とされた1975年頃からは、個別の問題に取り組む小グループの運動が中心になっていき、全体像がわかりにくくなっていきます。
 今や世の中の多くの人は、リブ運動についてほとんど知りません。先に述べたように、解決済みの問題も含め、これまで女性問題とかジェンダー問題として取り上げられてきたもののほとんどが、この時期にすでに問題提起されていたにもかかわらず、です。男性解放(メンズリブ)の主張まですでにあったのです。
 福島にリブ運動にかかわった女性たちが集まったこともあります。ちょうど30年前、1974年のオノ・ヨーコさんの郡山でのコンサートの時です。同じ年、在仙の女性の呼びかけで、東北での合宿が鳴子温泉で行なわれています。知られていないだけで、ひょっとしたらひっそりと活動グループが福島県内にもあったかも知れません。もちろん、関心を持っていた人も少なからず存在したでしょう。
 リブ運動が知られていないのにはいくつかの理由がありますが、最大のものは、マスメディアが無視やからかいに終始し、リブ運動をまともに報道しなかったということのようです。新聞社もテレビ局も男性中心の組織であり、男性の視点から物事をとらえ、報道していたということの表われと言えるでしょう。「ヒステリックな女たちがやっている」だとか「男に相手にされない女のひがみ」だとか書きたてられましたが、リブ運動に参加していた女性たちは、皆どこにでもいるごく普通の女性たちで、平凡でありながらかつ自分らしく生きるためにはどうしたらいいのかを考え、悩んでいた人たちだったのです。
 そう、リブ運動は「社会を変えよう」という運動であったと同時に、「自分を変えよう」という運動でもありました。この映画のサブタイトルが「女たちの自分探し」になっていることとも関係があります。「母」や「妻」などの役割に還元されてしまわない、「女(わたし)」としての自分のあり方を模索する運動だったのです。いろいろな資料からうかがわれる当時の女性たちの声に耳を傾けていると、彼女たちが何とかして自分が感じている苦しみを表現しよう、自分らしさを手に入れよう、自分が生きたい生とは何なのかをつかもうとしてもがいているさまを感じとることができます。
 わたしたちの現在(いま)を源へさかのぼり、現在の状況をとらえなおすためにも、この映画をみなさんにぜひ一度観ていただきたいと思います。映っている彼女たちの姿は、ひょっとしたら、わたしたちの今の姿であるかも知れません。

 リブは当時の社会からほとんど無視されか、あるいはからかいの対象となっただけでしたし、今もなお全体としてはそうであり続けています。研究者もこの風潮からかならずしも無縁ではありませんでした。(たとえば永原和子・米田佐代子『おんなの昭和史』(有斐閣)にはリブについての記述はありません。)
 映画に登場した田中美津さん(榎美沙子に並ぶ当時のビッグネームの一人)は、「当時の運動ってもこもこしてた」というような発言をしているそうです。たぶん不定形でつかみどころがなかったということでしょう。運動の参加者自身、どうすればどうなるのかがまったくわからずに、手探りで運動を続けていたところがあるのではないかと思います。それでもなんとか形になっていったのは、彼女たちが運動の根底に据えたものが「自分たちのなまの生」だったからではないかと思います。それは、立脚するにはいちばんしっかりしたものであったと言えるでしょう。
 彼女たちの運動はまさに「地に足をつけたgrounded」運動だったと思うし(もちろん理念も盛んに論議されはしただろうけど)、今もなお、何か具体的な問題というのは消えてしまったわけではないのだから、「地に足をつけた」運動のための基盤が存在しないはずはないのだと思います。
 1995年に福島に来て、「この地に必要なのは“ウーマンリブ”ではないだろうか」と思ったことがあります。96年7月におこなわれたWFFの学習会で、リブについてお話ししたのには、実はそういう意味がありました。その気持ちは今も変わっていません。「男女共同参画社会」を作ろうという動きが行政主導で行われている今のこの時代だからこそ、わたしたちの足下からその内実を創り上げていくためにも、リブ運動に学びながら、わたしたち自身の生の現実に立脚した社会を考えていくことが必要ではないかと、改めて感じたイベントでした。
(報告者 高橋準)



大学生のジェンダー認識について
福島大学の男女共同参画検討準備委員会は「『男女共同参画』についての説明及び教育の充実が大学の課題である」ということなどを含む答申をした。答申にむけ実施したアンケート調査によれば、現代の大学生も「男女共同参画」について、十分な知識を得ることなく、大学を巣立っていきかねない実態が明らかになっている。
調査:「男女共同参画とセクシュアル・ハラスメントについてのアンケート調査」
対象: 学生1024人、教職員230人

Q 「男女共同参画」という言葉を聞いたことがありますか?
男の36.6%、女の23.0%が男女共同参画という言葉を聞いたことがないという現実!

Q 「男女共同参画基本法」があることを知っていますか?
男の58.8%、女の45.1%が男女共同参画社会基本法があることを知らないという現実!

Q  ジェンダー学などのジェンダー関連科目を受講しますか(しましたか)?

ジェンダー論が開講されていることは85%の学生が知っているにもかかわらず、ジェンダー学などのジェンダー関連科目を受講しようとしている学生は男の20.9%、女でも33.3%にすぎない。
ジェンダー学は開講されているとはいえ、実際には全ての学生に男女共同参画を考える機会を提供するには程遠いカリキュラムの実情である。

【受講する(した)理由】
・自分の生き方に関わりを持っているから。
・男だから女だからと言われることがある社会に疑問をもっていたから。
【受講しない理由】
・他に必修科目があるから、受講はできないのでしない。
・卒業に必要なかった。
・興味がないから。
・女性に偏った考えが多いと思うから。
 コメントの分析より、最大の問題は、学生は単位をとることとの関係から受講するかどうかを選択するという事実であるといえる。また、いままで一定の関心を獲得する機会のあった学生はジェンダー論をとろうと考えているが、関係がないとか、偏見を持っている学生がかなり多いという事実も明らかになった。

結論 ジェンダー視点(男女共同参画の基礎)の重要性を明らかにできるようなカリキュラム編成が不可欠である!
(報告者 栗原るみ)

* * * * *

国会では、ポルノや買春の氾濫や性教育の不十分性については何も言及せず、若者の性感染症の増大の理由を、「フリーセックスを奨励するジェンダー教育のせいだ」(これこそデマだ!)としてジェンダーという言葉を排除すべきだとの主張が公然となされています。差別論者のレッテルはりに対して、ほんとうに1人ひとりさまざまな個性を発揮できるような、画一や均質を強いるのではない平等を求めることのすばらしさを、どのように伝え、広げられるのか。日本社会で再生産されている競争、差別、抑圧、暴力構造をどう明るみに出し、批判することができるのか、私たちはもっとこの社会の歪みを痛感しなければならないのではないでしょうか。
 そこで、第10回総会では「ジェンダー教育をめぐる大討論会」をテーマに掲げ、福島県のジェンダー平等を阻む要因について、教育という視点からいろいろ話あいたいと考えています。


第10回ふくしま女性フォーラム総会
のおしらせ
 ふくしま女性フォーラムもとうとう10年目に突入しました。そこで、総会では、これまでの10年をふりかえり、何を獲得したのか、そして今後何がしたいのかを本音で議論したいと思います。
パネルディスカッションでは、教育の場におけるジェンダーバッシングについて、議員や教員など様々分野で活躍している方々を招き、福島県の教育について、どうすればジェンダー平等な考え方を共有できるのかを討論したいと思います。

日時: 2005年5月22日(日)
     13:00 〜 16:30
場所: 福島大学 行政政策学類棟 大会議室

パネルディスカッション
テーマ: ジェンダー教育をめぐる大討論会

たくさんの参加をお待ちしております。
みんなで元気になりましょう!


咲き誇る花々に思わず頬が緩みます。うーん、春ですね。会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。自身は4月から新たな生活が始まり、日々これ勉強の毎日ですが、周りの方々に助けていただき、どうにか頑張れています。ワンダフルな自分になるぞ!と決意。 (・o・)/     (R.S)

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